XF35mmF2 R WRが発表。XF35mmF1.4 RとMTF特性曲線で比較。

XF35mm F2 R WR

先日、富士フィルムから新レンズ「XF35mm F2 R WR」が発表されました。35mm判換算で焦点距離が53mmとなる標準レンズで、普段使いに最適なレンズです。

35mmというと、X-PRO1と同時に発売された「XF35mm F1.4 R」という名玉がすでにあり、僕も常日頃からペケプロちゃんに付けっぱなしにしているお気に入りのレンズです。だから購入予定はない(かもしれない)んですが、2つのレンズのMTF特性曲線を見比べてみると、結構性格に違いがあるなぁ、という印象なので紹介がてら記事にしてみました。

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MTF特性曲線

MTF曲線とは?

MTF(Modulation Transfer Function)は、レンズ性能を評価する尺度のひとつで、被写体の持つコントラストを像面上でどれだけ忠実に再現できるかを空間周波数特性として表したものです。(シグマ公式HPより引用)

簡単に言ってしまうと、レンズの個性を知るための”ものさし”ということです。ただしレンズの個性というものは、この曲線だけで表せるものではありませんので、あくまでも一つの参考ということで。人間でいうところの星座や血液型みたいなノリですね(も少し精度は高いかな)。

MTF特性曲線関連の言葉と見方を整理

MTF特性曲線とはこんな曲線のことです(富士フィルム公式HPより引用)。

MTF曲線|富士フィルム公式HPより引用

空間周波数:15本/mm

MTF曲線|富士フィルム公式HPより引用

空間周波数:45本/mm

富士フィルムでは、空間周波数が15本/mmと45本/mmという2つ測定結果を公表しています。本数は統一された基準があるわけではなく、各メーカーによってバラバラです。

空間周波数という言葉の意味は、知らなくても問題ありません。ここでは、MTF特性曲線は2種類のグラフを1セットで使う、ということだけ覚えておいてください。

出てくる用語を表にしてみました。

項 目内 容つまり
空間周波数本数が少い方のグラフ1mmの幅に白黒で描かれた15本(メーカーによって異なる)の線を、どれだけ分離できているか。ヌケの良いレンズであるかどうかが分かる。値が低ければ、ぼやっとした写真になる。
本数が多い方のグラフ

1mmの幅に白黒で描かれた45本(メーカーによって異なる)の線を、どれだけ分離できているか。

解像力がどれぐらいかが分かる。値が高ければ、シャープなレンズということ。

横軸レンズの中心からの距離レンズは隅に行くほど性能が落ちる。
縦軸コントラスト中心から任意の距離におけるレンズの能力値。
1に近いほど能力が高い
M放射方向(メリジオナル方向)2つのグラフが一致していれば、ボケが綺麗
S同心円方向(サジタル方向)

それぞれの語句の内容は、原理を踏まえるともっと難しいものになってくるのでとばしてしまいましょう。グラフを見てレンズの個性が分かるようになればいいので、”項目”と”つまり”が結びつけられれば十分です。

『XF35mm F2 R WR』と『XF35mm F1.4 R』を比較

それでは両者を比較してみましょう。いずれも富士フィルム公式HPより引用しています。

【XF35mm F2 R WR】

MTF曲線|富士フィルム公式HPより引用

(A)空間周波数:15本/mm

MTF曲線|富士フィルム公式HPより引用

(B)空間周波数:45本/mm

【XF35mm F1.4 R】

空間周波数:15本/mm

(C)空間周波数:15本/mm

空間主婦端数:45本/mm

(D)空間主婦端数:45本/mm

(A):XF35mm F2 R WR(以下、新レンズ)の方は、中心から3分の2、10mm辺りまではほぼ満点ですね。高コントラストなパキッとした写りなんじゃないでしょうか。2つの曲線もぴったり重なっているので、ボケも綺麗なのでしょう。しかし、そこから隅にかけてS曲線の落ち込みが激しく、2曲線の開きがかなり見られるので、周辺部は荒れてしまうかなぁ、なんて想像します。

(B):解像力からも同様な傾向が見られるようで、やはり3分の2を過ぎた辺りからガクッと値が低くなっています。加えて、隅に向かって曲線間の開きが発生しているので、やはり周辺部は甘い写りなのかもしれません。

一方、XF35mm F1.4 R(以下、旧レンズ)はどうかというと、

(C):結構中心に近いところから、2つの曲線が離れていっています。でもM曲線は高い値を維持したままであり、差分は小さくゆるやかな変化なので、実際には周辺部でもそれほど荒れた印象は受けません

(D):新レンズに比べ、解像力が不足している印象を受けます。ただし隅にかけての落ち込みは小さいので、隅まで均質な画質を維持していると言えます。また2曲線はほぼ相似であり、差分もごくわずかなので、あの美しいボケを描いているのでしょう。

まとめ

いやー、所有していることもあって、かなり旧レンズよりの文章になってしまいました。それほどF1.4レンズを気に入っているということで。新レンズを買えないひがみも少々入っているかな。

MFT曲線を見た限り、新レンズは中心から3分の2にかけては素晴らしいレンズだということが想像できます。実際、メーカーのサンプル写真の「おじさん」なんて、とても立体的ですしね。

周辺部が荒れるとはいっても、MTF曲線は開放絞りでの値をグラフ化したものなので、絞ればまた違った個性を見せてくれるのかもしれません。XFレンズは、ほぼ全てのレンズが高水準なので期待は裏切らないでしょう。

  • AFスピードが速くなっている
  • 防塵防滴である
  • F1.4に比べ、コンパクトである
  • シルバー色がある

という点で、同じ焦点距離といえども、十分、購入の理由になります。

旧レンズの柔らかな描写も、まだまだ魅力的ですよー。