【FUJIFILM XF14mmF2.8 R】レビュー|無意識の世界にドラマがある!

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例
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今回レポートするレンズは『XF14mmF2.8 R』。35mm判換算で21mm相当の画角の「超広角」に分類されるレンズです。

普段、広角域で撮影するのはX30のワイド端(換算28mm相当)ぐらい。不慣れな画角ではありますが、XF18mmF2 R(換算28mm相当)の撮影がすんごいおもしろかったので、さらにワイドなレンズに挑戦したくなった次第です。

というわけで以下、写真とともにお届けします。

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XF14mmF2.8 Rの使用感

外観

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|外観

X-Pro2に装着して構えてみると、ほとんど違和感がありません。その理由は、レンズ鏡筒の直径がφ65mmで、XF35mmF1.4と同じだからです。

XF14mmF2.8の方が、ひと回りほど大きくて重いのですが、操作する左手の感触が同じため、別のレンズを使っている意識は薄く、おかげで普段の調子で撮影に臨めむことができました。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|外観

逆に、XF35mmF1.4と異なる点もあります。

ひとつは、スライドすることでAF/MFの切り換えが行えるフォーカスリングの存在。ピント固定のパンフォーカス撮影から接写時の追い込みまで、左手をレンズから離すことなく操作できるのは、使ってみると便利さを実感します。

もうひとつは無駄に大きな花形フード。表記から分かるとおり、キットズームレンズの『XF18-55mmF2.8-4 R OIS』と兼用のもので、素材はプラスチック。泣けてくるほどチープ。高価なレンズなだけに、金属フードを採用して欲しかったものです。

この辺り、XF23mmF1.4にも言えることですね。

各種リングのトルク感とAF速度

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|外観

絞りリングやフォーカスリングのトルク感も、XF35mmF1.4と似ています。XFレンズの中では軽めの設定で、不意に絞りが変わっているのはおなじみの現象。

一方、AF速度は良好です。XF35mmF1.4より速く、XF23mmF2より少し遅いといった感じ。今回の撮影はストリートスナップがメインで物撮り少々。不満に感じる場面はゼロでした。

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XF14mmF2.8 Rの作例

歪曲収差ゼロ、脚色のないそのままの世界。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

評判通り、歪曲収差が全く無いことに驚きました。中望遠レンズで撮影したかのように、画面の端まで真っ直ぐな線をビシッ!と描ききります。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

どの部分に定規を当てても、歪みやたわみを発見することはできません。全ての直線は、延長した先の1点もしくは2点で交わります。まるで2Dパースのお手本のような画です。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

線は標準やや太め。画面全域にわたって解像力が非常に高いことも、シャープな絵作りに寄与しています。この日は快晴。ハイコントラストな状況下だったもので、ビシビシ感がマシマシです。

逆光耐性はそこそこ良いレベル。光源をど真ん中に入れた場合は、フレアやゴーストの類は少なめ。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

さすがにキワから照らすと厳しいですね。装着していたフィルターが影響している部分があるかもしれません。意地悪な条件ではあります。

この広い画角だからこそ拾っちゃってるわけなんで、活かす方向で考える方が賢明です。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

もひとつ意地悪な条件で撮影。

最もハイキーな暖簾の地の部分は白飛びしていますが、文字部分のテクスチャは捉えています。反面、シャドー部分は最も暗い部分まで描けています。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

この辺りのことは、カメラの性能や設定に拠る部分も大きいでしょうけど、なんとなく中間からシャドー寄りの表現が得意な気がします。

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無意識の世界を写し留める

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

色々ぐちゃぐちゃ書きましたが、このレンズの魅力はそんなことにあらず。やっぱり広い画角が捉える世界にあるわけです。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

これだけ写る範囲が広いと、情報が多すぎて散漫な画になりがち、というのがネガな意見。僕もそうでした。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

でもそれが魅力でもあるわけです。カオスで多様で、複雑に絡みあって存在しているこの世界を捉えるための必要な画角。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

標準〜望遠レンズの場合、これを撮ろう!という主題が明確なことが多いわけですが、換算21mmのレンズでは少しあいまいなぐらいがおもしろいようです。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

メインの被写体を一応設定はするんですが、なんかおもしろいぞ!という肌感の中でシャッターを切ると結果が良かったりします。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

興味を惹かれた被写体に対してストレートにレンズを向けるよりも、

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

それを含めた環境をマルっと写し取るように。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

あとから見返した時に、思わぬおもしろさを発見できたりします。意識の外側には、奇妙な現象が起こっているものなんですね。

表現力は、いたって真面目

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

このレンズ、最短撮影距離が18cmと結構寄れるので、超広角レンズでありながら、ボケも表現のひとつに加えることができます。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

背景にあるものが何なのか分かる程度のボケ量なので、心を揺さぶる力はありません。おまけに少々硬さを感じます。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

ですがボケ味はとっても素直で、うっとおしさがないのがイイところ!テーブルフォト用としては、記録的になら使えるかな。

XF14mmF2.8 R(FUJIFILM)|作例

やっぱりこうした切り取り方が向いてますけどね。

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あとがき

換算21mmという使い慣れない画角でしたが、思いの外、楽しく撮影できました。手応えを掴み始めたのは終わりに近づいてからだったので、心残りがあります。

作例と呼ぶに値しない下手っぴな写真ばかりで恐縮ですが、感じたことが伝わっていたら嬉しいです。