食パン専門店の食べ比べ。今回は、高級食パン専門店「嵜本(さきもと)」(以下、嵜本)に行ってきました。
嵜本は2017年下半期に「SARAH JAPAN MENU AWARD」で3つ星(卓越した一品〜遠出してでも食べたい〜)評価を獲得した人気店。食パンの種類が多く、季節や曜日限定商品やジャムも豊富に取り揃えています。あとロゴマークや販促物なんかが、すんごいお洒落。
早速、レポートしていきます。
高級食パン専門店「嵜本(さきもと)」
店舗外観とか
お邪魔したのは大阪梅田茶屋町店。人通り賑やかな通りに面したスタイリッシュな建物に、高さ3m級のどでかい看板が目を引きます。
店内は、さながらアロマショップのような趣。アンティーク調の棚には、色とりどりのジャムの小瓶と1枚にカットされた食パンが並んでいます。これまで訪れてきた食パン専門店とは、ずいぶん様相が違っていて、少しばかり緊張しました。
この大阪梅田茶屋町店は、焼き立ての食パンを取り扱っていません。曜日限定商品の取り扱いもないため、それらを購入したければ、大阪なら本店含む大阪浪速区の3店舗に行く必要があります。
パン屋さんあるあるの気持ち良い接客を受け、2種類の食パンを購入。持ち手が蛍光イエローというお洒落な紙袋を2つ引っ提げて帰りました。
極美”ナチュラル”食パン
まずはベーシックな「極美”ナチュラル”食パン」から。
どーんと2斤分。手に取るとズシリと重い。
測ってみると894g。なかなかの重さです。
全体的に焼き目は淡く、色白の優しい表情。外見からして、薄皮タイプのミミであることが想像できます。
手でつかむとしっかりした感触が跳ね返ってくるので、想像よりも中身は柔らかくないかも。
で、切ってみました。パン切り包丁から伝わる感触は、しっとり感弱めでパサ感が少しあります。切りカスは大きめのものが数粒程度と少なめ。
袋から取り出してきた時にも感じていたことですが、あまり小麦の匂いが広がってきません。鼻を近づけると、ようやくほんのり伝わる程度。これまでの食パンの中で最もおとなしい。
まずは焼かずにそのまま食べてみます。
食感については、しっとりをベースにふんわりが前に出ている感じ。水分が過度に含まれていないのか、糸を引くようなもっちり感は控えめです。
甘みはほんのりする程度で、小麦の匂いも少なく、クセの無いプレーンな食パンといった印象です。
3分ほどトーストしてみました。
ほんのちょっと小麦の匂いが強くなりました。でも部屋全体に広がるような拡散力はありません。ふんわり感がより強調された食感で、甘みは控えめ。小麦の風味も前には出ず、朝食向きのスタンダードな味です。
美味しい食パンであることは間違いありませんが、正直、税込900円は高いかな。これならセブンイレブンの「金の食パン」の方がコスパが良く、毎日手に入れることができます。
甘みはさておき、小麦の風味を感じられるパンが好みなので、リピ買いはしないですね。
極美”ミルクバター”食パン
本命はこっち。3つ星を獲得した「極生”ミルクバター”食パン」。
こちらもどーんと2斤分。
測ってみると909gでした。極美”ナチュラル”食パンとほぼ同じですね。
焼き目は、極美”ミルクバター”食パン(左)の方が濃いですね。そして若干しぼんでいる。中に含まれる空気の割合が少ないのかな。だとすると、ふんわり感よりも、しっとり感やもっちり感が強いのかも。
パン切り包丁を入れると生地が吸い付き、ぬぅっという感触が手に伝わってきます。やっぱり、しっとりしてそうです。
ミミが薄皮なのは極美”ナチュラル”食パンと同じ。小麦の香りは極生”ミルクバター”食パンの方が強めです。
まずはお店が推奨している通りに、焼かずにそのまま食べてみます。
食感はしっとりをベースに、もっちりが乗っかっている感じ。ふんわり感は少ないです。水分が多めなんでしょうね。味わうのに、ちょうど良い歯ごたえです。
ミルク感はあまりしないかな。それよりもバターや砂糖、蜂蜜など甘さの方が立っている印象。マドレーヌ的方向の美味しさ。でもなんかちょっと、あざとい。
3分ほどトーストしてみました。
外はカリッ、中はしっとりな好みの仕上がり。甘みと香りも若干アップ。美味しい。これなら税込950円払っても納得できます。
でもね、やっぱりどこかあざとい。なんというか、甘さがわざとらしいんですよね。写真で言えば、彩度をちょっと強くし過ぎて、調和を欠いたような描写。自然じゃない。
原材料から考察
極生”ミルクバター”食パンの原材料
原材料を見てみると、酸化防止剤としての「V.C(ビタミンC」や「香料」など、添加物が使われているのに気付きます。
また甘みを補い、保湿性をアップさせる「トレハロース」が入っていることで、あの彩度のきつい甘みが形成されているのだと腑に落ちました。
極美”ナチュラル”食パンの原材料
で、極美”ナチュラル”食パンの方は、なにかと問題なトランス脂肪酸を含む「ショートニング」が使われています。
これらの添加物なんて、現在でも色んな食品に含まれています。直ちに健康被害に繋がるわけはないのでしょうけど、開発ストーリーの中で「安心へのこだわり」を語っておられるだけに、やっぱりもやっとしてしまいます。
あとがき
ちょっと辛口な物言いになってしまいましたが、一般消費者の、勝手だけど正直な感想です。
ケーキやプリンのような装飾された美味しさではなく、食パンには白米と同じ主食としての本質的な美味しさも期待してしまいます。
「乃が美」や「成り松」の方をおすすめします。
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