セレナC25からの乗り換えで、ハイエース(トヨタ)とキャラバン(日産)の購入を検討しています。
前回は主にカタログスペックを元に比較しましたが、やっぱり実際に乗ってみなければ納得して購入することはできません。
というわけで、以下のモデルを試乗してみました。
- ハイエース:スーパーGL(2.0Lガソリン)
- キャラバン:グランドプレミアムGX(2.0ガソリン)
- キャラバン:グランドプレミアムGX(2.4ディーゼル)
残念ながら、ハイエースの「ダークプライム2」およびディーゼル車への試乗は叶いませんでしたが、だいたいの感じは掴めたかなと思います。
とりわけ、ガソリンとディーゼルのエンジン比較ができたのが大きな収穫でした。
ガソリンか、それともディーゼルか
ハイエースやキャラバンを検討する場合、最も悩ましいのがエンジンの選択だと思います。
ガソリン車は本体価格が安いけど燃費は悪い、ディーゼル車はパワフルで耐久性が高いけど走行中の音がうるさい等、どっちを選んでもメリットとデメリットはあります。
一般的に言われている両者のメリット・デメリットは以下の通りです。
ガソリン | エンジン | |
---|---|---|
走行性能 | 速度が安定するまでモッサリ | 低回転からパワフル |
騒音 | 静か | うるさい |
燃料 | ガソリン | 軽油 |
車両本体価格 | 安い | 高い |
燃費 | 高い | 安い |
燃料代 | 高い | 安い |
メンテナンス費 | 安い | 高い |
税金 | 優遇なし | エコカー減税の優遇あり |
走行性能の比較【試乗】
まずは走行性能について。
ガソリン車に比べて、ディーゼル車は低回転時からパワフルな走りをします。
- 重い荷物を載せた時
- 停車状態からの発進
- 坂道を登る時
- 高速道路での追い越す時
なんかで威力を発揮します。
一方、ガソリン車は高速走行時に速度が安定するという特徴を持ちます。高回転を得意とするため、スピードを出すことができます。
試乗した感想
実際に乗ってみたところ、ディーゼル車の力強さに魅了されてしまいました。
まず言えるのは、走り出しの余裕感が全く別次元のものであるということ。
ディーゼル車の場合、ほんの少しアクセルを踏んだだけで軽々と発進します。車体重要約2トンの車とは思えないほどの余裕ある走り出しにワクワク感が高まります。
平地坂道は関係ありません。常に1,500回転を少し下回るぐらいの低回転数をキープしながら、80〜100km/sの走行はラクラクこなします。
またアクセルの踏み込み量に対して期待通りの速度が出るため、レスポンス良く感じるところもストレスが溜まりません。
それに比べると、ガソリン車の走り出しはモッサリ感が否めません。これはハイエースも同じ。
まずアクセルを踏んでも、なかなか速度に反映されませんしね。ぐっとアクセルを踏み込み回転数を上げて、ようやく「よっこらしょっ」ってな感じで走り出します。
速度が安定するまでは「ぅぅぅぅうぉん、ぅぅぅぅううぉん」と苦しそうで、ストップ&ゴーを繰り返す度に「あぁ重たい車を走らせているんだな」ということを実感します。
ある程度スピードに乗れば、どちらも同じように走ってくれますが、この立ち上がりの反応の差を許容できるかどうかは大きな分かれ目になると思います。
騒音&振動
車内の騒音について、一般的にはディーゼル車の方がうるさく、ガソリン車の方が静かだと言われています。
最近のクリーンディーゼル車では改良が進み、ずいぶんと騒音&振動は抑えられているようですが、仕組み上、ガソリン車より静かになることはないようです。
試乗した感想
ですが、実際に両車を試乗した印象では、実用上「大差無し」に感じました。
走行中にディーゼル車特有のゴロゴロ音は感じるものの、気になるレベルではありません。会話に支障をきたすほどでは無く、十分乗用に耐えることができます。むしろガソリン車の高回転時の唸りの方が騒々しく思います。
我が家の軽自動車(N-ONE)も含め、騒音レベルの大きな順に並べると以下の通り。
N-ONE >>> キャラバン(ディーゼル)≧ キャラバン(ガソリン) >> セレナC25
常に回転数が高く、ボディが薄いN-ONEが最も騒々しく、キャラバンのディーゼル車と比べても明らかに差を感じます。
キャラバンのディーゼル車とガソリン車で、はっきりと差を感じるのはアイドリングの時ぐらいですね。それほどまでにキャラバンの新型ディーゼルエンジンは静粛性が高い。
シートの品質が向上したことで、お尻の下から伝わるエンジンの振動を抑えられていることも、大きく影響しているんでしょうね。ガソリン車であるにも関わらず、ハイエースの方が振動を強く感じたので。
乗り心地
乗り心地については、やはりバンなので、基本的にはフワフワした感じはあります。ハイエースとキャラバンで大差はありません。
ですがキャラバンのガソリン車とディーゼル車を比べた場合、ディーゼル車の方がフワつきは抑えられているような印象を持ちました。
その要因は、おそらくディーゼル車の方が車体重量が重い(約180kg差)ためかと思われます。
荷物を積んでの走行を前提に設計された車種なので、空荷よりも重さが増し状態の方が安定するんでしょうね。
費用
ハイエースもキャラバンも、車両本体価格はディーゼル車の方が60万円以上高く設定されています。
これを燃費差(約30%)とガソリンと軽油の価格差(約20円/L)で回収しようとすると、走行距離10万kmで回収というのが、ざっくりとした目安になるそうです。
しかしながらディーゼル車の場合、オイル交換(約8,000円)の回数が増えることや、アドブルー(尿素)の補充が必要(約2,000円)なことも含めて考えると、回収までにかかる走行距離数(年数)はもう少しのびそうです。
エコカー減税の制度が有効なうちは、自動車重量税や環境性能割といった税金の優遇が受けられるので、費用差は若干縮まります。
その他
その他、ディーゼル車は短い距離を繰り返し走ると煤がたまって、最悪の場合エンジンが壊れる、といったことを耳にします。
いわゆる「ちょい乗り」的な使い方が良くないみたいで、週に1回ぐらい20分(10km〜20km)以上の走行機会があれば問題無いようです。
まとめ
そんなこんなをひっくるめても、走りの歴然たる差から、僕はディーゼル車を選択します。ガソリン車を購入して後悔することはあっても、ディーゼル車を選んで後悔することは無さそう。
一見重く感じるコスト差も、それだけの価値があると、特にキャラバンのディーゼル車には感じました。
というわけで、納車後にまた色々レポートしたいと思います。