1台目のXシリーズ(富士フイルム)の選び方。画質ではなく、撮影スタイルを重視しよう!

Xシリーズ(富士フイルム)のロゴ

X-E2の後継機「X-E3」が発売されたことで、Xシリーズの既存ラインは全て(X-A3は除く)第3世代のイメージセンサー&画像処理エンジン、「X-Trans CMOS Ⅲ+X-Processor Pro」に置き換わりました。それはつまり、全てのモデルで”画質が同等”ということを意味します。

なので、これから初めてXシリーズのカメラを買うのなら、画質で悩む必要はありません。撮影スタイルや被写体などを基準に、自分にとっての最適な1台を見つければいいだけです。

今回はフローチャートを交え、その辺りのことを整理してみました。

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フローチャートで見る「Xシリーズ」の選び方

Xシリーズの選び方

切り口は色々あるかと思いますが、こんな感じ(↑)で整理すると選びやすいんじゃないかと思います。

「切り取る感覚」で撮影

Xシリーズの分水嶺となるのは、やはりOVF(光学ビューファインダー)の有無だと思います。OVFが搭載されていることで、Xシリーズだけでなく、他メーカーのミラーレスカメラとの差別化にも成功しています。「ハイブリッドマルチビューファインダー(以下HMVF)」なんて、世界のどこを見渡しても、Xシリーズにしか搭載されていません。

そんなXシリーズのOVFですが、一眼レフカメラのそれとは違って、撮影しようとしているモノやコトの周辺の世界まで見ることができます。その辺の話は、以前書いた記事を読んでもらいたいのですが、

X-Pro2の「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー」。OVFの使いどころと落とし穴。
X-Pro2には、「アドバンストハイブリッドマルチビューファインダー(以下HMVF)」という世界で最も長い名前のファインダーが搭載されていま...

ライムラグが無いことや、暗所での使い勝手が良いことなど、機能的な側面以外に、デザイン的な構成要素としても、OVFは魅力的な存在だと思います。

現時点でOVFを搭載しているモデルは、X-Pro2とX100Fの2機種のみとなっています。

遠景を引き寄せて写したいなら、X-Pro2

この2機種の大きな違いは、レンズが”交換”できるか”固定”か、という点。X-Pro2は、レンズ交換式カメラです。

レンズが交換できるメリットは、目的に応じて色々なレンズを使い分けられることにあります。広い範囲を写す時には広角レンズ、遠くのものを引き寄せて写したい時には望遠レンズ、小さなものをアップで写したい時にはマクロレンズなど。被写体そのものや距離によって最適なレンズを選択することで、表現の幅を広げることができます。

次に紹介するX100Fは、レンズが固定式の単焦点カメラなので、基本的には、35mm判換算35mmの画角のみ。1年のうちに1度でも、中望遠〜望遠域の撮影をする機会があるのなら、X-Pro2を選択することになります。

撮影は近景のみ。より軽快に撮影を楽しみたいなら、X100F。

近景だけを対象とするなら、X100Fの方が使いやすいように思います。

取り回しが良い

まずは軽さ。同じ画角(35mm判換算35mm)のレンズとの組み合わせで比べた場合、X100Fが469gに対し、X-Pro2(495g)は、XF23mmF1.4との組み合わせで795g、XF23mmF2との組み合わせでも675gと、1.4倍以上の重さになってしまいます。

サイズについても、X100Fは厚みがレンズ込みで52.4mmのところ、X-Pro2は、XF23mmF1.4との組み合わせで約97.8mm、XF23mmF2との組み合わせで約86.7mm。フードを付けると、その差はさらに広がってしまいます。

取り回しの良さは、明らかにX100Fの方が上ですね。

テレコン、ワイコン

先ほど、中望遠〜望遠域を撮影するならX-Pro2を選ぶべきと書きましたが、実は換算100mmまでならX100Fでも撮影が可能。それはテレコンバージョンレンズ(「TCL-X100 II」)、いわゆるテレコンを装着することで実現します。

テレコンを使えば画角が1.4倍、つまり換算50mm相当の画角になります。さらに「デジタルテレコンバーター」を併用することで、70mm100mmの画角でも撮影可能となるわけです。

カメラ内で、ディストーション(歪曲収差)や周辺光量の低下、倍率色収差なども最適に補正してくれるそうで、メーカーのサンプル画像を見る限り、明らかな画質の低下は感じません。しかもHMVFにも対応しているので、OVFのメリットが損なわれることもありません。

X100Fとテレコン(180g)を合わせても、たったの649g。おまけにワイコン「WCL-X100」(150g)を足しても、800gをわずかに切っているのですから、この軽快さはかなり魅力的な組み合わせです。

ちなみにワイコンは倍率約0.8倍。35mm判換算28mm相当の画角が得られます。

ですが、なんちゃって70mmであることに変わりはないので、中望遠域にふさわしい”ボケ量”を求めるなら、やはりX-Pro2を選ぶことにはなるのかな。

海や砂漠など、アクティブなシーンで撮影

使うのはEVFのみという方でも、アクティブなシーンで撮影するのなら、防塵・防滴・耐低温は必要な仕様です。とりあえず”海”や”砂漠”とは書きましたが、砂埃が舞うような、例えば運動会なんかでも、これらが備わっているとかなり心強い。

X-T2の「T」の文字は、堅牢性を表すTough(タフ)の頭文字。大きめのグリップや専用の縦位置パワー・ブースター・グリップ「VPB-XT2」が用意されている点、

ダイヤル操作可能(手袋をはめたままでも操作可能)なモードが多い点など、過酷な環境下で撮影することが想定された仕様となっています。

単純に防塵・防滴・耐低温仕様で選ぶのならX-Pro2でもいいわけですが(青色点線)、バッテリーが手軽に交換できなかったり、素手では凍傷の恐れがあるような状況で撮影するのなら、間違いなくX-T2を選ぶ方が賢明です。そんなところでは、OVFを使うこともなさそうですしね。

様々なポジションで撮影

防塵・防滴・耐低温構造は、ボディだけでなく、レンズ側も同仕様じゃないと意味がありません。なのでXFレンズでは定番の XF35mmF1.4 Rや、標準キットレンズのXF18-55mmF2.8-4 R OISなどで十分撮影が捗るなら、X-Pro2やX-T2を選ぶ必要性は高くないと思います。

ハイ&ローアングル撮影

それよりも「チルト液晶」でハイ&ローアングルから撮影が出来たり、「タッチ操作」でシャッターが切れる方が、日常使いとしては重要なんじゃないでしょうか。

X-T20には、チルト液晶もタッチパネルも搭載されています。チルト液晶ならX-T2(3軸)にも搭載されていますが、タッチパネルには対応していません。X-Pro2には両方ともありません。撮影バリエーションについては、X-T20が、Xシリーズの中で最も多い機種ということになります。

Bluetoothで常時リモート撮影

一方、X-E3はタッチ操作には対応しているものの、チルト液晶は非搭載です。その代わり、Xシリーズで初となるBluetoothによるワイヤレス接続が可能となっています。

従来のWi-Fi接続に比べて、Bluetooth接続の良いところは、

  • 接続が簡単
  • 消費電力がめっぽう少ない

という点にあります。

特に、消費電力が極少なおかげで、常時接続が可能となったのが魅力的。スマホとの連携がスマートになることで、リモート撮影が手軽になるばかりか、今後は、音声による撮影が行えたり、聞いている音楽によって生成されたフィルターを適用して撮影、なんてこともできるようになるかもしれません。そうなると、撮影バリエーションは無限大ですね。

セルフィー撮影(自分撮り)

X-A3にはセルフィー撮影(自分撮り)を快適に行うための機能が、いろいろと搭載されています。

まずは背面液晶。X-T2やX-T20と同じくチルト式を採用していますが、X-A3の液晶は180°回転させることができます。軍艦部に被るスペースが無く、前機種(X-A2)より一層フレーミングがしやすくなりました。しかも180°回転を実行すると、自動で「瞳AF」がONになるおまけ付き。

お次は、グリップ形状とダイヤル配置について。どちらも人間工学にもとづいて、セルフィー撮影時に最適な形状やポジションニングを実現しています。特に、垂直に配置されたコマンドダイヤルがシャッターボタンとしても使えるため、人差し指での自然な動作で撮影が可能。手ブレが抑えられます。

最後は、充実のセルフタイマー機能。「スマイル」、「カップル」、「グループ」という3つのモードがあり、笑ったり、2人で体を近づけたり、設定した人数がフレームに収まるだけで、シャッターを切ることが可能となっています。

Xシリーズの中でも入門機に位置するX-A3ですが、セルフィー専門機としての地位をしっかりと確保しています。

けれども搭載されているセンサーがX-Trans型ではない(ベイヤー配列センサー)ことや、画像処理エンジンもX-Processor Proではないことで、他のモデルと画質が同等ではないところにモヤモヤが残る機種ではあります。

あとがき

Xシリーズのおもしろいところは、画質で優劣が決まるわけではなく(※1)、撮影スタイルによって一芸に秀でたモデルがラインナップされているところだと思います。

「全てを満足させる万能なカメラはない」とはよく言われますが、画質という軸が揃っているおかげで、どのモデルを購入しても一定の満足は得ることができます。しかも満足のレベルはかなり高い。やっぱりカメラは、撮影した「写真」が答え、ということです。

一応、分類してはみましたが、長くても襷(タスキ)として使っても良いし、短くても帯として使っても良いわけで、X-E3にXF55-200mmF3.5-4.8RLMOISを付けて、運動会を撮影するのも全然アリだと思います。それはそれで良い写真が撮れそうな気がします。

シリーズの中で画質に差がない、というのはメーカーの良心のあらわれのような気がします。


※1)X-A3は本文の通りですが、厳密には、X100Fも画質が同等とは言いきれません。レンズが固定式で専用品であることが理由です。

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