食パン専門店の食パン食べ比べ。今回は京都の高級食パン専門店「別格(べっかく)」に行ってきました。
「別格」を運営するのは、京都手土産で定番の生八ツ橋「おたべ」を製造・販売する「株式会社 美十(びじゅう)」。「おたべ」の他に、抹茶と豆乳で作ったバウムクーヘン「京ばあむ」も有名です。
しかも有名なベーカリープロデューサーが関わっているそうで。これまで食べてきた食パンとどんな風に違うのか楽しみ!
早速レポートしたいと思います。
京都の高級食パン専門店「別格」
店舗外観とか
お店は市街地中央を走る烏丸通を少し西に入った新町通に面しています。南北の通り的には四条通のひとつ北で、地下鉄から徒歩5分ぐらいの場所。
確か、もともとはカフェだった建物。京町家の様式そのままで町並みに溶け込んでいます。
一瞬、見落としそうになりましたが、大きな「べっかく」の文字のおかげで素通りを免れました。
「格」の”口”部分が食パンになってる。こういう遊び心は好き。ギリギリ格好いい。
手提げの紙袋にもロゴマーク。そして金色で小麦のイラストが描かれています。全般的に少しあざとくてくどいけど、好きなデザインです。
食パンの種類は、プレーンタイプの『たなびき』(税込864円)とレーズンが入った『かぐわし』(税込864円)、こしあんが練り込まれた『ゆかしき』(税込1,058円)の3種類。
『たなびき』は随時販売されていますが、それ以外は焼き上がりの時間が決まっているので、事前にお店のWEBサイトで確認しましょう。
今回購入したのは『たなびき』で、予約無しで大丈夫でした。
食パンの他に、「おたべ」で使用されているものと同じ材料で作ったあんこや、系列の洋菓子店「ぎをんさかい」のコンフィチュールなども販売されています。どれも美味しそう。
高級食パン専門店「別格」の『たなびき(プレーン)』
食パンは薄いクッキングペーパーのような紙で包まれています。
食パン表面に付着している水分?油分?を随分と吸ってくれているようで、なかなかのベタつき。美味しい状態を保つためとはいえ、これまで直面しなかった状態にちょっと戸惑いました。
どーんと1本2斤分。ずっしりです。
焼き色は濃い目。やはり表面はテカついてますね。バターが漏れ出てるのかな。んなこたぁないか。
クラスト部分はかなり薄く、デニッシュっぽい。ところどころ生地から乖離している部分があって、ほんのり光が透けています。
特別重たく感じたけど、量ってみると810gでした。標準的な2斤分の重さより、若干軽いぐらい。
重たく感じたのは、生地のやわらかさが理由のひとつ。紙袋から取り出す時もグニャってしまい、思わず両手を使いました。
またご覧の通り、半分サイズに切ったものでも、縦置きにしたままだと自重で潰れてしまうほどです。この感じは「Bakery 暦」以来です。
で、やっぱり切りにくいです。包丁の切れ味の問題もあるのでしょうけど、どうしても押し潰す感じになってしまいます。めちゃくちゃやわらかい。
なんとか1枚にカットしましたが、ぶ厚く、いびつになってしまいました。4枚切よりも厚いんじゃないだろうか。
断面の肌理(きめ)は一見荒く見えますが、食感レベルは非常になめらか。この見た目は生地に粘りがあって、糸引く作用で出来上がったものなんじゃないかな。
まずは焼かずにそのまま食べてみます。
伝わりますかね、この粘り。どこまで裂いても、生地がびよーんと伸びてきます。おまけに、ふっわふわ。顔をうずめたい。
食感を一言で表すと「ぬっちり」。程よい湿り気があって弾力もあるから、しっかりとした噛み応えを感じます。「おたべ」は関係ないでしょうけど、餅の方向にベクトルは向いている気がしないでもありません。
味については、ほどほどの小麦の風味の中に、強めのバターの甘みを感じます。正直、美味しい。強いて分類するなら、デザート寄りの食パンになるかな。あっ、でも全然食卓パンでも大丈夫です。
次にトーストしたものを食べてみます。
生地の粘りはそのままに、外側はサクッとした仕上がりに。「サクッ!ぬちっ!」の食感がたまりません!
けれども焼くと普通、風味はアップするものですが、この食パンはそうなりません。生の時と変わらないか、なにかが消えているような気さえします。不思議。
なのでオススメは断然、生のまま食べることです。
あとがき
こう書くと、相対的に生のままの方が美味しいように思えてしまうかもしれませんが、違います。生のままの『たなびき』は絶対的な美味しさがあります。また食べたいと思うし、個人的には「乃が美」を上回っていると思います。
ブランディングやマーケティングに力点を置いた食パンは、胡散臭い感じがして好きになれませんでしたが、ここ「別格」の食パンは気に入りました。また買おっと!
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