食パン専門店の食パン味比べ。
前回は、高級食パンブームの火付け役「乃が美」と「一本堂」を食べ比べしました。
シンプルな食べ物ですが、美味しさには、それぞれはっきりとした違いがあります。
今回頂いたのは、食パン専門店「成り松」(以下「成り松」)の食パン。一部では「乃が美」より美味しい、という評判のお店。これは楽しみ!
というわけで、実食といきます。
食パン専門店「成り松」
店舗とか、袋とか
「乃が美」や「一本堂」は全国にお店を構えていますが、「成り松」は今のところ大阪にしかお店がありません。執筆時点(2019年)で5店舗。今回は、靭公園の入り口にある、その名も靭公園店にお邪魔しました。
キュートな看板が目印。
ですがキュート過ぎるのか、はじめて前を通ったときには、見つけることができませんでした。全体的に控えめな外観で、街に溶け込んでいます。好きなデザイン。
少しだけですが、パンの良い香りがお店の外に漂っています。
店内も、カウンターと食パンが並ぶ棚のみという、とってもシンプルな構成。一段暗めのアンバーな照明が、落ち着いた雰囲気を演出しています。
ちなみに「乃が美」の店内は、僕が行ったお店だけかもしれませんが、白を基調とした明るい印象のものでした。
先にお会計を済ませていたマダムにならって、紙袋に入れてもらいました。店員さんの気持ち良い接客に感謝です。
そういえば、「乃が美」の店員さんも愛想良かったなぁ。ひょっとして、パン屋さんあるある?
「乃が美」より美味しい!?
出ました!食パン。購入できるのは、1.5斤サイズ(600円)のみ。
「乃が美」や「一本堂」もそうでしたが、持つとズシリとした重みを感じます。
焼き色は「乃が美」や「一本堂」よりも濃く、角までむら無く焼き上がっています。
肌理(きめ)についても「乃が美」や「一本堂」のような細かさはありません。ボコボコしていて張りが無く、良く言えば「素朴な風合い」、悪く言えば「家で焼いたみたい」な印象を受けました。
けれども、包丁を入れると独特の感触が手に伝わってきます。
まず感じたのは「皮」の薄さです。1枚のデニッシュ生地のようなの薄い皮。何の抵抗も無く、包丁が入ります。
これだけ焼き色が付いているのですから、ある程度の厚みや固さを想像していましたが、良い意味で裏切られました。
逆に、表面の皮を過ぎると、すぐさま包丁の進みが遅くなります。生地の密度が高いのでしょう。切り終わるまで、適度な抵抗感が持続します。切りカスは、ほとんど発生しません。
コンマ数ミリだけ、かろうじて「皮」として存在する感じ。「乃が美」や「一本堂」では、もう少し厚みがありました。
まずは焼かずに食べます。
しっとりもっちりした生地は、どちらかといえば「乃が美」的な食感。けれども、裂いた生地が細く残るような粘りは無く、ふんわり具合も併存しています。
「乃が美」の食パンは耳まで柔らかいものでしたが、「成り松」のはコンマ数ミリ分、一瞬の噛み応えを感じる絶妙さにうならされます。
味についても「乃が美」と同一直線上で語るべきものだと思います。小麦の香りや旨味がしっかりと感じられ、ほんのりとし甘みが余韻を豊かにします。
ただし破壊力は「乃が美」の方が上。「成り松」のは、穏やかでさり気ない美味しさです。
けれども焼いた時の味は、「成り松」の方が上のように思います。
サクッフワッ感はもちろんのこと、耳の薄さが効いているのか、少し焦げ目が付いても美味しく食べられます。
甘みが強すぎないのも、トーストとしては軽さがあって丁度良いように感じました。
あとがき
あえて言えば「乃が美」はデザートのようなもの。甘みが強くて、別腹が満たされる感じ。
一方「成り松」は、主食としての範疇に収まります。毎日食べても飽きがこないのは「成り松」の方かな。いずれにしても毎日食べるには、お財布が持ちませんが。
お店の雰囲気が物語っている、そんな結果となりました。
食パン専門店「成り松」(靭公園店)
住所 | 〒550-0003 大阪市西区京町堀1-13-2 |
電話番号 | 06-6448-7789(電話での予約可) |
営業時間 | 11:30~14:30 / 15:00~18:00 |
定休日 | 火曜日 |
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