今回の東京旅行では、2011年のオープン以来、ずっと訪れてみたかった「藤子・F・不二雄ミュージアム」へ行くことができました。
世界中の多くの方がそうであるように、僕も「ドラえもん」が大好きです。「オバケのQ太郎」や「キテレツ大百科」など、藤子・F・不二雄先生の作品には、”優しさ”が満ち溢れています。
というわけで、写真とともにお伝えします。
川崎市 藤子・F・不二雄ミュージアム
所在地、アクセス
東京旅行と言っても、「藤子・F・不二雄ミュージアム」の所在地は神奈川県川崎市。住宅街とは、川を挟んですぐの場所に建てられています。
急に出現するので、グーグルマップに案内してもらっていなければ、さぞびっくりしていたたことでしょう。
専用の駐車場は無し
ミュージアム自体に駐車場はありません。車で行くなら、最寄りのコインパーキングに停めることになります。
ただし、土日祝や大型連休には、最大料金設定のないところがあるので要注意。駐車場にウン千円払うよりかは、お土産や食事に使う方が絶対に幸せです。
直行バス
公共交通機関を利用するとなると、大きく分けて2つの方法があります。
1つは、小田急線かJR南武線の「登戸駅」から出ている、直行便の市バスで行く方法。
大人210円、小人110円の市内均一料金(現金の場合)。所要時間は約9分。運行間隔は約10分と、待たされることもありません。
何より、藤子・F・不二雄ワールドが全開なところが魅力的!
まず目に飛び込んでくるのがラッピング。
作品に出てくるキャラクターが所狭しと描かれていて、乗る前から楽しい気分になってきます。
今回出逢うことができたのは「ドラえもん号」と「パーマン号」。他に「キテレツ大百科号」や「エスパー魔美号」、合計4台の車両が走っているそうです。
どの車両もナンバープレートは「2112」。ドラえもんの誕生日である「2112年9月3日」にちなんで、とのことです。
車内にも、随所に世界観が散りばめられています。
例えば、ドラえもん号の「シート」には、タケコプターや、どこでもドア、スモールライトといった「ひみつ道具」がデザインされています。
「押しボタン」や「つり革」にも、ドラえもんの姿が。
他にも色んなところにキャラクターの姿があって、探していると、ミュージアムに到着するまでの時間はあっという間に過ぎてしまいます。
乗車中は他のお客さんのこともあるので、撮影をためらいました。ですが運転士さんのご好意のおかげで、次の出発までの間、車内を見学させてもらえることに。写真も撮り放題。運転士さんに感謝です。
徒歩
もう1つは、最寄り駅から徒歩で行く方法。
小田急線「向ヶ丘遊園駅」で徒歩16分、JR南武線の「宿河原駅」で徒歩15分程度。どちらも約1kmほどの平坦な道のりで、街並みを見ながら歩くのは気持ちが良い距離です。
宿河原駅前のローソンは、看板や内装が「藤子・F・不二雄」仕様。
帯サインには「ドラえもんの鈴」や、
エスパー魔美に登場する「コンポコ」が描かれています。
歩くのに疲れても、こんな案内を目にすれば「もうひと頑張りしよう!」という気が起こります。
行きは徒歩、帰りはバス、と2つの方法を楽しむのも良いんじゃないでしょうか。
チケット、開館時間、入館まで
チケットは、日時指定の完全予約制。しかも購入は、ローソンチケットのみ。予約無しでミュージアムに行っても、入館することはできないので注意が必要です。
日時指定と言っても、入替え制ではありません。入館すれば、閉館までいることだって可能です。実際、あれよあれよと5時間を超えて滞在してしまいました。
開館時間は朝10時。開館分で予約を取り、10分前に到着しましたが、すでに列が形成されていました。様々な表情の「ドラえもんの目」の壁に、100名以上は並んでいたように思います。
入館は、数十名づつ順番に。風除室のような場所で、モニターに映し出される動画を見ながら、諸々の説明を受けるシステムになっています。
列に並んでから入館するまで、15分ぐらいはかかったでしょうか。壁に埋め込まれたいくつものオブジェを眺めていると、退屈することはありません。
のび太の幸せそうな姿を見て、心が和まない人はいないでしょう。むしろ、もっと並んでいたかったほどです。
「展示エリア」と「きこりの泉」
入館してからは、基本的に自由。
僕たちは、コインロッカーに荷物を預けた後、順路通りに「展示エリア」に向かいました。ですが、何度も通っているようなベテラン一家は、先に「ミュージアムカフェ」へと行った様子。まだ朝の10時。よっぽどお腹が空いていたのでしょうか。
展示エリア一帯は、全て撮影禁止となっています。なので文章のみ。
常設展および企画展とも、原画や資料がたくさん展示されています。一つ一つ立ち止まり、入館時にお借りした「おはなしデンワ」に耳を当て、詳しい説明や創作のこぼれ話などを聞きます。没入感が増し、とても幸せな時間が流れます。
途中、通路のような場所には、藤子・F・不二雄先生の書斎が再現されている「先生の部屋」や、「作品年表」を記した壁があったり。
なかでも、まぁるいフォルムの”ぞうさん”がいる「どうぶつのへや」は癒やしスポット。壁には、動物が行進する様子を描いた「切り絵」が、下絵とともに掲げられています。これがまた、あたたかいんです。
そんなに大きなスペースではありませんが、気付いたら2時間が経過していました。ひょっとしたら「タイムマシーン」で移動したのかも、なんてことを言ってみます。
ちなみに、あのお方がおられる「きこりの泉」だけは撮影が許可されているので、思う存分ツーショットを撮りましょう。
「まんがコーナー」と「みんなのひろば」、「Fシアター」
展示エリアを抜けると「まんがコーナー」に辿り着きます。
ここでは、無料で先生の作品が読み放題。しかもドラえもんと一緒に。
きちんと腰掛けて読む子もいれば、自宅にいるかのように寝っ転がって読む子もいます。かなり居心地が良いのでしょう。子供はもちろん、大人の方も一心不乱に読み漁っていました。
「まんがコーナー」の横には、少し大きく開けたスペース「みんなのひろば」があります。
壁面にはオブジェが埋め込まれていたり、ちょっとした遊びができるゲームがあったりします。
他にも、「もしもボックス」の操作で戸惑ったり、
ガチャガチャでキーホルダーをゲットしたり、
「タッチパネル」でモニョモニョ遊んだりと、実に多種多様。20分毎に上映される「Fシアター」の待ち時間も、飽きることはありません。
この日はタッチパネルが1台故障中で使えませんでした。けれども写真のような案内が貼られていたおかげで、またしても心が和まされました。
「はらっぱ」
「みんなのひろば」からは、屋外の「はらっぱ」へと出ることができます。屋上も含め、いろんなキャラクターたちと出会えます。
この日は天気が良く、芝生で寝転ぶ「パーマン1号と2号」は、とても気持ちが良さそうでした。
確か『のび太の魔界大冒険』の1シーン。メデューサによって「石にされたドラえもん」が、リアルに再現されています。子供の頃、めちゃくちゃ怖かった記憶があります。
キテレツ大百科の「コロ助」や、
「Q太郎」や「O次郎」と写真を撮れるなんて、嬉しすぎます。
世界一有名な「土管」があったり、
成長した「ピー助」を見ることも。
ん?背後からこちらに視線を送っているのは、『のび太の大魔境』に出てきた敵、「巨神像」ではないですか!
他にも、森の中には「キー坊」や「ウマタケ」が居たりと、たくさんの隠れキャラやアイテムが潜んでいます。思わず発見すると、周りに目もくれず、はしゃいでしまいます。
「ミュージアムカフェ」
この時点で、すでにお昼の13時。すっかりお腹も空いてしまったことなので、「ミュージアムカフェ」で食事をすることにしました。ここでも感動は続きます。
メニュー
まずは「ドラえもんブルー」という名前のドリンク。
最小限の要素で、ここまでドラえもんが表現できるものかと、えらく感心しました。味の方も、グレープフルーツとピーチをミックスした爽やかなもので、とても美味しい。ブルーな色味からは全く想像できない組み合わせのフルーツ。不思議な感覚です。
「ジャイアンとカツ丼」は、『のび太の日本誕生』に出てきた「畑のレストラン」の容器で提供されます。海苔で作られたジャイアンの顔はお見事。味は、普通に美味しいカツ丼です。
「アンキパン ビーフシチュー」は、本来メインであるはずのビーフシチューより、どうしても「暗記パン」の方に注目してしまいます。いたって普通のパンなのに。
40歳を超えると、「暗記パン」に向ける目は、より切実になるようです。
他に「ドラえもん ソボロンヌ 三色そぼろごはん」や、
「ドラビアータ」を注文。どちらも名前が素敵。
いずれの料理も、インスタ映えするほど秀逸なビジュアル。大人には少し物足りないボリュームなことを考えると、値段は少々お高く感じます。
予約
実は「はらっぱ」へ出る前、混み具合を確認しておきました。すると当然のことながら満席。待ち時間は、約1時間と伝えられました。
「ミュージアムカフェ」は予約ができます。しかも電話番号を登録しておくと、順番が近づいてきたタイミングで、ショートメッセージを受け取るシステムになっています。
おかげで待ち時間を利用して、先にお土産を物色しに行くことも可能。世の中は日々、進歩していることを実感します。
お土産
館内では「タケコプター ヘアバンド」を付けている子供の姿を、よく目撃しました。性別問わず、人気のようです。僕も、もう30歳若ければ、欲しくなっていたのかもしれません。
「ギフトショップ」には、両手じゃ数え切れないぐらいほど、魅力的なアイテムが揃っています。爆買いする外国人観光客の気持ちが、初めて分かったような気がします。
うちの子たちは、「ピンバッジ」や「Q太郎のぬいぐるみ」、「奇天烈大百科のノート」などをお土産に買いました。子供らしく、可愛らしいお値段のものばかりで一安心です。
僕たち夫婦は、もちろん「暗記パン ラスク」を買いました。
隅々まで「藤子・F・不二雄ワールド」
ミュージアムは、隅々まで先生の世界観で埋め尽くされています。
例えば、「まんがコーナー」を案内する標識の上には「勉三さん」、
エレベーターの標識には、浮き上がる「チンプイ」が描かれていたりします。しかも別のエレベーターには、また違う絵が。
お漏らししそうになっている少年のマークを見た時は、思わずフフッと笑ってしまいました。
ミュージアムカフェの柱には、パーマン2号が激突した跡があります。
あたかも作中のキャラクターたちが動き回り、そばにいるかのような錯覚に陥ります。ネズミが活躍するどこぞの王国のように、着ぐるみなど動くものは何一つとして無いのに。
心温まる、不思議な感覚です。
あとがき
僕がうるっときたのは、この案内板を目にした時です。心から帰りたくないと思ったし、また訪れたいとも思いました。どうやら、全身すっぽりと「藤子・F・不二雄ワールド」にハマってしまったようです。ダメだ、今でも泣ける。。