長年使ってきたミキサーが壊れてしまったので、ハンドブレンダーに買い替えました。ブラウンの「MQ775」です。
世の中には「かき混ぜ」系のキッチン家電が色々あるけれど、できれば1台にまとめたい、というのが昔からの希望でした。MQ775は自称「1台7役」。ひょっとしたら夢が叶うのか!
というわけで、以下レビューをお届けします。
ブラウンのハンドブレンダー「マルチクイックシリーズ」の比較
ブラウンのハンドブレンダー「マルチクイック」シリーズには、お手軽〜本格モデルまで、いくつかのバリエーションがあります。
シリーズ名 | 型番 | 消費 電力 |
回転数 | スピード 調整 |
価格帯 | 特徴 |
マルチクイック1 | MQ100 | 300W | 11,200回 | 1段階 | 3,000円 | 安い |
マルチクイック5 | MQ500 MQ535 |
350W | 14,000回 | 2段階 | 4,000〜 7,000円 |
手頃 機能的 |
マルチクイック5 ヴァリオ |
MQ5045 MQ5075 |
400W | 13,600回 | 21段階 | 8,000〜 9,000円 |
多機能 |
マルチクイック7 コードレス |
MR730cc | – | – | 1段階 | 13,000円〜 | コードレス |
マルチクイック7 | MQ700 MQ735 MQ745 MQ775 |
400W | 13,800回 | 無段階 | 9,000〜 16,000円 |
パワフル 多機能 |
マルチクイック9 | MQ9035X MQ9075X |
500W | 12,800回 | 無段階 | 15,000〜 22,000円 |
超パワフル 多機能 |
パワー
基本的にはパワーの差がシリーズ間の値段の差になります。
消費電力と回転数からトルク数を算出すると、「マルチクイック9」がダントツでパワフルなことが分かります。
続いて「マルチクイック7」と「マルチクイック5ヴァリオ」が横並び、その下に「マルチクイック5」と「マルチクイック1」が横並びという状況です。まさに値段通り。
スピード調整
さらにスピード調整機能の有無も、金額に反映されます。
スピード調整機能が無い「マルチクイック1」は最も値段が安く、無段階で調節可能な「マルチクイック7」と「マルチクイック9」は高額になります。
また同じ「マルチクイック5」でも、2段階しか調節できない「ノーマル版」と、21段階に調節可能な「ヴァリオ」では、価格に差があります。
アタッチメントの種類
シリーズ名が同じものは、本体が共通。当然、スペックに変わりはありません。
型番の違いは、同梱のアタッチメントの種類によるものです。型番の数字が大きいほど、付属するアタッチメントが増え、使える機能が増えるわけです。
例えば「マルチクイック7」シリーズの下位モデルMQ700には、軽量カップしか付属されていません。なので、できる作業は「混ぜる」と「つぶす」のみになります。
これがMQ775になると「泡立て器」と「フードプロセッサー」が付属するので、ホイップや千切りが可能になります。
これらのアタッチメントは、デロンギの公式サイトで購入することも可能です。割高にはなりますが、必要な機能をよく考えてから追加していくのもひとつだと思います。
ハンドブレンダーの市場的には、3,000円〜8,000円ぐらいが相場のようです。今回は、ヨドバシカメラのポイントが貯まっていたこともあって、ちょっと背伸びして上位のモデルを選択しました。
MQ775(ブラウン)の各機能を評価
すでに書いたとおり、MQ775は1台7役をこなすのがウリ文句。全ての機能が使い物になれば、手持ちの「泡立て器」は不要になり、苦手な「みじん切り」や「千切り」の負担から解放されます。それでは、ひとつひとつ検証してみます。
つぶす(ブレンダー)
食材を「つぶす」のは、朝飯前といった感じ。野菜、お肉、何でもOK。なめらかな状態になるまで、ほんの数秒しかかかりません。
料理に使うには、もはやオーバースペックと思うほどのパワーです。「MQ775が通った道には草も生えていないぜ」的な、桁違いの力強さを感じます。
MQ775が大活躍したのは「ココイチ再現カレー」を作ったとき。やはりカレーは飲み物だったのか、と再認識させられるぐらいに、大量の玉ねぎや人参がクリーミーな状態になりました。
いつか、スムージーという意識の高そうな飲み物を作ってみることにします。
使える度 | ☆☆☆☆☆ |
混ぜる(ブレンダー)
「つぶす」が朝飯前なら、「混ぜる」のなんて寝ててもできるぐらい。まさに、言うに及ばずです。
付属の計量カップを使っても良し、具材を煮ている鍋に直接ハンドブレンダーを突っ込んでも良し。据え置き型のミキサーに比べて断トツに扱いやすい点が、ハンドブレンダーの最大の魅力です。
パワフルなあまり、豪快に飛び散るんじゃないの?という心配も耳にしますが、MQ775に関しては全くと言っていいほど大丈夫。ブレード(刃)やシャフト先端の形状に、飛び散り防止の工夫があるようで、逆に、具材がシャフトに吸い付くような感覚を覚えるほどです。
回転ブレが無く、安定していることも関係しているんじゃないでしょうか。
使える度 | ☆☆☆☆☆ |
きざむ(フードプロセッサー)
MQ775のパワーは、フードプロセッサーを使った時に、真価が発揮されます。
解凍ままならない豚バラ肉の塊をミンチにしたり、4分割程度にしか包丁を入れていない玉ねぎをみじん切りにしたりと、餃子やハンバーグが大好きな我が家では、大が3つ付くほどの活躍っぷりです。
しかもこれらの作業にかかる時間は、ものの数秒。みじん切りが苦手な僕にとっては、「時短」というより、「ワープ」といった方がしっくりきます。
ただし油断をすると、あっという間にペースト状になってしまうので注意が必要です。数秒おきに中の状態を確認し、刻まれていない具材は刃の近くに寄せる。これが、好みのサイズ、しかも均等に刻むコツです。
使える度 | ☆☆☆☆☆ |
スライス(フードプロセッサー)
MQ775には、「スライサー」、「せん切りツール(太め)」、「せん切りツール(細め)」の3つのカッターツールが付属しています。
そのうち「スライサー」を使ったスライス機能には、主に「キャベツのせん切り」を期待していました。
けれども、出来栄えは落第点。きしめんのような仕上がりになってしまいます。とんかつ屋さんのアレを想像してしまうと、全くの別物でがっかりしてしまいます。
炒めものや、お好み焼き用には良いかもしれません。食べ応えは、しっかりとしているので。
やっぱり専用のスライサーを買おうかな。評判良いみたいですしね。
使える度 | ☆☆ |
せん切り(フードプロセッサー)
一方「せん切りツール」は、太め、細め問わずに、便利です。にんじんシリシリや細切りポテトなど、細かく切るのが面倒くさい料理も、パパっと作れてしまいます。
ひょっとしたらキャベツのせん切りも、「せん切りツール」を使えば上手くいくんじゃないかと思ってやってみました。でもやっぱり駄目。とんかつ屋さんのようにはいきません。コールスローサラダにはぴったりな仕上がりなんですけどね。
使える度 | ☆☆☆☆ |
泡立てる(泡立て器)
正直言って「泡立てる」能力は、及第点以下です。
専用の電動ハンドミキサーと比べて、
泡立てスピードは半分以下。材料に空気を含ませにくく、ベタっとした仕上がりになってしまいます。
ふんわり、なめらかなホイップが作れないので、お菓子作り用途には向いていないと思います。ドレッシング程度なら使えるかもしれませんが、わざわざ一式をセットするのなら、手動の泡立て器を使う方が絶対に早く終わります。
使える度 | ☆ |
こねる(フードプロセッサー)
すでにホームベーカリーを持っているため、この機能は未だ使わずにいます。
説明書によると、こねる作業を連続して行える時間は「1分」とあります。果たして、それだけの短時間で強力粉がこね上げられるものなのか。今後、検証してみたいと思います。
その他
サイズ、重さ、取り回し易さ
初めて店頭で見た時には、結構デカイという印象を持ちました。横に並んでいたパナソニック製のハンドブレンダーの方が、スリムで使いやすそうな佇まいをしていたことも関係しています。
けれども実際に使ってみて思うのは、これぐらいの重さやサイズの差よりも、バランスが重要なんだということ。
MQ775は、がっしりしていて安定感が抜群。自立もするし、何よりも回転ブレが起きません。そのおかげで無駄な力を必要とせず、見た目よりも取り回し良く感じます。
スマートスピードテクノロジー
無段階でスピードが調節できる便利さは、一度使ったら戻れないほど快適です。
MQ5045やMQ5075に搭載されている「21段階スピード調整機能」も試してみましたが、作業のスムーズさにおいて、MQ775の方に軍配があると感じました。「ダイヤルを回す」というワンアクションがないだけで、ずいぶん作業効率が違ってきます。
握った手を離さずに指一本で操作ができるのは、危なっかしさも少なくて安心です。
洗う、後片付け、収納
「本体(モーター部)」と「泡立て器の接続部分」以外は、全て水洗い可能。もちろん中性洗剤もOKです。料理の合間にササッと洗って、乾かしておしまい。いたって簡単。
また上記2つに「フードプロセッサーのフタ」を加えた以外のものは、食洗機の使用も可能です。ガシガシ使えますね。
ただし、パーツの数が多いこと、専用のケースやスタンドといった気の利いたアイテムが無いことなど、収納には工夫が必要です。
我が家では、とりあえずIKEAのバスケットに突っ込んでいて、何とかしなければなぁと思いつつ、やり過ごしている状況です。
イマイチな点
今のところ、ひとつだけイマイチな点があります。それはコードが硬いこと。
外国製品にはよくあることですが、取り回しの良さを若干スポイルしているように思います。だからといって使いにくいわけではありませんが、もう少し柔らかい方が親近感が湧くように思うのですが、どうでしょう。
えっ、ハンドブレンダーに親近感なんて要らない?うん、まぁ、そうなんですけどね。
あとがき
「スライス」や「泡立て」能力、そしてコードの硬さに難はあるものの、総合的には「買って良かった!」と思うアイテムです。
「料理の幅が広がった」などと大それたことは言えませんが、時短の効果は実感できているし、面倒臭さを感じていた料理にも、億劫にならず立ち向かうことができています。
今だったら、氷も砕けるビッグチョッパー付きの「MQ745」と迷うかもしれません。
でも後からフードプロセッサーが欲しくなったら、ずいぶんと高く付いてしまうので、やっぱりMQ775が良い選択かも。
離乳食作りにも重宝するようなので、結婚や出産のお祝いとして「MQ700(本体のみ)」をプレゼントするのも喜ばれると思います。必要に応じて、アタッチメントは買い足してねって感じで。