これまでタニカのヨーグルティアを使って、いろいろな種類のヨーグルトを培養してきました。
なかでも『濃密ギリシャヨーグルト パルテノ(森永乳業)』の記事は、ブームのおかげから、多くの方に読まれ続けています。
しかしながら、培養したヨーグルトはパルテノと同レベルの仕上がりか、と問われると、答えはノー。
4回目の培養でゆるさが目立つ、と記事には書きましたが、パルテノの特徴である
- 濃密食感
- 滑らかな舌触り
- クリーミーな味わい
は、1回目ですでに失いつつあります。固めに仕上がってはいるんですけどね。
「もっとパルテノを食べたい」と思っても、一般的なヨーグルトよりも値段が高いので、おいそれと買うわけにはいきません。
そこで思いついたのが、培養したヨーグルトからギリシャヨーグルトを作れないか、ということ。
トライしてみると、思いのほか簡単に成功したのでご紹介したいと思います。
ギリシャヨーグルトとは、水分(ホエイ)を除去したヨーグルトのこと。
そもそもギリシャヨーグルトとはどのようなヨーグルトのことなのか?
ギリシャヨーグルトとは、普通のヨーグルトに「水切り」という行程を加えたヨーグルトのことです。
海外では、そのまま「水切りヨーグルト」と呼ばれていたり、チーズのような風味がすることから「ヨーグルトチーズ」と呼ばれていたりするようです。詳しくは、以下のサイトをご覧ください。
「水切り」をして、余計な水分を除くことができれば、それはもうギリシャヨーグルトといううこと。どうやら味や成分は問わないみたいですね。
それじゃあ、するべきことは「水切り」のみ。
「水切り」のための道具
どうやって「水切り」を行うか。
本場では、綿のガーゼやウール素材の袋などを使っているようですが、もっと手軽に行いたいところ。ネットでは、ザル付きボウルやコーヒードリッパーにキッチンペーパーという組み合わせをよく見かけます。要は、
- 穴の空いた入れ物
- キッチンペーパーやコーヒーフィルターなど、多孔質な素材のもの
- 除去した水分を受ける入れ物
の3つをそろえればいい。
ザル付きボウルとコーヒードリッパー、両方とも家にあるものなので、これらを使おうかと考えたのですが、
【ザル付きボウル】
- ◯:一度に大量のギリシャヨーグルトが作れる。
- ✕:フタがないので保管に困る。
【コーヒードリッパー】
- ◯:コンパクト。
- ✕:フタがないので保管に困る。少量しか作れない。
など、イマイチ使い勝手が悪そうなのでやめました。
専用品もいろいろ販売されていますが、
いずれも初期投資(といっても1000円〜2000円ぐらいですが)がかかるのでパス。今回はお試しということで、なるべくお金をかけずに済ますことにしました。
こういうときに頼りになるのが100円ショップですね。
セリアに売っていました。水切り用のザル付タッパ。
この商品の良いところは、以下のとおり。
- ◯:フタ付きなので保管状態が良好。
- ◯:容量が1.1Lと大容量。ヨーグルティアで作れる最大量と同じ。
- ◯:コンパクトで収納しやすい。
- ◯:目盛り付き
- ◯:108円(税込)
このような構成になっています。
全体が長方形なので、ザルを90度回転させれば固定できます。足のひっかかりがポイント。
キッチンペーパーをセットして、準備完了。この中にヨーグルトを入れます。
今回、ヨーグルティアで培養したのはLG21(明治)。
普通ヨーグルト400gをギリシャヨーグルト化します。
このLG21ですが、1回目の培養にもかかわらず、R-1ヨーグルトなどで培養したものにくらべて、若干ゆるめの仕上がりでした。ここから水分を除けば、ほとんど残らないんじゃないの?という心配がムクムクと沸き起こってきます。
ヨーグルトを投入して、すぐに水分(ホエイ)がしたたり落ちてきます。このまま一晩、冷蔵庫に入れておきました。
一晩(半日)かけて溜まった水分(ホエイ)です。目盛りを読むと、およそ200ml。投入したヨーグルトの半分ほどが、水分として除去されたことになります。
仕上がり具合はこんな感じ。
スプーンを差しても倒れないほどの固さです。
できあがり!見た目はバニラアイスクリームのような質感です。
おおよそ半分には目減りしますが、普通のヨーグルト、しかも培養したものから作れるので、パルテノを購入するよりもコスパは高いです。
試食レポート
食べてみた感想を申しますと、まさに”濃厚”、”まろやか”、”クリーミー”の三拍子!あたりまえですが、ギリシャヨーグルトそのものです。まるでクリームチーズのような、というかクリームチーズですよ、これは。
普段、ヨーグルトを食べるときには、砂糖やはちみつをかけます。酸味をマイルド寄りに調整するため。
けれども、このギリシャヨーグルト、何もかけなくても美味しく食べられます。酸味がほどよく抜けていること、コクが倍増されていること、この2つが合わさって、絶品スイーツに様変わりしています。
オリジナルのパルテノよりも美味しいんじゃないかな。なにせ、できたてですから。
あとがき
とは言いながらも、試しにはちみつをかけてみました。
甘さが強調され、ちょっと味が分離しているような感じがあります。やっぱり何もかけない方が好きかな。
が!このまま一晩おいてみてびっくり。
さらに水分(ホエイ)が滲みでてきて、コクと旨みがさらに凝縮されました。糖分の浸透圧が原因なのかな。甘さもほどよく溶け込み、酸味やコクとのバランスが絶妙に仕上がっています。前日のものよりも、明らかに美味しい!
この「追いはちみつ製法」、だまされたと思って是非とも試してみて欲しいです!