【Fujifilm XF56mm F1.2 R】試写レビュー|街角スナップでも威力を発揮。撮影のアイデアが湧いてくる魅惑のレンズ。

XF56mm F1.2 + X-Pro2

F1.2という非常に明るい開放値を持つXF56mm F1.2 R。メーカーの公式ページをみると、「ポートレート撮影に最適」とありますが、今回はぶらり「街角スナップ」に繰り出してみました。

※レンズは、富士フィルムサービスステーションでお借りしました。

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フルサイズ換算85mm。被写体との間合いが絶妙で、写欲が湧く「画角」

XF56mm F1.2 + X-Pro2

XF56mm F1.2 Rは、フルサイズ換算で85mmの画角に相当する、いわゆる中望遠レンズ。街並をワイドに切り取るというよりは、主題をひとつに絞って浮き上がらせる、というような撮影に向いています。

上の写真は、黒い帽子を被った男性のシルエットが格好良くてシャッターを切ったものですが、その距離およそ8m。おっ!と思ってカメラを構えても、男性はどんどん遠くへ離れていってしまう。50mmの標準レンズだったなら、僕の腕ではベストな大きさに写し込めなかったでしょう。

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

遠すぎず、近すぎず。コミュニケーション可能なギリギリの距離感とでもいいましょうか。見知らぬ街で、人々のごく自然な所作を撮影するのに、最適な画角のように思います。

M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8 + E-P1

余談ですが、中望遠レンズといえば、その昔、M.ZUIKO DIGITAL 45mm F1.8を愛用していました。あちらはマイクロフォーサーズ規格なので、フルサイズに換算すると画角90mm。F1.8でありながらよくボケ、そしてとても綺麗(上写真)。それこそ子供のポートレートばかり撮っていました。おまけに値段は2万円台。極めてコスパに優れたレンズです。

なだらかで柔らかい、最高級の「ボケ」

XF56mm F1.2 R + X-pro2

中望遠にして、F1.2の大口径。おのずとボケの具合はどんなものか、試してみたくなります。

上の写真、ピントがきているのは手前から2番目のタコの足。すぐ後ろの竹串は、もうすでに輪郭が溶けてしまっています。また、手前のシールは値段がはっきりと確認できますが、後ろのシールは判別不明。なだらかに、そして柔らかいボケにうっとりです。

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

被写体が背景から浮き出たせるこの感じが、本レンズの魅力。左から3番目の魚を見てください。口先から今にもしたたり落ちそうにしている水滴が、ごくごく小さいながらも存在感をしめしています。

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

遠方に写っているのは、いたって普通の照明です。けれども美しい玉ボケのおかげで、幻想的な背景が演出されています。クリスマス近づくこの季節、本レンズで夜の街をスナップするのはとっても楽しいでしょうね。

X-Pro2との組み合わせで発揮される、高い「解像力」

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

解像力は、レンズの性能だけでなく、カメラ本体の性能も加味しなければなりません。今回使用した機種は、2430万画素のX-Pro2。現時点で最高のパートナーです。

写真は、5車線ある道路の対岸から撮影した建物の壁面。距離にすれば20mは軽く超えています。無数にパンチングされたテクスチャも、なんなく描ききっています。

XF56mm F1.4 R + X-Pro2

壁面がつづいてしまい、絵的には少々退屈ですが。。

こちらも道路を挟んでの撮影だったので、20mほどの距離がありました。壁のテクスチャはもちろん、上方のタイルの微妙な凹凸もきっちりと記録されています。

驚いたのは、等倍に拡大したときです。中央より左、光があまり当たっていない側の窓ですが、網入りガラスであることが確認できるのです。上の写真では、影にしか見えないんですけどね。すさまじい解像力です。

精度、速さともに高レベルな「AF」

XF56mm F1.4 R + X-Pro2

X-Pro2との組み合わせなら、AFについての不満はほとんど出てきません。この前までX-Pro1を使っていた者としては、その「速さ」と「精度」に、思わずニヤけてしまう始末。

上の写真は、いったん通り過ぎたあと、やっぱり気になって振り返りざまに撮った1枚なのですが、ピシッと人物を捉えてくれています。

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

光量が少ない場面でも大丈夫。あまりにあっさりと合焦サインが出るので、逆に疑ってしまうなんてことも。

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

ガラス越しでも、瞬時に狙い通りのポイントに合焦してくれます。

速射性を第一に作られたレンズではないでしょうが、これだけ速く、正確にフォーカシングしてくれれば、何も言うことはありません。

サイズ感と操作感。用途と描写性能を考えると、非常にコンパクトな仕上がり

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

装着した感じは、XF23mm F1.4 Rと同じぐらい。決して小さくはないけども、取り回すのが苦に感じるほどでもない。とは言っても、大きさを理由にXF23mm F1.4 Rを手放した僕が語るのもアレだと思いますが。用途とのバランスが悪かったんですよねぇ。

XF56mm F1.4 Rは、フルサイズ換算で85mm。しかもF1.2の大口径レンズであることを考えると、かなりコンパクトに作られています。左手への収まり具合も良く、操作感も良好。ピントリング、絞りとも軽めな印象で、好みが分かれるところかな。僕はもう少しねっとり重い方が好きですね。

あとがき

XF56mm F1.2 R + X-Pro2

F1.2という大口径なレンズなものですから、どうしても開放の描写、とりわけ”ボケ”について注目してしまいますが、全般的にシャープで色乗りの良い写りであることが、このレンズの真価だと、僕は思います。開放から安定した性能を発揮してくれるからこそ、”ボケ”を表現のひとつとして加えることができるのだと。また85mmという画角が、物事を整理するのにちょうど良い画角でもあるんですよね。

Xf56mm F1.2 R + X-Pro2

「引いても良し、寄っても良し。」「開けても良し、絞っても良し。」

距離感とタイミングの取り方が重要になってくる街角スナップでは、XF56mm F1.2 Rのような対応力の高いレンズこそが適任ではないでしょうか。

このレンズを通してファインダーを覗けば、「次はあれを撮ってみよう」とか、「こう撮ってみたらどうだろう」など、次々とアイデアがわいてきます。撮影の幅がぐんぐんと広がっていくのが実感できる。そんな魅力にあふれたレンズだと思います。