子供の姿勢が悪くなってきたので、脱・床座生活のために、FIELDOOR(以下、フィールドア)の「クイックチェア」を購入しました。
いわゆる「ロースタイルチェア」というやつですが、見た目やフォルムからして、スノーピークの「ローチェア30」と非常によく似ています。コピーしたんじゃないかと思うぐらいに。
今回は、これら2つのチェアを詳細に比べてみようと思います。
「クイックチェア」と「ローチェア30」を比較
見た目や形状がそっくり
すでに書いたとおり、見た目やフォルムはほとんど同じ。
ローチェア30の方が10cmほど背もたれが高く、その材料分なのか1割ほど軽量。フレームの色がシルバーなので、スタイリッシュに見えるかな?程度です。
一応、比較表を掲載しておきます。
クイックチェア | ローチェア30 | |
使用時サイズ | 57cm×64cm×78cm | 58cm×65cm×86cm |
収納時サイズ | 20cm×18cm×91cm | 16cm×18cm×101cm |
重量 | 3.3kg | 3.6kg |
アームレストは両方とも木材。クイックチェアに使われているのは「ブナ材」で、ローチェア30には「竹」の集成材が使われています。
両方とも表面保護材が塗布されていますが、仕上がりが丁寧なのはローチェア30の方です。他にも、厚みや加工の具合など、比べてみるとクオリティの違いは明らかです。
例えば、裏側を見てみると、クイックチェアの方は単にビス留めされているだけですが、
ローチェア30のアームレストは、フレームがきっちり収まるように彫り込み加工がされています。
また、おそらくですが、使用されているビスの素材にもステンレスとスチールの違いがあり、ローチェア30の方は、よりビス頭の大きなものが採用されています。
同様の差は、シートにも見られます。
所有のローチェア30は古いタイプということもあって、シートには6号帆布が使われています、現行品は、両方とも「ポリエステル」素材が使われています。
縫製は、どちらも丁寧な仕事がなされていますが、クイックチェアに補強用のパーツは使われていません。
一方、ローチェア30には補強パーツが用いられています。しかもカラーリングが素敵で、デザイン上のアクセントになっています。おしゃれ!
フレームは、どちらも「アルミニウム合金」製で、主要部分にはリベット留めが採用されているので、頑強さは同程度に感じます。強いて言えば、クイックチェアの方が若干しなりを感じるかな。
形状やサイズ、仕組み、接合部分の位置など、ほんの少しの差はありますが、ほとんど同じと言っても差し支え無いレベル。設計図が同じか、パ○ったか。いやリスペクトしたのか。
支える脚元の形状や仕組みについても、後ろ脚はほぼ同じ。
前脚の底面パターンこそ異なりますが、面積と形状が同じなので、力の掛かり具合には大きな差はないことが推測できます。
座り心地は別物
これだけフレームが同じなら、座り心地も近いんじゃないかと考えてしまいますが、全くの別物です。
クイックチェアは沈み込みがほとんど無く、”浅い”座り心地。一方、ローチェア30は、すっぽり体を包み込むように、”深い’座り心地を実現しています。
例えるなら、普通車と高級車のような違い。
ローチェア30の座り心地が良すぎるのであって、決してクイックチェアが悪いわけではありません。
この違いの原因は、ひとつはシートの設計にあります。
クイックチェアのシートは、座面から背もたれにかけて”遊び”がほとんど無く、常に張った状態をキープし続けます。背もたれ座面ともフラット。座った時の体は、”点”で支えられる感覚です。
一方、ローチェア30のシートは、全体的に余裕があり、ゆるりとした形状で作られています。体は曲面で支えられるので、まるでハンモックのような”包み込まれ感”を味わうことができます。
もうひとつの原因は、床からの座面の高さにあります。
クイックチェアの座面高が約34cmに対し、ローチェア30の方は、その名が示す通り30cm。わずか4cmの差ですが、見える景色は予想以上に変わります。
地面に近いローチェア30の方が、よりゆったりした気分に浸ることができます。
リラックス度この上ないローチェア30ですが、いざ立ち上がろうとすると、相応の労力を必要とするので要注意。
座面の低さと、体が深く沈み込むことが合わさって、再起動がかなり辛い。天国から地獄。膝に持病を抱えている方は、迂闊に座らない方が良いかもしれません。
座り心地の良さも含め、二度と立ち上がれないかも、です。
あとがき
クイックチェアとローチェア30。クオリティにおいて、ローチェア30の方に分があります。ですが、その差はごくわずかであり、人によっては誤差の範囲に収まるレベルでもあります。
座り心地に限って言えば、好みや用途によって、クイックチェアを選んでも、何らおかしくありません。しかも価格差が3倍であることを踏まえると、クイックチェアは最良の選択になり得ます。コスパ最高!
極上のリラックスを得て、まったりするならローチェア30、
ガシガシ使って、アクティブに動くならクイックチェアといった感じかな。
繰り返しになりますが、良いですよ!クイックチェア。