食パン専門店の食べ比べ。今回は大阪なんばの「ATELIER GUTE(アトリエ グーテ)」に行ってきました。
アトリエグーテの母体は、1948年創業の「A-1 BAKERY(エーワンベーカリー)」というパン屋。主に駅ナカ・駅チカに出店。食パンに特化したブランドとして、2015年にアトリエグーテをスタートさせたそうです。
歴史あるパン屋さんが、あえて食パンに特化したお店を構える。時流にのっただけのパチモノか、本物か。早速レポートしたいと思います。
「ATELIER GUTE(アトリエグーテ)」
店舗外観とか
なんばウォーク2番街に店を構える「なんば店」。外観は、黒×白×金を基調とした重厚かつエレガントな佇まい。1番街にある「なんばグーテ」とお間違えなきようご注意を。
「嵜本」もそうでしたが、食パン専門店の装いはラグジュアリーな方向へ向かっているのでしょうか。
執筆時現在、アトリエグーテはここ「なんば店」以外にもう1店舗、京阪百貨店ひらかた店内にある「枚方店」があります。2店舗しかないんですね。こりゃ貴重。
モノトーンでまとめられた紙袋は、洋服でも買ってきたの?と思われそうなお洒落なデザイン。まさか食パンが入っているとは誰も思うまい、と内心思いながら、家へと持って帰りました。
『プレミアムプラス』
半透明な袋で覆われた『プレミアムプラス』。
お値段は1,100円(+税)と、これまでで最高値。王冠が描かれたシールも貼られていて、ロイヤルな感じがムンムンします。
焼き色は濃いめ。しわが多く、デニッシュ系の薄皮ミミを想像する外観。乃が美なんかと比べると、サイズはちょっと小ぶりかな。
量ってみると583gでした。2斤分(1斤:350g~400g)とするには、ちょっと足りませんね。せいぜい1斤半といったところ。一本堂の1斤サイズが約580gだったので、130gほどしか差がありません。
そのあたりのことは正式にショップカードに記載されています。
アトリエグーテの食パンは一般的なものより少し小ぶりの大きさになります。
お子様・ご年配の方、一人暮らしの方にもおいしく召し上がっていただくため、スライスすれば食べきりサイズになります。
冷凍保存ができるので、この説明には納得しかねるものがありますが、まいっか。
へこんでるのは水分が多い証拠。教科書的には良しとされない仕上がりですが、『プレミアムプラス』の場合、牛乳と生クリームでやわらかくするのが狙いなので問題なし。
実際、少しばかり切りにくさを感じるぐらいのやわらかさ。切りカスもほとんど出ず、パン切り包丁が吸い付くほどにしっとりしています。この時点で甘い匂いが漂います。
まずは焼かずに生のまま食べます。
もっちり&しっとりの食感で、ちぎろうとしてもちぎりきれないほどの粘りがあります。子どもたちの感想は「プリンみたい!」でした。
小麦の匂いはほのかに香る程度ですが、バターの風味が強くてリッチな味わい。ミルク感とのバランスも良く爽やかな後味。重すぎない甘さが絶妙です。
お次はトースト。
外はサックリ、中はもちっ!お手本のような仕上がり。ミミとの境目が全くない食感で、別途水分を摂らなくても、スッと食べれてしまうのどごしの良さにびっくりしました。
小麦とバターの香りもパワーアップ。それでいて、あざとさを感じないのは、良い素材が使われているためだと思われます。このトーストは、なかなか他では味わえないかも。
予熱したトースターで1〜2分程度、軽めに焼くのが美味しさを引き出すコツ。表面の水分だけを飛ばす感じ。
あるとき一気に焼き色が付き始めるので、目を離さないように注意しましょう。
あとがき
値段だけのことはありますね。かなり美味しい。生で食べても、焼いて食べても、どちらにしろハイレベル。パン屋さんが材料にこだわり、手間をかけて作った本気の一品といった感じがします。
コスパはめちゃくちゃ悪いですけど、この食パンじゃなきゃ味わえない美味しさがあるように思います。ひとつの到達点なんじゃないでしょうか。
今度は別の食パンを試しみようっと。
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