キャンプにおける「衣・食・住」のうち、「住」にあたるテント(周辺アイテム含)を購入したら、次に揃えておきたいのは「食」にまつわるアイテムです。
今回はどんな料理も美味しくなる、キャンパー魅惑の調理器具「ダッチオーブン」のお話です。
ダッチオーブンの魅力
人生2回目のキャンプで、ダッチオーブンの魅力に取り憑かれてしまいました。
焼きたてのふんわりパンが食べられる
一緒に行った友人が持ってきてくれ、その時は朝食にパンを焼いたのですが、絶品!
中がふんわりとしながらも粘りがあり、CMで見る、あの糸を引いて割くパンです。
特別な材料や製法は一切必要ありません。我が家が毎朝食べている、ホームベーカリーで焼く食パンと同じものを使っています。焼き方が違うだけでここまで美味しくなるのか、とびっくりさせられた一品でした。
色んな調理が可能
それ以来、ダッチオーブンが欲しくて欲しくてたまらなくなり、今シーズンに入って真っ先に購入しました。
購入してから3ヶ月。3回のキャンプで色々な料理に挑戦しました。
まずは手始めにハムエッグを焼きました。
お次はタンシチュー。写真は牛タンを焼いているところ。蓄熱を利用して、タンがホロホロになりました。
王道のローストチキン。鳥が丸ごと入ります。野菜も甘みが引き出され、ホクホクです。
どれもこれもそんなに手の込んだことはしてないのに、思い出に残る味に仕上がります。まさに魔法の道具です。
ダッチオーブンの選び方
ダッチオーブンを購入するにあたって、検討すべきことは「サイズ」と「材質」の2点。とてもシンプルです。
サイズ
サイズは12インチ、10インチ、8インチ、6インチの4種類が一般的。
12インチは大きすぎる?
サイズを検討するときに考えなければならないのが、
- キャンプに行く人数
- 料理の内容
と一般的には言われています。
ですが僕は断言します。
「ダッチオーブンは、”大”こそ正義!」
ユニフレームのダッチオーブン、「スーパーディープ 12インチ」は、底面の内寸が23cmです。
これって普段使っているフライパンと同じか、小さいぐらいじゃないですか?
ちなみに我が家のフライパンは28cmと20cm。
家族4人分のハムエッグを焼くのに、もっぱら28cmの方を使います。20cmならギチギチかな。そう考えると、12インチでも決して大きすぎることはありません。
ローストチキンをするのに鶏や野菜を丸ごと入れようと思えば、これぐらいの大きさと深さ(内寸13cm)がなけりゃ、蓋にくっついて焦げついてしまいます。
12インチは重すぎる?
ええ重いです。蓋と合わせて9kg近くあります。
けれども先述のとおり、ダッチオーブンは1つあれば、
- 煮る
- 焼く
- 蒸す
- 揚げる
- 炒める
など、様々な調理が可能。
ということは、鍋と蒸し器とフライパンを、個別に用意し、持っていく必要はありません。ダッチオーブン1つで完結します。数個の調理器具を合わせた重さと、さほど変わらないんじゃないでしょうか(ちょっと苦しいかな)。
大は小を兼ねる
大きいサイズであれば、複数の家族でおこなう大人数キャンプや、家族のみ、夫婦のみの少人数キャンプなど、あらゆる人数に対応できます。
小さなサイズだと、何度も何度も調理をしなければなりませんし、準備に時間が追われ、せっかくのキャンプが楽しめません。キャンプをしても朝の5分は重要なんです。もたもたしていると、チェックアウトの時間が迫ってきてしまいます。
また小さければ、ローストチキン然り、料理の幅が狭まってしまうのもデメリットですね。
というわけで、ダッチオーブンは予算の許す限り、大きなサイズを選択するほうを強くオススメします。
材質
鋳鉄、黒皮鉄板、ステンレスの比較
ダッチオーブンの材質は、鋳鉄、黒皮鉄板、ステンレスの3種類。それぞれ一長一短。比較しやすいよう、表にまとめてみます(優位箇所は強調表示にしています)。
鋳鉄 | 黒皮鉄板 | ステンレス | ||
値段 | 安い〜普通 | 高い | とても高い | |
メンテナンス | 面倒くさい | やや面倒くさい | 簡単 | |
耐久性 | 錆の発生 | 発生しやすい | まあまあ発生しやすい | 発生しにくい |
耐衝撃 | 弱い | 強い | 強い | |
見た目 | これぞダッチオーブン。 マットな質感がカッコいい。 使い込んでいくうちに味がでる。 |
鋳鉄製に比べて、ソリッドな印象。 使い込んでいくにつれ、黒色に深みがうまれ味となる。 |
唯一のシルバー色で好みが分かれるところ。 使い込んでも変化があまりないのは、長所でもあり短所でもある?? |
|
主なメーカー |
・ロッジ |
・ユニフレーム | ・ソト |
扱いやすさと値段のバランス
ダッチオーブンは、「扱いやすさ」と「値段」が綺麗に比例します。扱いやすいものは高価、メンテナンスに手間がかかるものや取扱いがデリケートなものは価格が安い。
だからといって「ステンレス製が一番良い」とは思いません。メンテナンスや取扱いが不便なことも、キャンプの醍醐味だと考えるからです。
普段味わえない体験をするところにキャンプの楽しさがあります。不便を攻略するのがおもしろい。初心者であればあるほど、不便を楽しみましょう!
スーパーディープ 12インチ(ユニフレーム)は、初心者キャンパーにこそおすすめ!
ただしあまりに面倒くさいのも、初心者キャンパーの心が折れる原因になってしまうので、そこはバランスを見極めなければなりません。
というわけで、我が家が購入したのは、このダッチオーブン。
大きさ、扱いやすさは非常に良し。重さは、ギリギリ許容範囲かな。搬入時に、時々ですがヘコタレます。
メンテナンスについて
家庭用洗剤を使ったり、たわしでゴシゴシ洗うことも可能(鋳鉄製ではNG)。なので綺麗な状態を保ちやすいです。
洗い終わったら、もう一度火にかけ、水分を飛ばし完全に乾かします。
その後、油(オリーブオイルが臭いが少なくておススメ)をキッチンペーパーに染み込まて、薄く塗って完了。
メンテナンスと言ってもこれだけです。
食事後、焚き火の炎に揺られながらお酒を飲み、良い気分で作業をしていると、面倒くさいなんて感じにはなりません。
逆に、エイジングが進んでいくダッチオーブンがとても愛おしい存在に思えてきますよ。
あとがき
パンを焼いたり、鶏を丸ごと焼いたりするのに大活躍。やっぱりこの大きさにして良かった!
黒皮鉄板製は、扱いが普通のフライパンと変わりないので、普段の調理に何の迷いもなく使えます。IHでも使えますしね。