X-Pro1(FUJIFILM)の魅力を語るシリーズ。
前回は、Xシリーズのバージョンアップが神対応レベル、ということについて書きました。
今回は、X-Pro1の画質がどこを目指して最適化されているのか、ということについて考えてみます。
X-Pro1の背面液晶モニターやEVFは、画質的にはあてにならない
X-Pro1の背面液晶モニター(以下、背面液晶)は、3.0型 RGB+W画素の123万ドットという、現在でもトップレベルのかなり高精細なものを搭載しています。
X30やRX100のLCDと比較
にもかかわらず、なぜかX30(3.0型 TFTカラー 約92万ドット)やRX100(3.0型 TFTカラー 約123万ドット)なんかと比べると、地味な印象を受けるんですよね。
EVFなんて、X30やX-T1の足元にも及びません。
写真は背面液晶の写りの違いを比較したものです。左がX-Pro1、右がX30です。
実際に見た印象は、X-Pro1の背面液晶が暗く、頼りない感じ。対してX30の方は、ハッキリ、クッキリしています。
お次はRX100(右)との比較。
やっぱりRX100の背面液晶の方が、鮮明に感じます。解像度が同じなので余計にそう思います。
X-Pro1の背面液晶とEVFはフレーミング専用
僕はX-Pro1の電子画面は「フレーミング専用」と割りきって使っています。ピンボケしているかどうかの確認なら問題ありません。
映し出される映像の質(色味、明るさ、精細さ)について、EVFと背面液晶の間に差があることもいただけません。
これらが原因で、リアルタイムに撮影の手応えを感じることは少ないです。
コンピュータに取り込むと、印象が変わる
けれども、家に帰ってコンピュータに取り込み、大きな画面で確認すると、「おっ!」となることが結構あります。
なだらかな階調の繋がりや美しいボケ、金属から布まで質感表現の幅の広さなど、新しい発見や感動をすることが多々あります。
一方、RX100なんかでは、これと逆のことが起こります。周辺部の歪みやピンズレなんかを発見したり、色の不自然さにがっかりさせられてしまいます。
ちなみにX30では、良くも悪くも「撮影時の印象のまんま」という感じですね。
プリントすると、さらに印象が変わる
このことは、プリントした写真にもあてはまります。
普通、ディスプレイよりもプリントの方が小さくなるわけで、細かな部分は潰れて見えたり、ベタッとした印象の仕上がりになることが多いものです。
けれども、X-Pro1で撮影したものは、プリントしても綺麗に見える。
色の出方や分離に優れていて、一本一本の線がしっかりと描き分けてくれている。なので、とっても精細な写真に仕上がってくるのです。
さすがにディスプレイで見るよりも高精細ということはないのですが、プリントというモノとしての魅力がプラスされ、違った味わいを感じることができます。
これは自宅プリントで感じることなので、お店プリントや富士フィルムのX-PRINTサービスなんかでプリントすると、もっと良い印象になるんでしょうね。
あとがき
X-Pro1の画質の良さって、撮影した瞬間を底辺として後工程にいくに従って、徐々に実感できるものだと思います。
E-M1を使っていたときがそうだったのですが、
- カメラ背面のLCDで確認
- PCディスプレイで確認
- プリント
の順番で、撮影時の感動が薄れていくように感じていました。
けれどもX-Pro1を使いだしてからは、
- まずはコンピュータに取り込んで確認するのが楽しみ
- その次に自信作をプリントするのが楽しみ
になりました。フィルム時代に感じていた「現像に出してからのプリントを待つワクワク感」が、X-Pro1には残っています。
店頭に置かれているデモ機は、一見で綺麗な印象を与えるよう、彩度や輝度が調整されていたりするものなので、話半分に評価しておくことをオススメします。
液晶モニターに写る画像と、実際の写真のクオリティとは無関係です。