仕事で現況図面を書くことがありまして。その時にめちゃくちゃ役に立つのがレーザー距離計。特にデジタルファインダー搭載モデルは、屋外でも簡単、しかも1人で測距ができるスグレモノです。
僕が使っているボッシュの「GLM150C Professional(以下GLM150C」は、実勢3万円ほどと手が出しやすい価格ながら、機能も精度もバッチリ!
早速、レビューしたいと思います。
ボッシュのデジタルファインダー付レーザー距離計「GLM150C Professional」
内容物とか、外観とか
ボッシュ(Bosch)はドイツの工具メーカー。赤と緑のカラーリングが印象的。こっちの青っぽい緑色がプロ用で、草っぽい緑がアマチュア用です。
ありとあらゆる電動工具がラインナップされていますが、最近では家庭用掃除機も作っていたりして。これがまたカッコ良くて、性能も良いらしいんだわ。
で、これがGLM150Cの中身。
専用ケースと乾電池(単3形アルカリ電池×3本)もセットで付いています。買ったその日から使えます。
縦横サイズはiPhone8と同じぐらい。GLM150Cの方が分厚いので、持った感触まで同じとはいきませんが。
本体は硬質プラスチック製(緑色)で、エッジや角はラバー素材(黒色)で覆われています。剛性感があって、質感良し。
ボタン類もラバー素材で大きく、手袋をしたままでも押しやすい。
誤動作防止のためか、はたまた防塵防滴(IP54)構造のためなのか、しっかり目に押さなければ反応しません。押したつもりでも、たまに反応しない時があります。
側面部にも「測定スタートボタン」が備えられているので、本体を横向きにしても測定できます。レーザー距離計にとっては当たり前のことのようですが、万一無かったとしたら、さぞかし不便だろうと想像します。
裏面はこんな感じ。
「三脚用ネジ穴(1/4インチ)」は、一般的なカメラ用三脚が使えます。壁などに押し当てて測定する以外、ブレ防止に三脚は必須。特に1人で敷地を測定する時は絶対に必要です。
三脚は、簡単に着脱できるクイックシュー付きがオススメです。
「電池収納カバー」にはロック機構があり、不意にカバーが開かない仕組みになっています。防塵防滴を担保し、手袋を付けたままでも開閉しやすくなっています。
使用電池は単3形3本。説明書にはアルカリ乾電池を使用と記されていますが、エネループなどのニッケル水素充電池でも問題なく動きます。
前面の大きな窓は「受光レンズ」。ここで測距物から返ってくるレーザー光を受け止めます。
あまりに大きいので傷がつかないか心配。でも保護フィルムを貼るわけにはいかないしなぁ。とりあえずこのままで。
残りの小さな窓2つが「レーザー出力部」と「カメラ」です。
レーザー出力部と受光レンズの間には、わずかながら距離があるため、測距物が近いと測定値に誤差が生じます。いわゆるパララックスというやつ。
とは言え、最短測定距離は8cmという仕様なので、実用上は問題ありません。8cmなんてスケールで測った方が早いですしね。
大型ディスプレイ(デジタルファインダー)
GLM150Cの最大の特長であるディスプレイ。2.8インチの大型IPSカラーディスプレイで、屋外でも視認性良好。実力のほどは後ほど。
カバーガラスに覆われているけど、屋外や工事現場ではホコリやチリが多く舞っているので、一応保護フィルムを貼っておきました。ピッタリな専用品が無かったので、カットできるフリータイプのものを。
付属ケース(キャリングバッグ)
付属のケース(キャリングバッグ)は、セミハードタイプ。型崩れせず、そこそこ頑丈。
レーザー距離計は精密機械なので、できるかぎり衝撃を避けたいところ。このケースならかばんの中に放り込んでも大丈夫感はあります。
上蓋はマグネットタイプで開閉はしやすいんですが、吸着力は少々弱めな感じです。でも、やたらめったら開くようなことはないから、まいっか。
裏側にはベルトクリップが付いています。これ挟む力が結構強い。かばんやバインダーなんかに取り付けても使うのも良いかも。
本体に付いたストラップで吊り下げても、ずれ落ちない。しっかり収納されてます。
実際に計測
実際に屋外で計測してみます。この日の天気は曇りで、太陽の光が直接ディスプレイを照らす状況ではありません。こうした環境では視認性良好です。
ターゲットまでの距離:約10m
まずは10m離れたターゲット(標尺)から。三脚に据えて測距開始。
ズーム機能がOFFの状態だと、こんな感じの見え方。10mぐらいの距離だと、ズーム無しでもターゲットポイント(十字マーク)がどこに当たっているのか確認できます。
ズームは最大8倍。3段階に切り替わるので、2倍、4倍、8倍になるのかな。ちゃんとした表記が無いので、正確じゃないかもしれませんが。
で、ズーム1段階目。よりはっきりとターゲットポイントの位置が確認できます。
ズーム2段階目。バッチリ当たってますね。
最後にズーム3段階目(8倍ズーム)。標尺の細かい方の目盛りまで、はっきりと確認できます。余裕です。
ターゲットまでの距離:約20m
次に、ターゲットまでの距離を20mにして計測しました。一般住宅ぐらいの敷地を測る時に必要になる計測能力。
ズーム無しだと、ターゲットがきちんと当たっているのか、はっきり分かりません。およその方向を定める程度です。
ズーム1段階目。ターゲットポイントの枠の中には入っていますね。
ズーム2段階目。標尺から、ズレてるような、かすってるような。
ズーム3段階目。最初からターゲットポイントの位置は変えていなかったのですが、ちゃんと標尺に当たっていました。20.045mと表示されたのが証拠です。
ターゲットまでの距離:約50m
一気にターゲットまでの距離を50mにしました。手持ちのロングテープ1本分です。実際に僕が扱っているような敷地では、ほとんど登場しない距離なんですが検証のため。
ちなみにGLM150Cの測定可能範囲は、測定環境が良好なら150m、不利な環境下で60mまでとなっています。
ズーム無しでは、標尺が立っている方向すらも分かりません。
ズーム1段階目。なんとか標尺の位置はつかめるものの、ターゲットポイントが当たっているどうかは全く自信無し。
ズーム2段階目。標尺自体ははっきり見えるようになりました。でもターゲットポイントの枠の中には収まっているようですが、ちゃんと当たっているかは不明です。
ズーム3段階目。ターゲットポイントの枠の範囲に収まっているのがはっきりと確認できます。
この状態で計測したところ、ちゃんと計測できました。
幅約6cmの標尺に対してこの精度で計測できるならバッチリです。公称通り、屋外でも50mぐらいの測定は全く問題ありませんでした。
あとがき
今までは2人でロングテープやスケールを使って測定していたものが、1人で作業が完結。加えてレーザー光の利点を活かせば、距離だけでなく高低(レベル)差も測ることができます。
デジタルファインダー非搭載のレーザー距離計よりも数倍ほど高額ですが、いくつか案件をこなせば十分に元が取れるので、むしろ安いぐらい。年に数回でも現況図面を作成される方は、めちゃオススメです。
今回使用した標尺とロングテープは以下の通りです。