前回、キャンプ&釣りに最適なヘッドライトについての記事を書きました。
その結果、たどり着いたのがジェントスの「VA-01D」。必要十分なスペックにして、実売2,000円を切るコスパの高さが魅力です。
というわけで、今回はそのレビューです。
VA-01D|ジェントス
まずはスペックのおさらい。
防塵防水性能 | IP67 |
耐衝撃性能 | 1m落下耐久 |
使用可能時間 | 8時間(High)/ 19時間(Eco)/ 65時間(Warm) |
電源タイプ | 単4形アルカリ電池×2本、エネループ非推奨 |
本体構造 | 一体型 |
ヘッドバンド形状 | シングルバンド |
明るさ | 200ルーメン(Boostモード)/ 100ルーメン(Highモード) |
照射特性 | オーバルビーム(楕円形の照射面でワイドな照射が可能) |
照射距離 | 55m(Boostモード)/40m(Highモード) |
光の色 | メインは白色LED、暖色サブLEDに切替可 |
角度調整 | 90°可動式 |
重量 | 約80g(電池含む) |
実売価格 | 約2,000円 |
他のヘッドライトに比べて、どこがどう優れているのか。前記事とも重複する内容ですが、実使用を交えて書いていこうと思います。
防塵防水性能|砂漠OK、水洗い可
防塵性能が保護等級「6」というのは、粉塵が内部に侵入しないことを表します。「耐塵型」にあたり、最高レベルの性能になります。塵やホコリがつきもののキャンプ&釣りであっても、安心して使うことができます。
一方、防水性能の保護等級は、一定時間の浸水に耐えられる「7」をクリア。豪雨での使用も大丈夫ですし、流水で洗うこともできます。釣りの後はベタベタを綺麗にしておきたいので、この性能を備えていると非常に助かります。
こうした高い防塵防水性能を発揮するには、しっかりとした密閉構造が大前提。
そのため実機では、電池フタが非常に固く、密にセッティングされていて、開閉時にそこそこの力を必要とします。開けた時には「パカッ!」と、閉める時にも「パチッ!」と大きな音が鳴り響くので、寝静まった後の電池交換は、周囲への配慮を忘れずに行うことをおすすめします。
対象衝撃性能|1m落下耐久でも他メーカーには見当たらない
耐衝撃性能は「1mの落下に耐えられる」という平凡なもの。
と思いきや、ジェントス以外のヘッドライトには、そもそも耐衝撃性能に関する記載が一切ありません。ジェントス製品が希少な存在というわけです。アウトドアでは必須の性能だと考えていたので、それこそ軽い衝撃を受けました。
木の枝に吊るしてランタン代わりに使うことも想定しているので、2m落下耐久ぐらいあっても良いのに、と思うのですが贅沢は言えません。
実機で使用されているプラスチックは非常に硬いもの(ABS樹脂)で、確かに衝撃に強そうです。ヒンジ部分は簡素な構造ですが、シンプルな造りの方が良いのかもしれません。検証は壊れたときにでも。
使用可能時間
年に数回のキャンプと日常少し使う程度で、購入以来1度も電池交換をしたことがありません。
電源タイプ|軽量かつ無駄のない単4電池×2本使用
使用電池は単4電池。しかも2本というのが、このヘッドライトの素敵なところ。
単4電池を使うヘッドライトは数多くありますが、たいていは3本タイプ。一般的に、電池は偶数本セットで売られているので、3本だと中途半端に余ってしまいます。
しかも10g程度とはいえ重量は増えるわけですし、予備電池も携帯するなら、多少容量が減っても使用本数は少ない方が良いように思います。
ちなみに公式にはエネループ非推奨ですが、使用自体は可能です。
電池ボックス一体型、シングルバンド方式、軽量(約80g)
キャンプ&釣り程度のライトな使用では、コンパクトで取り回しの良い道具の方が、何かと重宝します。収納性、携行性、操作の簡便性など、スペックには表れにくいことですが、実使用上はかなり重要。場合によっては、明るさや照射距離といったスペックよりも優先順位は高くなります。
なので、本体と電池ボックスが分離式のタイプは、配線コードの断線トラブルの可能性も含め、真っ先に候補から除外。オーバーヘッドバンドも邪魔で必要無しと判断しました。
実機はヘッドバンドも含め、手の中にすっぽり収まるコンパクトサイズ。電池込みでも約80gと軽量なのは、単4電池2本という仕様が効いています。
明るさ|適度な100ルーメン、必要なら200ルーメンにアップ
キャンプサイトで過ごしたり、釣りの糸結び程度なら、Highモード(100ルーメン)は明るすぎるぐらい。Ecoモード(30ルーメン)、もしくは暖色LEDのWarmモード(5ルーメン)でも十分だと感じる場面は多いと思います。
とは言いながら、Boostモード(200ルーメン)があるとないとじゃ大違い。
例えば足場が悪く、不慣れな場所を移動するような時なんかでは、Highモードだと照射距離(約40m)が足りなく感じることがあります。周囲の状況を早めに把握できれば安心なので、もう少しだけ遠くまで照らしてくれる方がいいわけです。
Boostモードは連続10秒しか点灯しませんが、この”もう少し”を埋めるには十分な働きをみせてくれます。VA-01Dの価値を上げている機能の1つだと思います。
照射特性|見やすく、優しいオーバルビーム
楕円形に幅広く照らす「オーバルビーム」は、VA-01Dの最大の特長。
人間の目は左右に付いているので、横に広く認識するのが自然な状態。テレビや写真が横長を基本にしているのも、その理屈です。
そのせいなのか、楕円形の光は安心感があって、見やすいように思います。一般的なヘッドライトの光(円形)では、光を当てている感が強く出ますが、オーバルビームは光を優しく被せている感じがします。
スポット的な光を望むなら物足りなく感じるかもしれませんが、キャンプ&釣り用途では、ピンポイントな光は邪魔なことの方が多いので、オーバルビームは最適な照らし方だと思います。
ちなみに、Warmモードは普通の円形ビームです。
照射距離|最大55m、話半分でも20m以上は十分
55mという照射距離は、Boostモード時のもの。Highモードでは40m、Ecoモードでは2、3メートル先までしか照らせません。
先述の通り、悪条件下での移動では、Boostモードをスポット的に使うことで安心を得られます。一方、平時の歩行速度であれば、20m程度先まで照らせれば十分です。なので話半分に捉えても、VA-01Dの性能なら問題ありません。
光の色|暖色LEDは、やっぱりイイ!
暖色LEDは、やっぱり雰囲気が良いです。キャンプサイトでは、ガスランタンや焚き火と馴染んで自然な感じですし、人に向けても配慮を感じます。
もちろん釣りであっても同じことが言え、ラインを結ぶ時なんかだと、反射が抑えられて、いくらか作業がやりやすく思いました。
明るさ5ルーメン、照射距離15m(実際は2、3m程度)の微小な明かりですが、キャンプ&釣り用途だと活躍する場面は多いです。
角度調整|約90°まで6段階のクリック式
頭に付けた状態で、下向きに約90°まで、6段階で角度調整が可能。適度なクリック感があり、調整はスムーズながらも、しっかりと保持されます。
ただし調整の仕組みが台座と本体とのかみ合わせ、言ってしまえば摩擦に頼るものなので、すり減りによる不調が心配です。
価格|実売2,000円以下!という超絶コスパっぷり
これで実売価格が2,000円を大きく下回ります。最安のタイミングだと、1,500円台になった実績も。前回の記事中ランキングで紹介した他メーカーのヘッドライトだと、安くても3,000円以上するので、コスパ抜群と言わざるを得ません。
この値段なら、家族分として数台まとめて購入するのもアリ。電池も共用できるので、バックアップとしても良い選択だと思います。
あとがき
ヘッドバンドをめいっぱい長くすると30cmぐらいになります。首から吊り下げる「ネックライト」としても使用可。柔らかな素材で肌当たりも良く、軽いこともプラスして、かなり快適です。
VA-01Dは、看護師さんなど、夜間のお仕事をされている方にもおすすめなヘッドライトです。