MTF特性曲線でレンズの良し悪しが決まるわけではありません。それは分かっているのですが、こういうグラフを使った比較って、昔から好きなんですよね。
だからやっちゃいます、第二弾。今回はパナソニックのレンズから。
これまた本日新発売(2015年10月23日)の「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.(以下、G25mmF1.7)」と、発売から4年が経過した「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.(以下、SUMMILUX25mmF1.4)」。
両レンズとも、35mm判換算で焦点距離が50mmの標準レンズです。
この2本のレンズを選んだ理由は、
- 1つのメーカーがリリースしている、同じ焦点距離のレンズである
- 標準レンズである
- 絞り値に半段の差がある
- 発売時期に4年間の開きがある
という点です。
の時と、状況が似ています。
MTF特性曲線でみる「LUMIX G 25mm / F1.7 ASPH.」
これがG25mmF1.7のMTF特性曲線。パナソニック公式HPから引用しました。
富士フィルムと違って、一つのグラフに空間周波数が異なる曲線が描かれています。
パナソニックでは、ヌケを意味するグラフは20本/mm(青色)、解像力を意味するグラフは40本/mm(緑色)の空間周波数が使われています。
いやー、凄いですね。ほぼ周辺までヌケがよく、均質な画質のようです。
最周辺部では少し落ち込みを見せていますが、一段絞れば全く気になることはないんじゃないでしょうか。いや、開放でも気になることは少ないだろうなぁ。
曲線も、ほぼ重なっているので、ボケも綺麗ではないかと予想します。
MTF特性曲線でみる「LEICA DG SUMMILUX 25mm / F1.4 ASPH.」
一方、こちらがSUMMILUX25mmF1.4のMTF特性曲線です。同じくパナソニック公式HPから引用。
新レンズのグラフと色使いが異なっているのでご注意。赤色がヌケで、青色が解像力です。
随分と性格が違うことが、所見で分かります。
両曲線において、レンズの中心から隅にかけて、50%ほどの落ち込みが見られます。また曲線間の差も大きいことを合わせて考えると、周辺画質はそれほど良いとは言えないようです。
ただし両周波数とも、M方向の曲線はほぼ周辺部まで高い値を維持しており、このレンズの味やクセを作り出している部分なのかな、と想像します。
[番外編]XF35mm F2 R WRとの比較
SUMMILUX25mmF1.4と、今度発売する富士フィルムの「XF35mm F2 R WR(以下、XF35mmF2)」のMTF特性曲線って似てると思いませんか??
たとえば、本数が少ない方のグラフ(パナソニック:20本/mm、富士フィルム:15本/mm)。M曲線が高い値のまま周辺部まで維持し、S曲線が途中で急激に落ち込んでい点。
あるいは、本数が多い方のグラフ(パナソニック:40本/mm、富士フィルム:45本/mm)で、両曲線がムニョムニョ交じりながら落ちていく点。
メーカー違いでMTF特性曲線を比較するのは、測定の設定や方法が違うので意味がないと言われています。
けれども、XF35mmF2のセクシーなくびれ、はたまたコンパクトなルックスは、かなりレンジファインダー式カメラのレンズ、つまりライカレンズを意識しているような気がしてなりません。
ひょっとすると写りの方も、柔らかで繊細、味わい深いののになるんじゃないでしょうか。
[追記]実際は、色乗りが良く、開放から高コントラストで元気な描写のレンズでした。繊細さはSUMMILUX25mmF1.4の方が上に思います。
あとがき
G25mmF1.7は現代的で、とても優等生なレンズだと妄想します。Gブランド(LEICAブランドではない)ということで、購入しやすい価格設定になっていることも魅力的です。
マイクロフォーサーズ機をお使いの方で、単焦点標準レンズをお持ちでない方は、十分に検討する価値があるのではないでしょうか。
実は以前、E-M5と一緒に、このSUMMILUX25mmF1.4を使っていました。
色乗りがこってりとしていて、描写は非常に柔らか。一本芯がのこっている、そんな繊細な写りをするレンズです。
「これがライカというものなのか!」と、うっとりしていた記憶があります。
ずいぶん安くなってきたので(僕が購入した時で5万円オーバー)、少しでも明るいレンズを希望される方には、今でもこちらをおススメします。