3回目となる今回で「子育て家庭〜」シリーズは一旦おしまい。
最後にご紹介したいカメラは、リコーの「GR」。
残念ながら僕が持っているのは初代のGR。まだGRの後ろにDigitalがくっついていました。
なのでここで書かせていただく話は、妄想というか、これまでの経験から想像するものですのでご了承ください。
イメージセンサーが大きい=高感度特性に優れている
前回までの2機種と大きく違う点は、イメージセンサーがAPS-Cフォーマットという大きいセンサーを搭載しているところです。
被写界深度のことを考えると「センサーは小さい方が良い」というのが、これまでの主張でした。
けれども高感度という点では「センサーサイズは大きい方が有利」なわけで、室内など光量に乏しい環境で撮影することが多い人は、こういったカメラの方が適しています。
なぜならレンズを絞って撮影しても、画質が破綻するまでに数段分余裕が生まれ、より広い被写界深度を稼ぐことができるからです。
同じ状況下で小さいセンサーのカメラを使う場合、常に絞りは開放付近で撮影することになり、表現の幅は狭まります。
レンズが秀逸!!
GRというブランドはフィルムカメラ時代に生まれました。
なにを隠そう、その時代、僕は「GR1s」という機種を愛用していました。
そのカメラで撮った写真は色彩はこってり、線は細いが芯が強いという印象の描写でした。何でもないスナップでも、ハッとする写真が多かったように記憶しています。
その写りを支え、ブランドにまで成長した最大の要因は搭載しているレンズのクオリティが高かったこことにあります。写りの素晴らしさが評価され、レンズだけあのライカに移植されたほどですから。
そのGRレンズをデジタル時代に復刻してきたので、いち早く持っていたニコンF80sを売り払い、デジタルの世界に飛び込んでいった思い出の機種でもあります。
少々懐古的な物書きになりましたが、作例を色々と見ていてもGRレンズのクオリティは健在のようですね。
PHOTOYODOBASHI RICOH GR SHOOTINGREPORT
クロップドモードで画角28mm←→35mm変更可
発売当時、うらやましく思ったのが「クロップドモード」という機能です。
GRの焦点距離は28mmの単焦点です。それをモードを切り替えることであたかも35mmレンズのように使えるようにしたのがこの機能です。
いわゆるトリミングなので、画像サイズは小さくなります。ですがL判サイズ程度なら全く問題は感じません。そんなことよりも、高性能な「単焦点GRレンズ」2本を持ち歩いているような、この感じがたまりません。
それならズームレンズでいいんじゃないの?
という声も聞こえてきそうですが、ズームは大抵の場合、対処法的に使うことのほうが多いです。
撮影態勢に入ってからズーミングするのは、意識的に画角を切り替えるこの機能に比べて、段違いに撮影のテンポが劣ります。
「画角は能動的であることが重要!!」
くり返しになりますが、同じ点でX30も優れていると言えますね。
しかも個人的に子供を撮影するときは、それほど長焦点って使いません。28mm、35mm、50mmであることがほとんどです。
なぜなら手を伸ばせば触れることのできる距離で撮影していることが多いから。
まだまだ危なっかしくて目も手も離せません。
無骨コンパクト
フィルム時代のGR1発売から20年来、GRシリーズはずっとコンパクトでありつづけけてきました。
デジタル時代に入ってから、カメラの設計は大きく変化してしまいました。なかでもレンズ性能に求められるレベルが格段に上がったため、各社非常に苦労を重ねてきた歴史があります。
デジタル時代に画質を担保したレンズを作ろうとすると、どうしても大きく重くなってしまいます。常識的なボディサイズでカメラシステムを設計すると、イメージセンサーはフィルムに比べて小さくなってしまうのです。
それをGRは打ち破りつつあります。
外形寸法をほとんど変えずに、徐々にイメージセンサーのサイズを大きくしていき、先述のとおり現行機種ではAPS-Cサイズを搭載するに至りました。
”コンパクト”というユーザーが実際に触れる部分をキープコンセプトしているのは、真に使い手目線で作られているカメラだなぁ、とひしひしと感じます。
まとめ
次期モデルで万一ファインダーが搭載されるようなことになれば、ノドから手がはみ出てきてしまうでしょうね。手ぶれ補正が付いていないので、ブレに対してはやや技術が必要になります。
レンズバリアも搭載していて、F値も2.8と明るいし、隙あれば眺めているカメラです。