キャンプや釣り、シュノーケリングなど、アウトドア遊びの幅が広くなるにつれ、必要性を感じるようになってきた「防水カメラ」。
とりあえず、使わなくなったiPhoneを防水ケースに入れて使ってみましたが、
やっぱり満足せず。
中身がiPhone5sということもあって、ガンガン撮影するにはカメラスペックの低さが目立ちます。そもそも子供用と考えていたので、過度に期待するのもどうかとは思うのですが。
というわけで、購入しました「TG-5(オリンパス)」。防湿庫の番長になっていたRX100とのリプレイスです。
TG-5を持って海水浴で試写
早速、海水浴に持って行きました。といっても、購入してから触る時間がほとんど取れず、ほぼ工場出荷状態での撮影で挑みました。
今までの人生の中で、カメラを水中に浸けるなんてしたことがないものですから、最初はめちゃくちゃ勇気が要りました。
まずは自分が海の中へ入りパシャリ。徐々に身体を沈め、波しぶきを受けながらパシャリ。
ついには海中に潜ってパシャリ。ピントも設定もめちゃくちゃで恐縮ですが、人生初の海中撮影でテンションが上がっています。
海の中から空を見上げての撮影。
ごめんなさい、全くおもしろくない写真ですね。おもしろいのは撮影している瞬間の本人のみ。今となっては、撮った記憶もあやふやです。
今度は海の底を撮影。
魚が泳いでいれば、まだ画になっていたかもしれないんですけどね。先日の豪雨の影響で、まだ海の中は濁っていたため、1匹も姿を見かけなかったのです。
けれどもシュノーケルをくわえ、ゆらゆらと波に身を委ねながら、なんとはなしにシャッターを切り続けるのも、なかなか気持ちの良いものです。
泳ぎや釣りに忙しく、正直なところ、写真撮影はそっちのけになってしまいました。まぁ、今回はあくまでも試し撮り。水中での撮影が実行できたので、目的達成ということにしておきます。
水中撮影時の諸注意やメンテナンス方法
完全無敵なカメラのように思えるTG-5ですが、いくつか頭に入れておかなければならないことがあります。できれば購入前に知っておいた方が良いことなので、ここでピックアップしておきたいと思います。
水中での使用は連続60分間まで
TG-5の防水性能は「IPX8」相当。水深15mまでの撮影が可能で、水中での連続使用は60分間に設計されています。
水深撮影性能については、パンフレットなんかで大々的に広告されているので知っていましたが、連続使用時間については、説明書を読んで初めて知りました。
ちょっと水辺で撮影するぐらいなら気にしなくても問題ありませんが、ダイビング用途で考えている方なら、知っておかなければ大問題になります。
他メーカーの防水カメラも同じ
この水中での連続使用時間については、TG-5に限ったことではなく、他メーカの防水カメラでも同じです。
例えばニコンのW300は説明書に
水中で60分以上連続して使わない。(W300ダウンロード用説明書)
とあります。
またリコーのWG-50は、
連続して水中で120分を超えて使用しないでください。(WG-50ダウンロード用説明書)
とされています。
防水カメラといっても、ずっと水に浸かりっぱなしというのはNGなんですね。60分ぐらいなら、プールや海で遊んでいれば、すぐに経ちそうな時間なので注意しておかなければいけません。
それにしてもWG-50の潜水性能が120分って、すごい!
温泉では使用不可
そもそも公共の温泉ではカメラの持ち込みが禁止されているので、注意する必要はありません。けれども家族湯がある旅館なんかだと、知らずにうっかり使ってしまうと大惨事です。
温泉成分が、本体の塗装やレンズのコーティングを劣化させてしまうそうで。また防水用のゴムパッキンを傷める可能性も高く、カメラが壊れる原因になります。
カメラを持ったままの飛び込み禁止
正確に言うと、飛び込んだ衝撃をカメラに与えてはいけない、ということです。飛び込んだ衝撃で、電池/カードカバーやコネクタカバーが開くおそれがあり、そこから水が侵入して、カメラを壊してしまうかもしれないからです。
このことも、知らなければうっかりやっちまった可能性があります。足元に透明度の高い海が広がっていて、飛び込めそうな高さなら、そりゃいきますよね。
TG-5の耐衝撃性能は2.1mなんで、よくよく考えてみたら、飛び込みなんてスペック的にもアウトな場面の方が多いのかもしれません。
レンズリングは外して使っても大丈夫、かな
TG-5のレンズ周辺部分には「レンズリング」が装着されていて、それを外すことで各種コンバーターレンズやマクロ撮影用アクセサリーを取り付けることができます。
僕はUN製のレンズキャップを使用しているのですが、
特に防水防塵構造というわけでもありません。ただのプラスチックです。
レンズリングを外した本体側には、金属端子っぽい部品がちらついています。もしかして、他社製のレンズキャップでは、防水防塵性能が担保されないのでは?
不安になって、あわてて説明書を読みました。するとこんな表記が。
水中で使用したあとは、電池/カードカバーおよびコネクトカバーをしっかりと閉め、ロックをし、レンズリングをはずした状態でバケツなどに入れた真水に10分程度さらし…(TG-5説明書より)
メンテナンスについての項目に、レンズリングをはずして水で洗うことを推奨する一文が、はっきりと記されています。
またレンズリング自体も防水防塵構造にはなっていないようなので、レンズリングの有無は防水性能に影響しないと判断しました。つまりUN製のレンズキャップを付けたまま水中撮影してもOKということです。
実際、海での撮影をした後でも、壊れることなく正常に動作しています。なので、おそらく大丈夫かと思います。
40℃以上の場所に放置しない
タフネスとは言いながらも、意外に高温耐性は標準レベル。40℃というと、昨今の異常気象の中では、あっさりと到達してしまう温度です。
アスファルトの上や車のダッシュボードなんかは言うまでもなく、はるか高温になります。直射日光の下では、ベンチやテーブルに置くのも危険です。
TG-5、というかカメラの置き場所は、カバンの中が無難ということです。
メンテナンスは真水に10分浸け置き。60分以上放置はNG!
水中で使用した後は、必ず真水で10分ほど浸け置きして汚れを落とし、日陰で乾燥させましょう。先述の通り、レンズリングやアクセサリの類は全て外した状態で。
注意するポイントは、使用後60分以内に真水に浸けること。付着した汚れが外観を腐食し、防水性能を劣化させるのを防ぐためです。
この60分以内というのが、なかなかシビアな数字だと、僕は思います。
繁忙期、プールならまだしも、海だと真水が自由に使えない状況も多々あります。シャワーや足洗い場までもが長蛇の列なんてザラですし、自販機の水が売り切れなんてのもよくあることです。
後片付けに手間取り、時間が過ぎてしまうことだって考えられます。60分なんて思ったよりも短いものです。
500mlのペットボトル1本分の水ぐらいは準備しておくのがベストですけど、どうしようもなない場合は、乾燥させないようにタオルで巻くなどして、できるだけ早く水のあるところに移動するなどの心づもりが重要です。
各種カバーの開閉は縦向きに
各種カバーの開閉は、十分乾燥させた後に行うことが望ましいわけですが、緊急の場合、次のことに注意して開閉することができます。
- 外装に付着した水滴は十分に拭き取る
- カメラを縦向きにし、各種カバーは地面と平行に倒れるよう、ゆっくり開ける
- カバーの内部表面に付着した水滴は、必ず拭き取ってから閉める
1と3は当然のことですが、2は頭に入れておく方が良いですね。
普通はカバーの”面”部分を上に向けて開けてしまいますが、それをすると水滴がカバー内部へと侵入します。
水滴を切るイメージで、ゆっくりと確認しながら開閉しましょう。
あとがき
初めての防水カメラということで、いろいろと身に付けるべき所作がありますが、使って楽しいカメラであるのは間違いありません。
この夏、どしどし使って、どしどしレビューしたいと思います。