「ふるさと納税」の返礼品としてもらえる特典には、アウトドアで活躍するアイテムがいくつか用意されている。巷で人気の高級肉やお米ほど数は多くないが、探せば「おっ」と思わず目を止めてしまうようなものがちらほら見受けられる。
我が家のキャンプライフも3シーズン目を迎え、ある程度のアイテムは揃いつつある。けれどもキャンプをする場所や季節が違えば、あれもあったらいいのにと思うようなものが、反省という名のもとに少しづつ増殖している。
欲を出せばキリがないことは十分わかっているつもりだ。だが、ふるさと納税の特典としてなら、その欲に対する縛りもいくらか和らぐのではないだろうか。
というわけで、今回はかなり個人的な事情をもとに、返礼品をピックアップしてみました。
石川県羽咋(はくい)市|montbell(モンベル)のシュラフ
[寄付10万円]ダウンハガー800 #3
生地 | 表地:10dnバリスティックエアライト |
サイズ | 使用時:身長183cmまで 収納時:Φ14×28cm |
総重量 | 約600g |
温度 | 快適温度:-3℃ 限界温度:−2℃ |
実勢価格 | 約27,000円 |
うちにはまだシュラフがない。寝具として使っているのは、古びた毛布とタオルケットだ。
7月から9月上旬までの夏キャンプでは、なんとかこの装備でやってこれた。
けれども5月に行ってきた養老キャンプでは、寝泊まりはバンガローだったにもかかわらず、寒さに耐えられずに何度も目を覚ましたのである。あれ以来、シュラフは購入対象アイテムとして検討をしている最中なのだ。
このダウンハガー800 #3も候補のひとつにあげている。
快適温度が-3℃というのは、僕には十分すぎるスペックだし、見るからに気持ち良く寝られそうなモコモコ感がたまらない。伸縮率が135%というストレッチシステム(素材と構造)だそうで、マミー型の短所である窮屈感は軽減されているようだ。
滋賀県米原(まいばら)市|NANGA(ナンガ)のシュラフ
[寄付10万円]AURORA 350 LIMITED EDITION “Milky Way”
生地 | 表地:アクリルコーティング撥水ナイロン 裏地:オーロラテックス |
内部構造 | シングルキルト構造 |
ダウン量 | 350g |
サイズ | 使用時:最大長210cm×最大幅80cm(身長175cmまで) 収納時:Φ15×25cm |
総重量 | 約885g |
温度 | 快適温度:5℃ 下限温度:0℃ 限界温度:−16℃ |
実勢価格 | 約30,000円 |
ふるさと納税という性格上、特典の多くは、その町に本社や工場を置く企業の製品が提供されている。ほとんどが一般市場に向けて小売販売されているものだが、なかには自治体と協働して作られた”オリジナル製品”もある。
この”Milky Way”というシュラフも、そのうちのひとつだ。
企画は米原市商工会。市の受託事業として、『orite(オリテ)米原市特選品市場』というネットショップを運営されている。今回、オリジナルシュラフの製作に至った経緯なども詳しく掲載されているので、良ければそれぞれのWEBサイトを確認してほしい。
スペック表を見た感じでは、このMilky Wayは入門〜中級者用シュラフといったところだろう。残念ながらダウンの保温力を表すフィルパワーが明らかにされていないが、0℃までは一般使用想定内いうことなので、秋キャンプまでなら問題ないように思う。
[寄付30万円]AURORA light 600SPDX
生地 | 表地:20dnオーロラテックス 裏地:20dnナイロンタフタ |
内部構造 | 台形ボックスキルト構造 |
ダウン量 | 600g |
サイズ | 使用時:最大長210cm×最大幅80cm(身長178cmまで) 収納時:Φ17×31cm |
総重量 | 約1,050g |
温度 | 快適温度:-18℃ 限界温度:−33℃ |
実勢価格 | 約85,000円 |
NANGAとは、滋賀県米原市に本社を構える創業74年の国産「羽毛商品」のメーカーである。公式サイトのURLに”schlaf(シュラフ)”という表記を含めるほど、シュラフメーカーとしての実力が高い。
なかでもこのAURORA light 600SPDXは、かなりのハイスペックモデルだ。
快適温度が−18℃、限界温度が−33℃なんて、ファミリーキャンプで使うような代物ではない。今のところうちには必要ないが、カラーリングが気に入ったことと、NANGAのモノづくりを知っていただきたかったので紹介した。
長野県塩尻(しおじり)市|EPSON(エプソン)の登山用ウォッチ
Wristable GPS
型番 | MZ-500B |
搭載センサー | GPS、地磁気、加速度、温度、気圧 |
防水機能 | 10気圧防水 |
重量 | 65g |
動作時間 | 時計モード:30日間 高精度モード:46時間 長時間モード:110時間 |
動作温度 | -20℃ ~ +60℃ |
その他 | ・ナビゲーション機能 ・ランニングでの使用可 |
実勢価格 | 約47,000円 |
GPS、地磁気、加速度、温度、気圧の5つのセンサーが搭載されている。10気圧防水なので、普段使いはもちろん、小雨にあってもへっちゃらだ。
だからどうした?
普段、腕時計を身につける習慣は、僕にはない。登山もランニングもしない。ファミリーキャンプでも、必要となる場面はおそらくないだろう。
けれども心のどこかで欲している自分がいる。各計測データを見て、ほほぅと納得する自分を想像する。絶対に不必要なものだと、わかっちゃいるんだけど。
ちなみに長野県にはEPSONの本社(諏訪市)があります。
長野県辰野(たつの)町|OLYMPUS(オリンパス)のタフネスカメラ
STYLUS TG-870 TOUGH
型番 | STYLUS TG-870 Tough |
有効画素数 | 1600万画素 |
撮像素子 | 1/2.3型 CMOSセンサー |
焦点距離 | 21~105mm(35mm判換算) |
開放F値 | W3.5~T5.7 |
ズーム倍率 | 光学ズーム;5倍 デジタルズーム:4倍 超解像ズーム:10倍 |
撮影範囲 | 通常:W0.1m~∞、T0.1m~∞ スーパーマクロ:0.01m~0.1m |
液晶モニター | 3.0型TFTカラー液晶/可動式/約92万ドット |
手ぶれ補正 | レンズシフト式手ぶれ補正機構 |
シャッタースピード | 1/2~1/2000秒(夜景モード:最長4秒まで) |
タフ性能 | 防水:JIS/IEC保護等級8級(IPX8)相当 防塵:JIS/IEC保護等級6級(IP6X)相当 |
重さ | 221g |
実勢価格 | 約35,000円 |
防塵防滴&耐衝撃機能のついた、いわゆるタフネスカメラは常々購入を検討しているカメラである。アウトドアシーンに限らず、子どもが使うカメラとして最適だと思うのだ。
この手のカメラには”タフネス”さ以外に、
- 高いマクロ撮影機能
- 可動式液晶
を必須だと考えている。昆虫や草木の観察に便利だからだ。
その点このTG−870は、両機能とも備えているので大変魅力的なカメラなのだが、欲を言えば、F値がもう1段明るければと思わないでもない。
宮城県柴田(しばた)町|RICOH(リコー)のタフネスカメラ
WG-40
型番 | WG-40 |
有効画素数 | 1600万画素 |
撮像素子 | 1/2.3型 CMOSセンサー |
焦点距離 | 28~140mm(35mm判換算) |
開放F値 | W3.5~T5.5 |
ズーム倍率 | 光学ズーム;5倍 デジタルズーム:7.2倍 |
撮影範囲 | 通常:W0.5m~∞、T0.1m~∞ マクロ:0.1〜0.6m(ズーム全域) 1cmマクロ:0.01m~0.3m |
液晶モニター | 2.7型ワイド/約23万ドット |
手ぶれ補正 | 電子式手ぶれ補正機構 |
シャッタースピード | 1/4~1/4000秒(夜景モード:最長4秒まで) |
タフ性能 | 防水:JIS保護等級8級(IPX8)相当 防塵:JIS保護等級6級(IP6X)相当 |
重さ | 192g |
実勢価格 | 約30,000円 |
このWG-40というカメラ、先ほどのTG-870とスペックだけを比べると、見劣りしてしまう部部分が多いのだが、ひとつだけ代えがたい機能がある。
それが「デジタル顕微鏡モード」だ。
レンズの円周上に6灯のLEDを配置。被写体を明るく照らし出すのでカメラの影を気にせず、顕微鏡で見るような世界を手軽に写せます。動画にも対応。(RICOH公式サイトより)
マクロ撮影用のスタンドも付属している。
この機能があるばかりに、WG-40が購入候補になるのだ。
長野県駒ヶ根(こまがね)市|Vixen(ビクセン)の双眼鏡
アトレックⅡ HR 8×25WP
倍率 | 8倍 |
対物レンズ有効径 | 25mm |
実視界 | 7.0° |
見掛視界 | 56.0° |
1000m先視界 | 122m |
ひとみ径 | 3.1mm |
明るさ | 9.6 |
アイレリーフ | 18.0mm |
至近距離 | 約1.0m |
眼幅 | 約57~75mm |
サイズ(高さ×幅×厚さ) | 11.0×11.8×3.7cm |
重さ | 360g |
実勢価格 | 約15,000円 |
双眼鏡もいつかは手に入れたいと思っているアイテムだ。
僕は視力が低いので、よく見えることへの憧れが強い。双眼鏡があれば、昆虫、野鳥、星空など、人並みにフィールドワークを楽しめるのではと期待してしまう。
ずらりとスペックを並べてみたが、正直、まだまだ勉強不足で、このアトレックⅡという双眼鏡が良いものかどうか分からない。他に優先して揃えるアイテムがあるので、値段を考えても、今すぐに購入するものではないのは確かだ。
あとがき
返礼品を調べることは、地域を知るきっかけにもなるので、なかなかおもしろい。次のキャンプはこの町にしよう、なんて考えながら同時に情報収集をしている。「ふるさと納税」と「アウトドア」って、相性が良いのだ。
今回は、きわめて個人的な欲求をもとに返礼品をピックアップしたのだが、おそらく様々なニーズを満たすアイテムが用意されていることだと思う。
返礼品はもちろん、地域の取り組みや寄付金の使い途などもふるさとチョイスで調べることができるので、ご参考に。
高額な返礼品競争や高所得者が優遇されるなど、ふるさと納税のシステム自体は、今後いろいろな部分を見直していかなければならないだろう。けれども制度自体は素晴らしいものなので、廃止なんてことがないよう節度ある使い方をしていければと思う。