キャンプにおける”冷蔵庫”の役割を担うのが、クーラーボックス。
- 食材を冷やしておく
- 腐らせない
という、超重大ミッションが課せられたアイテムです。死活問題、とは言い過ぎですが、キャンプ期間中の”食”の運命を左右するポジションには変わりありません。
だからこそ、クーラーボックスはしっかりとしたものを選ぶべきだ、と僕は考えます。
1日もたずに氷が解けて、中がビチャビチャになるようなクオリティのものは購入すべきではありません。少々コストがかかっても、キャンプ中、安心して過ごせるだけの能力を備えたものを選ぶことをおすすめします。
クーラーボックスを選ぶポイント
クーラーボックスを選ぶうえで重要なポイントは、保冷力と容量。
【保冷力】実用上は、メーカー表記の半分orマイナス1日
メーカーの宣伝文句には、「◯日間保冷」や「◯day Ice Retention」などと書かれていますが、実用上そこまでの保冷力は期待できません。
メーカー毎に設定した試験状況の中での数値なので、話半分、もしくはマイナス1日程度が最大値と考えておくほうがいいでしょう。
例えば、「4日間保冷」と記されたクーラーボックスなら、おおよそ2〜3日は快適に使用できるということになります。
どれだけの保冷力が必要になるのかは、当然のことながら、キャンプの日数次第です。
我が家のキャンプは基本1泊2日、今後は2泊3日も考えているので、「4〜5日間保冷」のクーラーボックスを選べばいい、ということになります。
【容量】4人家族のファミリーキャンプ、2泊3日なら50Lオーバーは必要かな(ただし飲み物は別)
”50L”と言われても、なかなかピンとこないのではないでしょうか。”ペットボトル◯本分”もしかりです。
そんなときはまさに、自宅の冷蔵庫を目安にしましょう。
ちなみに我が家の冷蔵庫を見てみると、野菜室の有効容量が55L。
家族4人分の食材2,3日分なら、十分な広さだと思います。けれど飲み物まで含めるとなると、ちょっと厳しいかな。
2泊3日の場合は、別途クーラーボックスを用意するか、途中で買い出しに走る必要があるかもしれません。1泊2日なら余裕なんですけどね(経験済)。
逆にこれよりも大きいと、運ぶのが大変。
50Lというと、水でいえば50kg。僕の場合、1人で運べるギリギリの重さです。その場合は、サブクーラーを用意するのがベターですね。小分けにすることで保冷力をキープできるというメリットも生まれるので。
イグルー|マリンウルトラ54の良いとこ、悪いとこ
そんな理由から、選んだクーラーボックスはイグルーのマリンウルトラ54。
【保冷力】1泊2日は余裕。真夏以外は2泊3日でも大丈夫かも
このクーラーボックスで、既に3度のキャンプ(全て1泊2日)を経験しています。いずれもペットボトルで作った2Lの氷が、帰宅後もほぼ解けることなく原型のまま残っていました。
驚いたことに、前回のキャンプでは、一緒に入れていた野菜が、少々霜焼けなってしまうというトラブルも発生。
- 保冷剤×1個
- ペットボトル氷2L×2本
- 飲料用かち割り氷
という布陣だったのですが、ペットボトル氷や保冷剤はもちろん、かち割り氷もいくつか残っていたほど。
真夏以外なら、2泊3日でも十分使える保冷力だと思います。
【容量】有効51L。かなり懐の広いサイズ。
使ってみて、つくづくこのサイズがベストのように感じています。
容量って、見方を変えればサイズのこと。幅(長辺と短辺)と深さの積でもあるわけです。容量が小さいということは、入れる物の大きさや形に制限があるということです。
マリンウルトラ54の有効寸法(最底部)は、
- 長辺:約52cm
- 短辺:約27cm
- 深さ:約27cm
と広く、角バットぐらいなら余裕で入ります。
バットやボウルなども、そのまま入れられる
これなら容れ物単位で食材を管理できるので、非常に効率良く積みこむことができます。容れ物用に別途、コンテナ等を準備する必要はなくなります。
2Lのペットボトルが、縦でも横でもどちらでも収納可
上フタは少しくぼんでいるので、2Lのペットボトルを縦置き可能です。倒しても3本並べられます。凍らせたペットボトルを底に敷き詰めておけば、地面からの熱が食材に伝わるのをかなりの割合で防げます。
お土産など、ふいの荷物でも余裕で対応
遠出をすれば、お土産を買うことだってありますよね。これだけの広さがあれば、たいていのものは大丈夫。特産品の、安くて甘くて大きなスイカだってへっちゃらです。
実際、我が家は去年、長野でとうもろこしを買って帰りました。もしも30L程度のクーラーボックスなら、入りきらず、乗車スペースを圧迫していたかもしれません。
葉っぱの突き出たパイナップルのような、不規則な形をしたものでも、ひょいっと放り込めます。
【デザイン】真っ白なカラーリングは、機能美の極み
キャンプ用のクーラーボックスで、これほどまでに真っ白なものは、他にはないんじゃないでしょうか。実はこのクーラーボックス、”マリンウルトラ54”という名前からも分かるとおり、”海釣り用”なんです。
海、とりわけ船上は紫外線が強い。そこには降り注ぐ太陽の光を遮るものは、何もありません。少しでも紫外線によるダメージをやわらげるために、白色が採用されているのです。
また濃い色ほど熱の吸収率が高いことは、よく知られている事実。クーラーボックス内の温度上昇を防ぐためにも、白色は有効なんですね。
と、おしゃれな外観もさることながら、機能的にも優れたカラーリングとなっています。
【軽い】本体4.5kg。持った瞬間、「おっ!」てなるよ
大きさからくる印象よりも軽く感じるので、今だに持った瞬間「おっ!」て思います。両手でしっかりと握れるグリップ付ハンドルも一役買っているのでしょう。
ストラップを取付けるフック穴も用意されているので、その気になれば肩掛けも可能です。
コールマンのスチールベルトは7.5kgもあります。何も入れていない時点で、3kgのアドバンテージ。食材を入れると50kg級になるので、本体の軽さは性能のうちです。
ホイール付のクーラーボックスも売られています。車からキャンプサイトまでの道が平坦ならいいのですが、必ずしもそうとは限りません。どちらかといえば、凹凸しているのが当たり前。たいてい小石などに引っ掛かり、うまく進めないことの方が多い。
しかもホイール構造分、容量を圧迫するので、逆に大きさの割には食材が入らない、ということになってしまいます。
【コスパ】同レベルの製品にくらべ、低価格
”容量50L”&”4日間保冷力”というスペックと同等の商品を見渡したとき、最もリーズナブルな価格設定です。
例えば、コールマンのスチールベルトは2万円オーバー。高いものなら3万円以上もします。
同じくコールマンのエクストリームクーラー。スチールベルトよりも保冷力が上のようですが、容量は1割ほど小さい。それでも1万円をはるかに超えています。
釣り用のクーラーボックスの中では、これが一番近いかな。2万円近いですが。
マリンウルトラ54の現在(2016年5月)の価格は、おおよそ1万円。
僕は去年(2015年7月)に購入したのですが、その時の値段は7,500円でした。かなりお買い得でした。
それでも他製品よりは数千円以上も安いので、コスパ最強と言っても過言ではありません。
あとがき
注入した断熱用ウレタンがはみ出てたりと、造りは少々粗いところも見受けられますが、僕にとっては許容範囲。精密機械じゃあるまいし、ましてや屋外で、多少なりともラフに使用するのだから問題なしです。剛性感はあるので、耐久性は高いと思います。
キャンプ用のクーラーボックスといえば、たいていポップなカラーリングのものが多く、ようにぎやかな雰囲気を演出する反面、”自然に溶けこむようなキャンプ”を楽しむのなら、少々目障りになるかも。このあたりは好みによるところですが。
もしもキャンプ用品を”色”に限定して選ぶならば、僕は彩度が抑えられたものを選択します。できればアースカラーが良いですね。
”マリンウルトラ”よりも保冷力が上(5日間保冷)の”マックスコールド”が、今シーズンよりカラーリングが変更になりました。
先代は、フタが白、ボディが明るめのブルーでした。ずいぶん落ち着いた雰囲気になりましたね。テントや他のアイテムがクールな色合い(寒色系)なら、こちらを選んでもいいかもしれません。