その昔、まだ実家で暮らしていたころ、空き巣の被害にあいました。
1階リビングの窓ガラスが割られ、室内はメチャクチャ。いくつかの貴金属と数万円の現金が盗まれました。たとえ昼間であっても、しばらくの間は誰もいない家に帰るのが恐くて恐くて仕方がなかったのを覚えています。
その後、犯人は捕まり、今ではもう過去の出来事にが、二度目の被害にあわない保証はどこにもありません。
改めて被害の状況を整理し、しっかりと対策を考えてみたいと思います。
僕が受けた空き巣被害
まずは、僕が実際に受けた空き巣被害のことをお話しします。
年に数回しかない留守を狙われた?
事件が起こったのは、11月の木曜日。朝から天気が悪く、一日中、降ったり止んだりをくり返していました。
当時、実家で居をともにしていたのは、両親と兄、そして僕の4人。昔の新興住宅街に建てれれた、築30年の戸建住宅です。
父は定年を迎え、現役を引退。出不精な性格で、特別なことがないかぎり、外出することはありませんでした。1年365日のほとんどを、自宅で過ごしていたように思います。
一方、父以外の3人は、勤め人であり、皆それぞれ、朝8時には家を出て、会社へと向かう日々を送っていました。もちろん平日の昼間に家にいることはありません。
つまり「かなりの確率で、父がいる」ことが、我が家の日常だったのです。
けれども事件の日、彼は年に数回しかない外出をしました。行き先は、病院。検査入院でした。
我が家には2台の車があります。1台は兄が出勤用に使い、もう1台は休みの日に使うレジャー用。
その日も兄は、普段と同じように車で出勤しました。父と母は、もう1台の車を使って病院へ向かいました。9時過ぎには家を離れていたようです。
このように、ガレージに車が1台も駐車されていない状況なんてのも年に数回しかないことだったのです。
留守のサインは、灯りと洗濯物
空き巣被害を一番最初に発見したのは、僕でした。
夜8時に帰宅した僕は、いつものように玄関の鍵を開け、いつものように家の中に入りました。いつもと違うのは、すべての灯りが点いていないことと、洗濯物が取り込まれていないこと。そして、家の中が滅茶苦茶に荒らされていたことでした。
はじめは空き巣と思わない
玄関からリビングへと続く廊下には押入れがあり、その扉は開かれ、ありとあらゆるものが床にぶち撒かれていました。
今思えばのんきなものですが、その時は「地震でもあったのかな?」ぐらいに考え、靴を脱ぎ、散乱する小物を横目に見ながらリビングへと向かったのです。
実家のリビングには小物を入れるような収納具がなく、廊下のような惨状は見られませんでした。テレビや観葉植物が倒れている、といったこともありません。けれどもキッチンにある収納棚の引き出しは、すべて開いた状態になっている。
チグハグな違和感を感じながら、ふとリビングの出窓に目をやると、数センチほどの隙間があることに気が付きました。同時に、クレセント錠のすぐ下あたりに、500円玉ぐらいの大きさにガラスが割られているのも目に飛び込んできたのです。
我ながら、鈍感だと思います。そこまで条件が揃わなければ、空き巣の仕業なんだと分からなかったのですから。
家中がグチャグチャ
そこからは、もう恐怖しかありません。ひょっとすると、まだ家の中に犯人が潜んでいる可能性だってあります。まずは身の安全を確保しなければならず、すぐに玄関から外に出て、警察に通報をしました。
5分ほどで、最寄りの派出所から、お巡りさんが到着。その後、本署から、刑事さんと鑑識の方が駆けつけてくれました。これまでのことを一通り説明してから、まだ見ていない2階の状況を確認しに上がりました。
2階は、1階とは比べものにならないぐらいの酷い有様でした。
時計やネックレスなどは跡形もなく盗まれ、無残にも外箱だけが床に散乱。すべてのタンスは、引き出しが階段状に開けられ、暴発したように洋服が飛び出していました。
特に印象的だったのは封筒類で、新品であろうとなかろうと、すべてがアジの干物のように、中身がむき出しになって破かれていたのです。
夜10時を過ぎたころ、兄が帰宅。病院にいる両親には、とりあえず電話で報告を済ませました。余計な心配をかけたくありませんでしたが、連絡しないわけにはいきません。
警察の捜査は、深夜3時まで続きました。
疲労困憊のなか眠りにつき、翌朝、後片付けもしないまま出勤したのを覚えています。
被害の要点
以上が、実際に僕が受けた空き巣被害の全容です。ずいぶんと長文になってしまいましたので、ポイントを整理したいと思います。
[Point.1]日中でも、照明が欠かせない天気と季節
11月といえば、日が暮れるのが早くなる季節。夕方も5時を過ぎれば薄暗く、照明がなければ本を読むことも難しい時期です。しかもこの日は朝から一日中の雨でした。誰かが家の中で生活をしているのなら、照明は点いていなければおかしい状況だったのです。
[Point.2]意外と人通りが少ない、住宅街
実家のある街は、およそ30年前に開発された住宅街。幼年時代のような活気はなく、高齢者の割合がかなり高い街です。
最寄りの駅からは、徒歩10分。街の中には、スーパーやコンビニもなく、買い物は駅前まで行かなければなりません。どこかに抜ける道もないため、街としては袋小路に近い立地です。
だから平日の昼間は、ほとんど外を歩いている人はおらず、通行する車もありません。11月の肌寒い雨の日なんてなおのこと。通勤通学の時間帯が過ぎてしまえば、屋外で出会う人間は、工事業者ぐらいという状況になります。
[Point.3]一日中、家を空けていたのは偶然
しつこいようですが、一日中、実家が留守になることは、きわめて珍しいことでした。平日は父がいましたし、休日はもう一人、二人は家にいたので。買い物など、短い時間は留守にすることもあったのかもしれませんが、それでも数は多くなかったと思います。
[Point.4]留守であることが、丸わかり
実家の庭には、大きめのガーデンルーフがあり、洗濯物はその下に干していました。小雨程度の雨なら濡れることはありません。よっぽど風が強く日じゃないかぎり、雨の日でも屋外に干すのが実家の日常でした。ただし、夜の8時まで干しっぱなしにするようなことはありませんでしたが。
室内の照明や外灯が点いていなかったこと、2台分のガレージが空になっていたことも合わせ、パッと見ても留守であることが分かってしまう状況だったのです。
[Point.5]プロの犯行
手袋着用、土足厳禁
家の中はひどく荒らされていたものの、泥や土、砂などの成分は発見されませんでした。また指紋や皮脂が検出されることもありませんでした。このことから犯人は、靴を脱いでくつ下で侵入し、手袋を着用していたことが分かります。
手袋をするのは、TVドラマでもよくある光景なので、素人でも思いつきます。けれども靴を脱ぐのは意外でした。履いたままの方が、逃走しやすいように思うので。
けれども、これこそがプロの犯行の証なんですね。
土足のまま侵入すれば、床に残った靴底跡から、靴の型番がわかります。そこから購入店を辿り、犯人の居住地を絞ることができるそうなのです。また靴の大きさから、ある程度の背格好を割り出すことが可能になります。
引き出しが階段状
また、タンスの開け方にも、階段状というプロの犯行の特徴がありました。
引き出しを、上から順番に開けるところを想像してみてください。下の引き出しは、上の引き出しを閉めなければ、中を見ることはできません。開けては閉めての作業をくり返すことになるので、一番下の引き出しにたどり着くまで、時間が倍かかってしまうのです。
一方、下から順番に開けていく場合、わざわざ閉めなくても、上の引き出しの中身を確認することは可能です。短時間で、全ての引き出しを確認することができるのです。
プロの空き巣犯は、見つからないためにも、より効率の良い方法を選択するのです。
犯人の証言
数年後、犯人は捕まったと、警察から連絡がありました。不法滞在の中国人。4人でチームを組み、様々な場所で犯行をくり返していたそうなのです。
連絡を受けたときには、すでに裁判が始まっていて、余罪を洗っていく中で、実家の事件が浮かび上がってきたのです。
供述から、犯行の詳細が分かりました。
- 電車で移動していた。
- 駅に近い住宅街を狙っていた。
- 下見はしていなかった。
- その日の行き先はランダムに決めていた。
- 確実に留守だとわかる家を狙った。
- 犯行時刻で多かったのは、11時から16時だった。
- 侵入したのは2人。残りの2人は見張り。
これらの証言と、実際の被害状況を合わせ、現在、我が家では、
- 予防
- 撃退
- 抵抗
の、3つのレベルで対策を実施しています。
【予防】標的にならないことが重要!
空き巣が狙うのは、留守の家です。だから一番の対策は、誰かが家の中にいることです。
けれども、そんなことは無理な話なので、できる限り「留守じゃない」ように見せかけることが、重要になります。空き巣の標的から外れるような工夫を考えましょう。
a. 外出時には、部屋の照明を点けておく
外出時には、必ず、部屋の照明は点けておくようになりました。普段は、リビングの照明を点けておき、時々、別の部屋の照明を点けておくこともあります。
深夜でも点灯
外泊する場合でも、照明は点けたままにしておきます。
下の表をみてください。
住民の状況 | 点灯 | 消灯 | |
在宅中 | 「起きている」可能性 | 高 | 低 |
「就寝中」の可能性 | 中 | 高 | |
留守 | 「留守」の可能性 | 低 | 中 |
「照明が点いている(点灯)」ということは、その家の住民は、「起きている」可能性が高いと考えられます。点けっぱなしで「就寝中」、もしくは「留守」である可能性もゼロではありませんが、「起きている」可能性よりは低い、と考えるのが順当ではないでしょうか。
逆に、深夜に「照明が消えている(消灯)」ということは、いたって当たり前のこと。たいていの人は就寝中であり、照明は消していることでしょう。部屋を明るくしたまま寝る人や、起きている人もいるとは思いますが、全体からすれば少数派でしょう。
こうして考えると、「点灯」は在宅中のサインとなりやすく、空き巣を寄せ付けない効果が期待できるのです。
昼間でも点灯
同じことが、昼間に外出する場合にも当てはまります。
帰りが遅くなってしまったり、急に天気が崩れてしまった場合、辺りは暗くなっているにも関わらず、自分の家だけ明かりが灯っていなければ、留守だと言っているようなもの。すぐさまターゲットにされてしまいます。
予算が合えば、タイマー付きの照明器具に交換するのがベストですね。
点灯させるのは、第三者が確認しやすい部屋
照明を点けておくのは、どの部屋でも良いというわけではありません。「第三者が確認しやすい部屋」であることが重要です。
道路に面していて、大きな窓がある部屋は、外部から認識しやすいといえます。そのなかでも1階に位置し、使用頻度が高い部屋、例えばリビングなんかは、一日中、照明が点いていても不自然さはありません。
在宅であることを瞬間的に伝え、さっさと標的から外れることが、空き巣防止対策にとって大事なことなのです。
[参考]「空き巣」とは、留守宅を狙う物盗りのこと。就寝時に侵入する物盗りのことを「忍び込み」、在宅時の隙を狙って侵入するのが「居空き」という。(警察庁HP「住まいる防犯110番」より)
b. 旅行のときでも、シャッターは開けておく
外泊をするときに、シャッターを開けたままにしておくことは、心理的にかなりの抵抗があるだろうと思います。けれども、シャッターは開けたまま外泊(外出)する方が、防犯的には有利だ、というのが僕の考えです。
昼間にシャッターが閉まっていることは、留守のサイン
昼間 | 夜間 | |
シャッターが、開いている | 普通のこと | 忘れているのかもしれない |
シャッターが、閉まっている | 留守かもしれない | 普通のこと |
この表の中で、留守の可能性があるのは、「昼間にシャッターが閉まっている」ときです。
「昼間にシャッターが開いている」ことや、「夜間にシャッターが閉まっている」ことは、いたって普通のことです。万が一、「夜間にシャッターが開いていた」としても、単に忘れているだけかもしれないので、それだけでは「留守」の根拠にはなりません。
「開けっ放し」は一見、不用心に思えます。けれども、空き巣犯にしてみれば、留守なのかどうかの判断がつきにくく、侵入しづらい家ということになるのです。
シャッターであろうと、破られる
割れやすい窓ガラスがむき出しになっているよりも、硬いシャッターで覆っている方が侵入されにくい、という考えもあるでしょう。確かに、物理的にはその通りだと思います。
けれども一旦、犯行可能だと判断された家は、窓ガラスであろうとシャッターであろうと、破られて侵入されるのが現状なのです。
割られやすいかどうかの前に、標的にならないようにすることが、やはり重要だと思います。
在宅のサインである「照明の明かり」が、シャットダウン
シャッターが閉まっていれば、室内の照明の光が外部に漏れにくくなるため、在宅中アピールがしにくくなることもマイナスな点です。
薄手のカーテンなど、外部に対して適度に明かりが漏れるものを使う方が、日常感が演出できて空き巣予防には効果があると言えます。
c. 外周部にセンサーライト
ガレージに2台、隣の家との間に1台、屋外用の人感&照度センサー付ライトを取付けました。空き巣犯は、目立つことを嫌がるため、一定の効果があると考えてのことです。
隣の家との間に取付けておけば、異変に気付く人の目が増える効果があるので、オススメです。ただしきちんとした説明と、了解を得てからにしておいた方がいいでしょう。お隣さんにもメリットがあることなので、嫌がられることは少ないと思います。
センサーライトは、できれば外部電源を使用するタイプの方が良いでしょう。乾電池を使用するものだと、電池切れを起こした場合、「ライトはあるのに点かない」という状況になります。すると犯人には、「油断している家」と認識され、標的にされてしまうからです。
最近は、ソーラーパネルで充電できるものも売られています。太陽の光が当たる場所なら、電源のことを考えなくてもいいので、自由度が高いと思います。
d. 室内干し
昼間 | 夜間 | 晴れ | 雨 | |
洗濯物が干している | 普通のこと | 異常 | 普通のこと | 異常 |
洗濯物が干されていない | ありえる | 普通のこと | ありえる | 普通のこと |
洗濯物については、どのパターンにおいても、「ありえる」ことだと思います。
たとえ夜間や雨の日に洗濯物が干されていたとしても、「家の中にいるけど、取り込むのを忘れている」という可能性が否定できない以上、「留守」だとは断定できません。また、洗濯物が干されているかどうかよりも、照明やシャッターなど、他の要因が優先的に判断材料になります。
このことを踏まえたうえで”洗濯物”について考察するなら、「干していない」方がセキュリティ的には上、というのが表で説明したかったことです。
特に、長期的に家を離れるときには、室内干しが基本になります。少量なら、カーテンレールに吊るしてしまえば済みますが、うちの場合、それだけでは足りません。なので、室内物干しワイヤーを、1階と2階に1台づつ取付けています。
【撃退】侵入に手間取らせる工夫を!
不幸にも、空き巣犯のターゲットにされてしまった場合、侵入に時間がかかるような工夫を施しておくことで、難を逃れられる可能性が高まります。
侵入に手間取り、5分かかると侵入者の約7割はあきらめ、10分以上かかると侵入者のほとんどはあきらめるといいます。「侵入に時間をかけさせる」。これが、侵入されるかどうかの大きなポイントになります。(警察庁HP「住まいる防犯110番」より)
a. ツーロック以上
出入口になるような開口部には、それぞれに複数個の鍵を取付けました。
窓でいえば、たいていまん中あたりに「クレセント」と呼ばれる鍵が付いています。半回転することで、開け閉めができます。
けれども、この鍵ひとつだけだと、割った穴から手を入れ、簡単に開けられてしまいます。クレセント錠は、空き巣犯にとって、鍵の役割は果たしていないようなのです。
最近の住宅だと、サッシ枠の上下にロック機構が設けられていますが、僕の実家のように、古い家だと、このロック機構がない場合があります。そんな家には、現在、ホームセンターで補助錠がたくさん売られているので、是非とも購入することをオススメします。
1つの窓につき、2箇所以上。できれば、上下左右に振り分けて。
鍵同士の距離を離しておけば、空き巣犯は複数回、窓を割らなければ侵入できません。その場合、誰かに見つかる可能性が高まるので、退散する確率もグッと高まるのです。
b. 防犯ブザー
窓には「防犯ブザー」も取付けました。
窓が開けられた時はもちろん、割ろうとして発生する振動も検知して、警報を発します。
このブザーは、貼付け面に「防犯装置作動中!!」の文言が描かれていることがポイント。防犯意識の高さをアピールできるので、空き巣へ即時の退散を促す効果が期待できます。
【抵抗】最小限の被害で済むように!
侵入されてしまえば、何らかの被害は免れません。けれども被害を最小限に食い止めることができれば、まだ救われます。
a. 屋内用の監視カメラ
監視カメラには、2つの役割があります。
ひとつは、空き巣犯への警告の役割。カメラの存在に気付いた犯人は、ひょっとすると犯行間際に退散するかもしれません。
もうひとつは、逮捕への手がかりとなること。顔や背格好、手口の全容が分かれば、逃走する犯人を捕まえる大きな助けになります。
実家に取付けたのは、このカメラ。
値段が手頃だったのが決め手でしたが、無線では接続エラーが多発するので、有線で接続しています。最近は、続々と良い製品が出ているようなので、交換しようかと現在検討中です。
このカメラにはスピーカーが内蔵されているので、空き巣犯を撃退することもできるかもしれません。
b. 貴重品の隠し場所
実家に入った空き巣犯の荒らし方には、いくつかの特徴がみられました。
引き出しが8割
やつらが手を付けた8割は、タンスや棚の引き出しでした。パッと見て何があるか分かるようなオープンな棚、例えば、本棚なんかは荒らされていません(手を付けていたのかもしれませんが)。他にも、箱やファイル、カバンなど、何かを収納するものが狙われていたのです。
実際、貴重品や現金は引き出しに入れていたので、見事に盗まれました。空き巣にしてみれば、誰もが考えそうな場所を当たるほうが効率が良いのでしょう。
足元や、頭上より高い場所はノータッチ
家中、メチャクチャにされていたのにも関わらず、2つの場所から現金が見つかりました。
ひとつは、高さが約2メートルある本棚の上。現金入りの封筒なんか、せいぜい数ミリの薄いものなので、最上部に置いてあると、登らなければ視界に入ることはありません。
もうひとつは、侵入口になった出窓の下に転がっていた財布の中身。こんなところに財布があるのも恥ずかしい話なのですが、このときばかりは始末が悪いことが幸いしました。犯人も、まさかのまさかだったでしょうね。
おもちゃ箱など、子供関連の場所も荒らされず
昔、マクドナルドの景品を集めていたことがあり、段ボール箱いっぱいに入れていたのです。その箱は、開けられた形跡はあるものの、中身までは出されていませんでした。おそらく見た瞬間、「ここにはない」と判断したのだと思います。
またテレビゲームをまとめていたラックも、荒らされていませんでした。こちらは完全にノータッチだったようです。
あきらかに金目の匂いがしない場所は、基本的にスルーされていたのだと思います。
これらのことを、貴重品の隠し場所の参考にしていただければと思います。
c. 見せ金
見せ金。つまり、盗まれても痛くない額のお金を、わざと置いておくというのも、被害を最小限に抑える工夫になります。
決して擁護するわけではありませんが、空き巣犯も生活がかかっています。捕まるリスクを背負っての犯罪なので、侵入したからには成果がないと困るわけです。盗むものがなければ、腹いせに、家中のものを叩き潰すという話も聞いたことがあります。
全ての貴重品を隠してしまうと、それ以上の被害を受けるかもしれません。保険としての見せ金を、引き出しに忍ばせておくのも、悔しいですがテクニックとして紹介しておきます。
【力技】セコムやアルソックなどに依頼
予算に都合が付くのなら、セコムやALSOKといったホームセキュリティのプロと契約するのが最も手っ取り早いでしょうね。
最新のシステムは、外出中でもスマホで設定や確認が行えるので、かなり使い勝手が良さそう。
泥棒以外にも、「火災」に対しての見守りや、子どもや高齢者など「人」に対する見守りなど、「家」をトータルで見守ってくれます。119番通報や、スタッフが駆けつけて対応してくれるのなんて、圧倒的に安心です。
おおよそ月額5,000円を、安心代と考えられるかどうかですね。
あとがき
恐い、悔しい、悲しみ、怒り、絶望。いろいろな感情が混ざり合っていて、事件後、しばらくの間は、常に落ち着かない状態が続きました。
空き巣事件自体は、極端な言い方ですが、1日で終了してしまいます。
盗られたものは、存在しないのと同じであり、それ以上でもそれ以下でもありません。割られた窓ガラスは修理し、荒らされた部屋は片付けてしまえば、それでおしまいなのです。
ですが、本当につらいことは、その後にやってきます。
「一度空き巣に入られた家は、また狙われる。」
「入院を知っていたのは、家族以外には隣近所の人だけ。だから近所の人が怪しい。」
悪気なく届けられた助言が、誰かを疑う心を育てたり、怯える生活を強制します。長期間にわわたって、精神の消耗戦が続くことこそが、空き巣被害の本質だと思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。くれぐれもお気をつけください。