約10年間使用してきた「笛吹きケトル」が壊れたので、新調しました。検討の過程は、この記事にて。
購入したのは、ステンレス材料問屋を母体に持つヨシカワの「シーズ・クッキング 笛吹きケトル2.6L(以下、笛吹きケトル)」。デザイン・機能・コスパに優れた笛吹きケトルです。
シーズ・クッキング 笛吹きケトル 2.6L|ヨシカワ
まずは一押しのデザインから見ていきましょう。
本体は直線主体のシルエットで、すっきりした印象です。過度に丸みを持たせて、むやみに存在感を醸し出すデザインのものが少なくない中、この主張しない感じが気に入りました。
素材のステンレスは「艶消し仕上げ」。ステンレス製やかんの、おそらく80%以上が「艶有り」なので、希少な存在です。
艶消し仕上げは、水垢や小傷が目立ちにくいというメリットがあります。鈍く光る、落ち着きのある佇まいがカッコいい!
「ハンドル」は握ることを考え、最小限の曲線で構成されています。無駄な装飾も無く、本体と調和が取れた、シンプルなデザインです。
また若干後方に重心を持たせたアンシンメトリーな設計のおかげで、注湯もスムーズに行うことが可能になっています。
フタの「つまみ」も直線主体のフラットなデザイン。ぺちゃんこな感じに愛らしさをを覚えます。
ハンドルもそうですが、素材の樹脂は梨地のザラッとした仕上げ。マットな質感が、本体とよくマッチしています。
あまりに直線が過ぎると、注ぎやすさがスポイルされてしまう「注ぎ口」ですが、そこはきちんと設計がなされている模様。
先にいくほど細くなっている円錐をカットした形状で、注ぎやすさで言えば、かなりの高得点。1点を狙って注ぐドリップコーヒーにも使えるレベルです。
以前使っていたものは、どこまでいっても寸胴な円柱形の注ぎ口でした。それと比べると、はるかに注ぎやすいです。
肝心の「笛」は、注ぎ口に合わせて小振りなサイズ。けれども音量は必要十分に鳴り響きます。2階に居ても気付くぐらいに。
小振りなおかげか、開閉は軽い力で行えます。
ヒンジ部分にバネが仕込まれているんでしょうね。笛は開けた時にも、閉じた時にも、しっかりと固定されます。注湯時に倒れてくるなんてことはありません。このあたりにもクオリティの高さを感じます。
広口なので、比較的大きな手の僕でも、難なく中まで洗浄可能。水切りが早く、乾燥させやすいことも合わせ、衛生面でもグッドな設計となっています。
フタを含め、内側は艶有り仕上げです。どうでもいい話ではありますが。
笛をしっかりと鳴らすために、フタと本体のはめ合わせがきつめになっています。フタの開け締めの際には注意してください。(説明書より抜粋)
確かに、フタの開け閉めには、多少の力を必要とします。開けにくい(閉めにくい)と感じるか、しっかりしていると感じるかは微妙なところ。以前使っていたものでは、ここまで固いと思わなかったので、もう少し良い感じの落とし所があるように思います。
底面が広く平らなのは、熱効率を考えて設計されているから。ガス火の場合、強火でも炎が飛び出しません。
適正湯量(2L弱)で火にかけた時、12月の水温で、沸騰するまでに要した時間は約7分でした。と言っても、これが早いのかどうかは分かりませんが。
効率についてはさておき、底面が広いことで見た目の重心が低くなり、デザインの美しさに一役買っているので素敵です。
全体的にフラットで、高さを押さえた設計になっているので、ハンドルを畳むと、冷蔵庫にすっぽり入れることができます。メーカーは大々的に宣伝していませんが、これは地味に嬉しいポイントです。
もちろん日本製です。
あとがき
単体で見た時には小さく感じ、間違って容量の小さなものを購入したかと思いましたが、そんなことはありませんでした。以前のものと並べてみると、やっぱり相応の大きさ。背が低い分、コンパクトに見えたのかもしれません。
実際、台所に置いても威圧感は少ない気がします。良い意味で存在感が薄いというか。シンプルなデザインだから、そう思うのでしょうね。
日本製で品質が良く、さり気ないデザイン。柳宗理ケトルや無印ケトルのデザインが好みだけど値段が高くて買えない、なんて方におすすめです。