先日、キャンプや車中泊で使える大容量のポータブル電源選びの記事を書きました。

色々検討した結果、LACITA(ラ・チタ)の「ENERBOX-01(エナーボックス)」を購入。
今回は実機を交えたレビューです。
ポータブル電源「ENERBOX-01(エナーボックス)」|LACITA(ラ・チタ)
必要十分な容量444Wh(120,000mAh)
予算5万円台のポータブル電源としては、まぁこんなもんかなぐらいの容量。相場500Whが現状なので、決して多いわけではありません。
けれどもメーカー曰く、取り出せる正味の電気が99.1%と非常にロスが少ないそうで。実使用ではライバル機(約20%のロス)よりも大容量、という結果のようです。
こういう話はメーカーそれぞれの主張があるので、簡単に鵜呑みにはできませんが、仮にエナーボックスも20%ロス(355Wh)だとしても、扇風機(消費電力20W)なら17時間ほど連続で動かせることになるので、必要十分な容量だと言えます。
スマートフォン(6.5インチ) | 30回フル充電 |
ノートPC(12インチ) | 80時間WEB閲覧 |
車用冷蔵庫(45W) | 9時間 |
マイコン炊飯器(3合炊き) | 3回炊飯 |
電気毛布(中:18W) | 20時間 |
テレビ(32インチ) | 5.5時間 |
LEDランタン(5W) | 80時間 |
電気ケトル(0.5L:400W) | 7回沸騰 |
石油ファンヒーター(弱) | 8時間 |
プロジェクター(50W) | 8時間 |
扇風機(中:20W) | 20時間 |
ドローン | 3.5回フル充電 |
撮影用照明(60W) | 6.5時間 |
小型ミキサー(200W) | 2時間 |
エアーポンプ | 200時間 |
パワフルな定格出力400W(瞬間最大600W)
容量は多くても、出力が小さければ使える家電の幅は狭くなります。
エナーボックスの出力は定格400W(瞬間最大600W)とパワフルなので、電気ケトルのような「熱」を発生する家電も動かすことができます。
出力は3WAY
出力は、
- AC出力
- USB(Type-A)出力、
- DC出力
の3系統。
特にACコンセントが3口なのは、同価格帯では珍しい仕様です。別途でタップを用意しなければいけない場面は減ります。
入力方式は3WAY対応
入力方式(充電)は、
- 家庭用コンセント
- シガーソケット
- ソーラーパネル
に対応している一般的な仕様です。
それぞれ純正品が用意されています。
パススルー充電対応
実際の使用を考えると、パススルー充電に対応しているか否かは、大きく使い勝手に影響を及ぼしそうです。
エナーボックスはパススルー充電に対応しています。ソーラーパネルと組み合わせれば、太陽が沈まない限り、ガジェットを動かすことができます。
ただしパススルー充電はバッテリーに負荷がかかるため非常用とのことですが。
軽量・コンパクト
軽量とは言っても重さ5kgなので、持つとズッシリ感じます。あくまでも同容量帯のライバル機と比べての話。約20%ほど軽いです。
コンパクトには違いないですね。購入前、各サイズの数字を調べて分かっていたつもりでしたが、実機は想像よりも、ふたまわりほど小さく感じました。写真はiPhone8との比較です。
BMSとMCU、三元系リチウムポリマー電池で安全性が高い
バッテリー管理には、一般的なポータブル電源に用いられる「BMS」に加えて「MCU」も搭載。三元系リチウムポリマーが採用されていることも合わせて、安全性に注力した設計になっています。購入の一番の決め手になりました。
ソリッドだけどイカつくない
全体的に直線を主体としたソリッドなデザインは、選んだ色がブラックなことも含め、無骨な印象を受けます。
ですがパッケージがコンパクトなため、イカつさはありません。むしろレゴブロックに通じる可愛らしさを感じます。
ミニマルなデザイン
表記は最小限。ロゴもグリップ部分に馴染むようプリントされているのみ。遠目ではわからないほど。非常に静かなデザインで、派手さは全くありません。梨地でマットな質感も格好いい!
ミニマルな操作系&表示
操作系は「電源スイッチ」と「電池残量表示/USB出力ボタン」の2つ。名前の通りの機能で、説明書を読まなくても使えます。
他機種では電池残量表示に液晶パネルが使われているところ、エナーボックスには5段階に点灯する「バッテリー残量インジケーター」のみ。無駄に電気を消費しないメリットがあります。
縦型レイアウト
差込口が短辺側にある縦型レイアウトは、セレナのような車で車中泊するには適した形状です。というのも、隣り合う座席の間にすっぽり収まるので、コンセントを挿しても座席に干渉せず使えます。
堅牢かつ持ちやすいグリップ
グリップは持つ手に合わせて可変する仕組み。造りがしっかりしていて持ちやすいです。スーツケースなんかに、このタイプのグリップが採用されているのをよく見かけます。
安心のサポート体制
メーカーは日本企業
販売は、株式会社ポスタリテイトという大阪の会社。LACITA(ラ・チタ)はブランド名。2015年創業で資本金100万、従業員8名のベンチャー企業。どこまで事業を継続しているのか未知数ですが、ユーザーとしては頑張ってもらいたいです。
迅速なサポート
購入前に質疑をメールしたところ、数時間の内に返信がありました。返答内容も的確で、好感が持てたことも購入の理由のひとつです。
楽天で購入しても保証期間が3年に延長
公式オンラインショップで購入し、レビューを投稿することで、保証期間が3年に延長されるサービスがあります。
今回はポイントが貯まっていた関係で、楽天市場店で購入しました。すると後日メールがあり、楽天市場で購入した場合でも延長保証の対象になる、ということでした。
ひょっとしたら、Amazonで購入しても、サービスは受けられるのかもしれませんので、購入時は要確認です。
修理サービス
万一、故障した場合でも修理が受けられます。故障の状況やタイミングにもよっては有償になりますが、たとえそうであっても、バッテリーのような処分に困るものは、メーカーの受け入れ体制に頼るに越したことはありません。
その他のモデル
エナーボックスには、他に2つのモデルが存在します。
ENERBOX-SP
ENERBOX-01に防塵防水機能を加えたモデル。等級はIP44で「いかなる方向からの水の飛沫(水しぶき)によっても有害な影響を受けない」とあります。
バッテリーという製品上、水は大敵なことは自明なので、濡れたままの使用は避けるべしというメーカーの警告は無視できません。
どのみち水気は避けて使うでしょうし、予算上、防水機能は必要無しと判断しました。
ENERBOX450
ENERBOX-01に、カーチャージャーを付属したモデル。カラーがシルバーで、性能は全く同じものです。
現在、公式オンラインショップでは取り扱いがなく、ヨドバシカメラやAmazonなんかで販売されています。
シルバー色が格好いい!とも思いましたが、既にカーチャージャーを持っているので、今回は購入候補から外しました。
あとがき
とりあえず屋外でのイベントで、扇風機やサーキュレーターを断続的に3時間ほど動かしてみましたが問題なしです。普通に使えます。配達された時点で満充電状態だったので、すぐに持ち出せました。
耐久性や自然放電の具合については時間が必要なので、またの機会に追ってまたレポートしたいと思います。
コンセントの有る無しや位置に縛られないって、思っていたよりも自由です。
別途ソーラーチャージャーと組み合わせると、さらに自由度と安心感が増すのでオススメ。
