ケーブルが全く無いイヤホン、いわゆる完全ワイヤレスイヤホンを買いました。TWS(True Wireless Stereo)と略されたりもしますね。
購入したのは、Jabra(ジャブラ)の『Elite 75t』。Amazon限定のブラックカラーモデルです。
イヤホン同士がケーブルで繋がった、”完全じゃない”ワイヤレスイヤホンとは快適さが段違い!
そのうえ期待以上に音質が良く、外で音楽を聴くのが楽しくなりました。
というわけで、以下レビューしたいと思います。
Jabra(ジャブラ)『Elite 75t』レビュー
パッケージとか、内容物とか
Jabraは、デンマークに本拠地を置く「GNオーディオ」という会社のヘッドセットのブランド。
GNオーディオとかJabraとか、あまり馴染みのない名前ですが、その昔には日本とユーラシア大陸を結ぶ通信ケーブルを敷設したり、今では業務用Bluetoothヘッドセットの世界シェアがNo.1だったりと、高い技術力を誇る質実剛健でマッチョな会社です。
Jabraの完全ワイヤレスイヤホン「Elite」シリーズには現在、85t、75t、65tの3ラインが展開されています。世にいうところの松竹梅。
75tと65tにはそれぞれ防水性能が強化された「Active」モデルがあるので、実際は5つの中から選択することになります。
僕が購入したのは、ミドル(竹)モデルの『Elite 75t』。
各モデルの性能差は、基本的に値段差と連動しています。けれどもここ最近のキャンペーンやセールで75tの値段が大幅に下がり、良い意味で性能とのバランスが釣り合わなくなりました。即購入!
内容物は以下の通り。
- イヤホン本体
- イヤージェル
- 充電ケース
- 充電ケーブル
一応、説明書はありますが、
- 充電ケースに入れて自動で電源OFF
- 充電ケースから取り出すと自動で電源ON
- Bluetoothにて、自動でスマホと接続
ぐらいのことが書かれているだけです。
詳しい操作方法については、専用アプリ『Jabra Sound+』を参照。
充電ケーブルの本体側端子はUSB-C。
付属のイヤージェルはS、M、Lの3サイズ。
写真の通り、デフォルトで装着されていたのはMサイズ。僕には少しゆるい感じだったので、Lサイズに変えました。それはそれで若干窮屈な感じがします。これの対策は後ほど。
イヤージェルが入っていたパッケージのシールはリタック仕様。何度も開け閉めできるのは、地味に嬉しい。
ちなみにイヤー”ジェル”と言っても、普通のシリコンラバー素材です。ねちゃねちゃすることはないのでご安心ください。
[Elite 75tの接続性]手に取る→聴く、がスマート過ぎ!
今どき当たり前のことなんでしょうけど、
- 充電ケースからイヤホンを取り出すと、自動で電源ON
- さらにスマホと自動で接続
というスマートすぎる仕組みは、やっぱりめちゃくちゃ快適。耳に装着するまでに繋がっている爆速っぷりに驚きです。
これまで使ってきた有線イヤホン(Apple純正イヤホン)やBluetoothイヤホン(TT-BH07S Boost)を例にとって、聴くまでの流れを整理してみました。
有線イヤホン (Apple純正イヤホン) |
Bluetoothイヤホン (TT-BH07S Boost) |
完全ワイヤレスイヤホン (Jabra Elite 75t) |
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完全ワイヤレスイヤホンは一連の流れの中で完結します。
逆に、Elite 75tを使ってみて、これまでのイヤホンが一手間多かったことに気付かされました。ちょっとした発明ですね。
[Elite 75tの操作性]軽快タッチのボタン式
操作のほとんどはイヤホン本体で行えます。
適度なクリック感があるボタン式は、押し込む時の耳への負担が心配でしたが、軽い力で反応するので問題ありません。
タッチ式の方がスマートでしょうけど、ボタン式には確実性と手袋をはめたまま操作できるといったメリットがあります。
Elite 75tの使い方
備忘録を兼ねて、イヤホン本体の使い方を一覧化しておきます。
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押す | HearThrough/ANC/Off | 再生/一時停止 |
2回押す | 1曲戻る | 音声アシスタント |
3回押す | 1曲進む | – |
長押し | 音量を下げる | 音量を上げる |
左イヤホン | 右イヤホン | |
1回押す | マイクのミュート/ミュート解除 | 通話への応答/通話を終了 |
2回押す | 側音ON/OFF | 着信の拒否/保留 |
長押し | 音量を下げる | 音量を上げる |
有線イヤホンやBluetoothイヤホンの場合、コード上に置かれた操作ボタンは、位置が少し不安定で戸惑うことがありました。
耳元で操作する完全ワイヤレスイヤホンなら、そうした戸惑いはありません。自分の耳は目をつぶってでも触ることができるので。
ちなみにボタン機能の割り振りは、専用アプリを使って自分好みにカスタマイズが可能です。
[Elite 75tの音質]パワフルな表現力の中に繊細さアリ
結論から言うと、僕には必要十分以上の音質。これ以上を求めるなら、ヘッドフォンや有線イヤホンを選択するべき、と思うクオリティです。
感じたことを羅列すると、
- 奥行き、立体感があって、音場の広がりを実感できる。
- 解像感が高く、今まで気づくことが無かった音を発見できる。
- 低音に寄せてはいるけど、高音〜中音に芯があって実は繊細。総合的なバランス良好。
- 透明感や艶感といった情緒性が若干物足りない、と感じる場面がある。
- 派手な演出がなく真面目な音作り。でもこれが結構、感動する。
完全ワイヤレスイヤホン聴き比べ
ケーブルが一切無いことは、音質面でマイナス要素にしかならないことは定説。サウンドユニットが同じなら、有線の音質を超えることはまずないわけで。
すでに使っているBluetoothイヤホン『TT-BH07S Boost』も然り。Apple純正イヤホン(有線)と聴き比べてみると、アラが目立つ部分があります。
完全ワイヤレスイヤホンの音質については懐疑的だったので、購入前には数種類のイヤホンを試聴しました。
上位モデルの『Elite 85t』は、75tの低音をならして、全体的に音の底上げがなされている印象。エイジング後の音質を期待したくなるようなポテンシャルの高さを感じました。
ゼンハイザーの最上位モデル『MOMENTUM True Wireless2』は、高音〜中音域の艶感があって上品な印象。ただ音を発するのではなく、きちんと音色を奏でています。
それはTechnicsの『EAH-AZ70W』にも言えることで、このレベルになると、価格を別にすれば、装着感やデザイン、その他機能で選択することになるんでしょうね。
で、これらは75tよりもはるかに高額なので、今回は候補から外れました。
最後まで迷ったのは、ゼンハイザーの『CX 400BT』。セールで75tと同じ価格帯。音質的には上位モデルのMOMENTUM True Wireless2と同傾向でレベルが高い。
でもちょっとサイズが大きいのと、店員さんの話によれば接続性に若干の難があるそうで。通話機能も必須ならJabraの方が良いとのことでした。
こう書くと、75tの音質に対して妥協があったみたいですがそうじゃなく、この少し低音寄りのパワフルな表現力に魅力を感じたというのが本音。つまり”好みの音”ということです。
[Elite 75tの装着性]フィット感抜群の形状。イヤージェル変更でさらに
Elite 75tはカナル型イヤホン。耳栓のように挿入するため、快適なリスニングにとってはフィット感が重要。こちらも結論から言うと、めちゃくちゃ良い!です。
イヤホン本体の形状がよく考えられてるんでしょうね。耳に挿入して、止まるところ(フィットするところ)までクルッと回すだけで、安定したポジションを確立できます。
収まりが自然で違和感が少ない。頭を振っても落ちる気配は一切ありません。
ただしイヤージェルのサイズについては、一考の余地あり。
先述の通り、僕はLサイズのイヤージェルを使っているのですが、若干窮屈で圧迫感があります。かといって、Mサイズにすると少しゆるい。
カナル型イヤホンの場合、しっかり密閉しないと本来のサウンドが発揮されません。特に低音が著しく低下し、スカスカになってしまいます。
なので、”ゆるめ”よりも”きつめ”を選ぶわけですが、付属のイヤージェルでは最高の状態が作れません。あくまでも僕の耳の話ですが。
そこでSpinftの『CP360』に変えてみたところ大ハマリ!
サイズ的には付属イヤージェルのLサイズと変わりませんが、形状と素材の違いで、圧迫感が大幅に軽減されました。
音質についても解像感が増して、一皮むけたようにクリアに。低音を中心に引き締まった印象で、臨場感がアップ。良いことずくめ!
[Elite 75tの専用アプリ]イコライザのカスタムが楽しい
専用アプリ『Jabra Sound+』は巷の評判通り秀逸。
インターフェースがシンプルで操作しやすく、デザインもお洒落。細かなカスタマイズも可能で、欲しい機能は過不足無く揃っています。
特にイコライザの使い勝手が良く、曲や気分に合わせて、気軽にちょこちょこカスタムするのが楽しい。曲ごとにメモリーしてくれる機能があるとと最高なんですけどね。
HearThrough(ヒアスルー)とANC(アクティブノイズキャンセリング)
カナル型イヤホンは、いわば耳栓と同じなので、使用中は周囲の音が聞こえづらくなります。はめたままだと電車のアナウンスが分からなかったり、店員さんとのやり取りができないなど、不便な場面が多々発生します。
そこで活躍するのが「HearThrough(ヒアスルー)」機能。ONにすれば、周囲の音を取り込んでくれるので、いちいちイヤホンを外す必要がありません。
Elite 75tはその効果が高く、自然な感じなので、常時ONな勢いで多用しています。
一方、周囲の音を消す「ANC(アクティブノイズキャンセリング)」機能ですが、Elite 75tの場合は後からソフト的に追加された機能ということで、効果は弱め。機能しているのは分かるけど、まだ恩恵に預かった場面がない、といった感じ。
これ!という発見があったら追記します。
あとがき
完全ワイヤレスイヤホンは機種が多く、もはやどれを選べば良いのか分からない状態。
音質やフィット感などは実際に試聴してみなければ判断がつかないし、相性や好みが強く影響する部分でもあるので、機種選びはめちゃくちゃ難しい。
Elite 75tは性能と価格のバランスが高次元でまとまっているので、初めて完全ワイヤレスを使う人には最適な選択肢のひとつだと思います。
[追記]充電ケース用のシリコンカバーを買いました。これで傷や落下を防げます。