【Fujifilm X-Pro2】X-Pro1との比較レビュー|ISO12800が常用で使える世界。ノイズとの新しい付き合い方。

X-Pro2 & XF35mm f2 WR

以前にも書きましたが、僕はX-Pro1の描き出す絵がとても好きでした。

”親指AF”や”連射”を使いこなせば、X-Pro1もまだまだ現役で使えるカメラなのだ。
今年の3月にX-Pro2が発売され、9月にはX-T1の後継機X-T2が発売される。富士フィルムがダブルフラグシップと位置づける2機種が新しく...

精細な表現でもトゲトゲしさはなく、どこかあたたかな印象の描写。X-Pro1は、いつもこの世界を丁寧に、優しく捉えてくれていました。だから”画質”という点では、X-Pro2に求めるものは限りなく少なかった。X-Pro1のように描いてくれれば十分だ、とさえ思っていたほどです。

使い込んでいくうちに、X-Pro2の画質に対する評価が固まってきましたのでお伝えしたいとお思います。

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有効画素数2430万。緻密さが増したことで、立体感がアップした。

モヤが消えたように、写真が締まって見える

X-Pro2 & XF56mm F1.2 APDX-Pro2の有効画素数は2430万。X-Pro1が1630万画素だったので、およそ1.5倍に増えました。

X-Pro1でも、かなり精細な描写だと思っていましたが、X-Pro2の描く絵は、さらにひと皮剥けた印象を受けます。両機で撮影した写真を比べるまでもなく、パッと見ただけで違いが分かるほど。線の一本一本に、”芯”が感じられます

メガネを新調したときのように、視界からモヤが取り払われ、画面がキュッと引き締まって見えるのです。

画素数アップは、立体感アップにつながる

X-Pro2 & XF56mm F1.2 APD

画素数が増えたことによって、より細かな表現が可能なったこと以外に、立体感を強く感じる写真が撮影できるようになりました。

平面表現である写真から、”奥行き”と”深さ”が感じられ、手を伸ばせば触ることができるんじゃないか、という錯覚を覚えます。さらに、被写体の質感や温度、湿り気具合まで伝わってくるようで、リアリティに息をのむこともしばしばあります。

「神は細部に宿る」とは、建築家のミース・ファン・デル・ローエの言葉ですが、細かな部分までも丁寧に描くことによって、2次元から3次元を浮かび上がらせることができてしまうのですから、時代が時代なら、”魔法”のように感じられたでしょうね。

高感度番長、健在!これからはISO12800が常用感度。

X-Pro1時代から、高感度の画質は綺麗だった

X-Pro1|ISO6400の写真

X100の時代から、Xシリーズは高感度画質において、同世代のライバル機よりも頭一つ抜けていたように思います。

高感度画質は、富士フィルム独自のカラー配列を持つ「X-Trans CMOS」センサーの得意とするところで、僕の場合、ISO3200で撮影した写真でも、十分すぎるほどの美しさだと思ってきました。

ちなみに上の写真はISO3200。陶器と木目、そしてコーヒーの質感まで、きっちりと表現できていると思いませんか。

ISO12800でも積極的に使いたくなるクオリティ

X-Pro2 & XF35mm F2 WR

X-Pro2になって、X-Trans CMOSセンサーは「X-Trans CMOS Ⅲ」となり、X-Pro1の頃から2世代分の進化を遂げました。

常用最高感度はISO12800。拡張ならISO51200まで選択することが可能です(ちなみに、X-Pro1の常用最高感度はISO6400、拡張はISO25600)。

暗所で撮影を試してみたところ、ISO3200はもちろん、ISO6400でもほとんど劣化を感じないことに驚かされます。ISO12800にあげてもディテールは保たれ、色彩の崩れも見られません

もちろん、つぶさに観察すれば、”ノイズ”や”つぶれ”は見て取れるのですが、決して嫌な感じのものではないんです。処理の仕方が巧みなんでしょうね。最高感度ギリギリまで、写真としての体裁が保たれています。このあたり、フィルムメーカーの底力を感じるところです。

ISO12800が常用できるなんて、いやはや恐ろしい時代です。

X-Pro2流、ノイズとの付き合い方

ACROSS

X-Pro2 & XF35mm F1.4|ACROSSで撮影

X-Pro2には新しいフィルムシミュレーションとして、「ACROSS」が追加されました。このACROSSの評判がすこぶる良いようで、これまでモノクロ写真をあまり撮ってこなかった僕も、評判に釣られてちょこちょこ使い始めています。

ACROSSの特長は、ノイズの加え方にあります。高感度撮影時、一般的にはノイズを消す方向へ向うものですが、ACROSSでは、あえてノイズを加える処理をしています。そうすることによってディテールは保たれ、精緻な描写を可能としているのです。

ノイズは写真にとって”害”とも呼べる存在。下手な加え方をしてしまえば、見るに堪えない写真が出来上がってしまいます。その点、ACROSSのノイズはフィルムの粒状感のようで、全く”汚さ”や”デジタル臭さ”を感じません。むしろノイズがある方が、自然で、味わい深く感じさえします。(↑写真|ISO12800で撮影)

ノイズを活かす

X-Pro2 & XF35mm F2 WR

ここでACROSSの話を持ち出したのは、X-Pro2のノイズ処理について考えてみたかったからです。

先ほども書きましたが、一般的にはノイズを消した方が、写真としての見映えは良くなります。問題はその”消し方”で、メーカーや機種によって違いが生まれる部分です。

ノイズを徹底的に除去しにかかるメーカーもあれば、共存の道を選ぶメーカーもあります。北斗の拳の登場人物で言えば、ラオウとトキのような違い、とでも申しましょうか。少々古い漫画で恐縮でございます。

話を戻して。

富士フィルムは確実に後者でしょう。

ノイズを無理に消そうとするのではなく、上手く付き合っていくことにアイデアと技術を注いでいる。ACROSSなんてノイズを足しているわけですから、もはや必要なものだと考えているような気がするのです。

まぁACROSSは特別として、X-Pro2全般に言えることは、ノイズの出方が非常にナチュラル。無理をしていないせいか、デジタル臭さがないんですよね。そのおかげで、超高感度になっても画質が崩れず、その場の空気感が漂った仕上がりになります。まったくもって、お見事です

頼りになるAWB(オートホワイトバランス)

X-Pro2 & XF35mm F" WR

AWB(オートホワイトバランス)も、ずいぶんとかしこくなりました。

特に、X-Pro1では変テコな色かぶりをしていただろうミックス光の下でも、X-Pro2は上手に着地をさせてくれる印象です。現実の世界と誤差のない正確な色表現、というのとは少し違う気がしますが、結果として、カメラに任せて正解だったと思えることが少なくないように思います。

初期XFレンズのポテンシャルが引き出される

X-Pro2 & XF35mm F1.4 R

これまで画素数や高感度、ノイズやホワイトバランスといったパラメータをみてきましたが、それらのレベルが上ったことで、XF35mm f1.4が持つ本来の描写力が引き出されることになりました。

いくら画素数が上がっても、レンズの解像力が見合ってなければ、繊細かつ芯のある描写はできないでしょうし、収差が醜いレンズだと、いくらノイズを抑えたとしても美しい写真にはなりませんしね。

XF35mm f1.4はX-Pro1と同時に発売されたレンズなので、Xシリーズで最も初期のレンズになります。AFスピードや大きさを犠牲にしてまで画質にこだわったレンズ。そのポテンシャルに、ようやくボディが追いついた格好となりました。

ひょっとしてX-Pro3にも対応するレンズなのかもしれないなぁ、XF35mm f1.4は。

あとがき

画質に関して、X-Pro2がX-Pro1から進化したことを手短に言えば、「高画素・高ISO化」ということになります。

こう書けば、いたって既定路線のように思えてしまいますが、数値で語ることができる範囲を超えて、大幅に画質が良くなったように感じるのです。なぜなのか?それは、歩留まりが非常に良くなった、つまりハズレ写真が少なくなったのが理由のように思います。

暗所での撮影、速く動く被写体、とっさの表情など、X-Pro1では対応できなかった、あるいは取りこぼしてきた写真を、X-Pro2はもれなく捉えてくれる。条件が良ければ最高点を叩きだし、悪条件でも合格点はキープしてくれる。その結果、「良い!」と思える写真が、X-Pro1にくらべてダントツに多くなったのです。

「いつどんなときでもキレイな写真が撮れる」

画質についてのまとめの言葉しては、ふさわしいとは言い難いですが、これが僕のX-Pro2に対する評価です。

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