【Fujifilm XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS】試写レビュー|真面目で実直な実力者。撮影領域が拡がる、頼もしいレンズ。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|立体感ある描写

XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OIS(以下XF55-200mm)は、所有している唯一の望遠レンズです。

子供の運動会&発表会で撮影するために購入しましたが、なかなかの描写を見せてくれるので、スナップ用途としても重宝している次第です。ただし、単焦点レンズに比べると、ヘビー級であることに間違いはないので、持ち出す機会はそれほど多くありませんが。

とにもかくにも、早速レポートしたいと思います。

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XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISの使用感

フロントヘビー

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|外観

望遠ズームレンズゆえ、「大きく」、「重い」のは仕方ないこと。分かっちゃいるけれど、常用レンズであるF35mmF1.4 R(187g)の約3倍の重さ(580g)は、持つたびにズシリとした感触にとまどいます。

また、ワイド端で118mm、テレ端で177mmの全長は、チップスターの筒のよう。フードを装着すれば、さらに65mmほど長くなり、見た目も重量バランスも、いつもと違うフロントヘビーな姿に様変わりしてしまいます。レンジファインダー機的な美しさを誇るX-Pro系ユーザーとしては、ちょっぴり残念な気持ちを抱いてしまいます。

左手で支え、右手は添える

見た目はどうにもなりませんが、重量バランスについては、持ち方を工夫することによって、解消することができます。

  1. 左手の肘が脇腹にくっつくまで、しっかりと脇を締める
  2. 左手で、レンズ全体を支えるように持つ。
  3. ズームリングには、左手の親指と人差し指がかかるように持つ。
  4. 本体は、手の平に乗っける
  5. 右手は、本体を軽くつまむ程度に操作する。

基本的なカメラの構え方ですね。

単焦点レンズのような軽くて短いレンズなら、多少崩れた持ち方をしても不安定になることはありませんが、XF55-200mmのような重くて長いレンズの場合、基本の構えを徹底しなければ、手ブレ写真を量産してしまいます。

重要なのは、全てのウェイトを左手にあずけてしまうことです。肘を支点とし、レンズ&ボディの中心軸と前腕ラインを揃えるイメージ。すると一気に負担が軽くなり、案外、バランスの良い組み合わせだということに気付かされます。

手応えある、確かな操作感

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|各操作リング部分

ズームリング、フォーカスリング共に、ねっとりとした重みのある操作感です。

XF23mmF2など、F2コンパクトシリーズよりも若干重め。トルク感はたっぷりです。微妙な調節がしやすいので、僕は好みです。

一方、絞りリングは、軽めの仕様。XF35mmF1.4 Rと同程度のフィーリングに感じます。

絞り値の刻印はありませんが、手応えあるクリック感で、1/3段づつ、しっかりと変更が可能です。ただし、際限なく、いつまでもクルクルと回り続けるので、絞り羽根を調整して光量をコントロールしている感じは薄いです。

しっかりとした造り、だが、、、

鏡筒は、おそらくプラスチック製だと思いますが、剛性感が高く、しっかりとした造りに感じます。ズシリとした重みや、ぬるりとした各部動作も合わさって、素性の良さが、レンズを持つ手に伝わってきます。

ひとつだけ残念な部分を言えば、フードがカタ付くのが気になります。これはXF35mmF1.4 Rにも当てはまることですが、かみ合わせがユルいのか、しょっちゅうカタカタ音が鳴っています。その音のせいでプラスチック感が膨らみ、チープさが芽生えてしまうので、つくづく、もったいなぁ、と思ってしまいます。

その点、XF23mmF2 R WRのフードは、ビシっと決まっていますね。撮影とは無関係ながらも、うらやましい仕様です。

十分な光量の下では、AF性能に不満ナシ

最新のマイクロフォーサーズ機には及ばないものの、AF速度は文句の無いスピードです。ワイド端からテレ端(その逆も含む)にした場合でも、シャッターボタンを押した瞬間、スッと合焦してくれます。

けれどもそれは、光が十分に回っている環境の下で、ある程度のコントラストを持つ被写体に対して言えること。

低コントラストな被写体を前にすると、挙動が乱れがち。クックッと2往復した後に合焦するような粘りを見せてはくれますが、あきらめることも多々あります。暗所だと、明らかに一呼吸分、AF速度が落ちてしまいます

まぁ、それらのネガ部分は、XF35mmF1.4 RやXF23mmF2 R WRにも言えることなので、Xシリーズとして乗り越えていくべき課題だとは思います。

しかしながら、インナーフォーカスとリニアモーターの組み合わせは、”無音”と言っていいほど静かです。

効果アリな手ぶれ補正

公称4.5段分の手ブレ補正機能は、抜群の効き目です。以前使っていたE-M5が5段分とうたっていましたが、同等以上の効果に感じます。

おそらくシステム全体の重量差が影響しているのではないでしょうか。XF55-200mm(+ボディ)の方が重いことと、それに伴い、左手でレンズをしっかり支えるという意識が、補正効果をアップさせているように思います。

運動会では、SSを1/125から1/500ぐらいにしておけば、ほぼブレとは無縁になります。

XF55-200mmF3.5-4.8 R LM OISの描写

逆光耐性は、特筆すべきレベル

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|逆光耐性

フォトヨドバシでも語られている通り、驚きの逆光耐性です。

肉眼ではまぶしく感じるほどの朝日をフレームに収めても、画面全体にわたって破綻している部分が見られません。それどころか原寸サイズでは、太陽の真下に位置する電柱のシルエットや雲の表情までも捉えていることが確認できます(↓)。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|逆光でも描写性能が落ちない

似たような状況で、X30を使って撮影したのが下の写真(↓)。

X30|逆光で撮影

x30|逆光での撮影(トリミング)

比べること自体、間違っているのは承知しています。けれども、ここまではっきりと差が出るとは。X30も結構、粘ってるんですけどね。

真面目な画作り

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|色乗りチェック

しっかりとした色の捉え方をするレンズだなぁ、という印象。そこにある光のスペクトルを、忠実に表現するよう努めてくれます。やりすぎることなく、手を抜くことなく、真面目にコツコツと。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|耕運機

明るくても、暗くても、人工物であっても、自然物だとしても、転びそうになれば粘り、突っ走りそうになっても自制する。実に安定した描写だと感じます。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|作例

その落ち着きっぷりは、ズーム全域に渡って、コントラストの低下が見られないからでしょう。

最初の運動場の写真は、テレ端限界。2枚目の田植え機の写真は、ワイド端限界。最後の写真は、ほぼ真ん中辺りの焦点距離で撮影しています。撮影環境は異なりますが、どの写真も、周辺にいたるまで、きちっとそのものの持つ色が表現できています。

高解像と柔らかさが共存

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|作例

ズームレンズは解像力が落ちるもの、というのは、もう昔の話なんですね。上の写真(↑)はテレ端いっぱいで撮影したものですが、”十分”という言葉が失礼に聞こえるほど、結像しています。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|作例の拡大

おじさんが被っている帽子部分を拡大(↑)。コンピューターの画面で眺めても点にしか見えませんが、こうして確認してみると、メーカー名まではっきりと判別できます。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|波しぶき

砂浜に打ち寄せる波しぶきだって、リアリティを感じるレベル。高次元で結像しているのですが、カリカリした印象はなく、ゆとりある雰囲気で表現できています。

テレ端寄りのボケ味は使える

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|ワイド端のボケはうるさい

ボケ味は、さすがに単焦点レンズに軍配が上がります。XF55-200mmのボケは、少々うるささを感じます。特にワイド端で顕著に表れます。

XF55-200mmF3.5-4.5 R LM OIS|中間ズーム域からボケ味が改善される

けれども、中間ズーム域あたりぐらいからは、徐々に改善されていく傾向です。なのでボケを味付けに取り入れるのなら、少しズームして使うことをオススメします。

最短撮影距離(1.1m)がズーム全域で変化しないこともポイント。テレ端でのマクロ的な使い方は有効です。

あとがき

Xシリーズは、単焦点レンズのクオリティが抜群に良いので、XF55-200mmの描写に驚かされることは少ないですが、冷静に考えてみれば、かなり優れたレンズだということに気付きます。

  • 35mm判換算で84mm〜305mmをカバー
  • 逆光にめっぽう強い
  • ズーム全域で安定した解像力と色ノリ
  • 効果的な手ぶれ補正能力
  • このクラスでは、”寄れる”最短撮影距離
  • このクラスでは、”少し明るめ”のF値

表現力においては、単焦点レンズや高級レンズに一歩譲ってしまいますが、これだけの優位点があるので、1本あれば、必ず撮影可能領域が拡がります

「あとはオレに任せろ」的な安心感が、このレンズには存在します。

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