XF60mmF2.4 MacroとXF90mmF2を、MTF曲線で比較&妄想

XF60mmF2.3とXF90mmF2のMTF曲線比較
本ページはプロモーションが含まれます

MTF曲線を眺めて妄想するシリーズ。

今回はフジノンレンズ「XF60mmF2.4 R Macro(以下XF60mmF2.4)」と「XF90mm F2 R LM WR(以下XF90mmF2)」です。実際に使用したレビューはこちらをどうぞ。

【FUJIFILM XF60mm F2.4 R Macro】レビュー|マクロ撮影と中望遠で世界が拡がる。Xユーザー必携レンズ!
富士フィルムサービスステーションのレンタルサービスでXF56mm F1.2 Rを使ってからというもの、すっかり中望遠レンズの魅力にはまってしまっています。「FUJIKINA 2017 京都」でも同様のサービスが利用できるということで、今回は
【FUJIFILM XF90mm F2 R LM WR】レビュー|画質は完璧!でも街角スナップには窮屈。
前回そして前々回同様、中望遠レンズの試写レビュー。今回は、フジノンレンズ「XF90mm F2 R LM WR(以下XF90mmF2)」です。35mm判換算で137mm相当の焦点距離は、特に「ポートレートに最適」な焦点距離と言われています。で

両者とも中望遠レンズに分類されますが、焦点距離や開放F値は違うし、おまけに一方はハーフマクロレンズということで、守備範囲も異なります。

そんな2本のレンズですが、MTF曲線はとてもよく似た形をしている、というのが興味深いところ。

描写も似ているのか、はたまた非なるものなのか。比較してみたいと思います。

スポンサーリンク

XF60mmF2.4 MacroとXF90mmF2のMTF曲線比較

コントラスト(ヌケの良さ)

XF60mmF2.4とXF90mmF2のMTF曲線|空間周波数15本/mm

まずはコントラスト、いわゆるヌケの良さを表す空間周波数15本/mmmのグラフから。

完璧なXF90mmF2、優しいXF60mmF2

両レンズとも優秀な値を示す0.8どころか、0.9、部分によっては1.0に迫るほどの、ものすごい性能を発揮しています。

しかもM方向、S方向がびっちり揃っているので、収差はゼロに等しい。

特にXF90mmF2は、ほぼ全域で0.9を超えていて、完璧なまでの曲線(と言うか、もう直線)に驚かされます。これ以上のヌケの良さを持つレンズは、そう滅多にあるものではありません。

あえて言うなら、XF60mmF2.4は周辺部で性能が若干低下します。”ゆるむ”と表現する方が適切かな。いつでもビシッとした描写を見せるXF90mmF2に対し、開放で少し優しい表情を落とすXF60mmF2.4は、この辺りに違いがあるのかもしれません。

スポンサーリンク

解像力

XF60mmF2.4とXF90mmF2のMTF曲線|空間周波数45本/mm

解像力を表す空間周波数45本/mmのグラフについても、両レンズはかなり高い性能を示しています。

両レンズとも、最高の解像力

レンズ中央から11mm付近まで、満足レベルの0.6をはるかに上回り、ほぼ0.7以上を記録。そこから周辺部分にかけて落ち込んでいきますが、最も低い値で、XF90mmF2は0.5、XF60mmF2.4でも0.4以上をキープしています。

実使用では0.4以上あれば十分な解像力、というのが持論なので、両レンズとも全域で解像力に不満を感じることはないレベル

XF56mmF1.2とXF56mmF1.2APDを、MTF曲線で比較&妄想
うっとりするほど綺麗な写真が撮れてしまう「XF56mmF1.2 R(以下XF56mmF1.2)」。ただシャッターを押すだけで、といえば語弊があるかもしれませんが、どんなものを撮っても主役に変えてしまう力を持ったレンズです。そんなXF56mm

収差ゼロのXF90mmF2、柔らかなXF60mmF2.4

ここでもやはりXF90mmF2のゼロ収差っぷりは、特筆すべき点。M,S両方向の曲線が、終始びっちりとくっついて離れません。

一方、XF60mmF2.4ではS方向にゆらぎがあり、両曲線間に差分が発生しています。コントラスト同様、精緻ながらも若干の柔らかさを感じる描写は、こんなところに起因しているのかもしれません。

スポンサーリンク

あとがき

非の打ち所のない描写のXF90mmF2と、

ほんの少しの「ゆるさ」を感じるXF60mmF2.4。

完璧に近いXF90mmF2の曲線と比べて浮き彫りになったこの「ゆるさ」は、言い換えればレンズの「味」や「クセ」のようなもの。MTF曲線的には2方向のズレが生み出しているんじゃないか、と妄想することができそうです。

そういや、XFレンズの中で神レンズと称される「XF35mmF1.4 R」や、

【FUJIFILM XF35mmF1.4 R】レビュー|テーブルフォトやポートレート、スナップが秀逸!
フジノンレンズ「XF35mmF1.4 R(以下XF35mmF1.4)」は、Xシリーズを使い始めた瞬間から、ずっと一緒にいるレンズ。僕にとっての、まさしく”標準”レンズです。別のレンズを評価する時、画質や操作感の基準になっています。当たり前の

美しいボケが魅力の「XF56mmF1.2 R APD」だって、

【FUJIFILM XF56mmF1.2 R APD】レビュー|被写体全てが主役になる!
今回ご紹介するレンズは、「XF56mmF1.2 R APD(以下XF56mmF1.2APD)」。APD(アポダイゼーション)フィルターを搭載した、”ボケ”表現をとことん追求したレンズです。当ブログでは、以前に「XF56mmF1.2 R(以下

全体的には高い値をキープしつつも、両方向で離れまくってますしね。

これがレンズのおもしろさ、ということなのかもしれません。