うどん県こと香川県に来たからには、”うどん”を食べずに帰るなんてあり得ません。
香川県にいる間、朝昼晩の食事は”うどん”のみ!と計画していましたが、実際はそういうわけにもいかず。結局、訪問できたのは2件のみでした。
ひとつは、善通寺市にある、ぶっかけうどんの元祖として有名な「本手打 山下うどん」。もうひとつは、観音寺市の「手打ちうどん つるや」。
食べ比べ可能な最小限の店舗数ですが、おかげではっきりと味に違いが感じられました。
本手打 山下うどん(善通寺市)
「讃岐うどん がもう(坂出市)」や「山越うどん(綾川町)」、「須崎食料品店(三豊市)」など、訪れたいお店はたくさんあったのですが、営業時間やルートの都合で、初日はここに決めました。
到着したのは昼12時。50台ほど収容可能な駐車場は満車で、まずは路肩に並んで約20分の駐車待ち。その後、店先の行列に並ぶこと約30分。店内に入っても、注文の列に5分ほど並びました。時間の割には、さくさく進む印象。子供たちもグズりませんでした。
注文はセルフ形式。お盆にお茶(または水)をセットし、「注文口」でうどんを頼みます。「受取口」に進む間に天ぷらや揚げ物などを小皿に乗せ、「お会計」で料金を支払います。
大きく分けて「冷たいぶっかけ」と「熱いぶっかけ」がありますが、それは麺の温度を意味します。「冷たいぶっかけ」では、出汁の冷・温を選択することができたり、「熱いぶっかけ」のことを「湯ぬき」と呼んでいたり。初めて来た僕たちには、メニュー表がちょっと分かりづらい。。
整理すると、こんな感じですね。
麺の温度 | 出汁の温度 | 注文方法 | |
冷たいぶっかけ | 冷たい | 冷 or 温 | 「ひや・ひや(あつ)・小(大)」 |
熱いぶっかけ | 熱い | 温 | 「湯ぬき・小(大)」 |
ちなみに「湯ぬき」とは、茹でた麺を水で締めずに、そのままぶっかけの出汁をかけたもの。いわば出汁に浸かった「釜揚げうどん」です。
麺のコシは「ぶっかけ」の方が強く感じられますが、モチモチ感や出汁の風味を味わうなら「湯ぬき」の方が適しています。
これが「湯ぬき・小」。たまごはトッピング。ネギや天かすは自分で入れました。
麺は太め。「湯ぬき」といっても十分なコシが感じられます。いりこの風味が香る温かい出汁が、優しい味で美味い!
一方、こちらは「冷たいぶっかけ・温かい出汁・大」。
確かにこちらの方が、麺のコシが強い。けれど噂に聞いていた「アゴが疲れるほどのコシ」というのは、ちょっと大げさに思いました。これぐらいは普通です。
それよりも”大”のボリュームが予想外。揚げ物などサブメニューも注文するなら、大食いじゃない限り、”小”で十分かと。って言うか、”小”が普通サイズということなんですね。
揚げ物もサクサクして美味しかったのですが、全体的に評判ほどの高レベルな味には思いませんでした。美味しいことには違いないんですが、高速道路や橋を使ってわざわざ来るようなものでもない気がします。
まぁ、美味しいと言っても”うどん”なのですから。値段にして約300円の食べ物。感動を期待する方が図々しいのかもしれません。
本手打 山下うどん
住所 | 〒765-0040 香川県善通寺市与北町284−1 |
営業時間 | 9:30〜18:00 |
定休日 | 火曜日 |
手打ちうどん つるや(観音寺市)
ちょっとしょんぼりした気分で迎えた2日目の朝。観音寺港で釣りをしていたら、地元のおっちゃんと話に花が咲き、この「手打うどん つるや」を紹介していました。
事前のリサーチでは、ヒットすることのなかった、この「つるや」。おっちゃんの話によると、店主がメディア嫌いで、あまり名前が知られることがなかったそうです。
- 地元のおっちゃん推奨
- 店主がメディア嫌い
良い要素が揃いました!
到着したのは12時半。行列というほどの行列はなく、店横の広い駐車場に車を停め、10分ほどでお店に入ることができました。
暖簾をくぐると、右手には丸見えの厨房。「昼時は戦争やで」と言っていたおっちゃんの言葉が思い出されます。ものすごく忙しそう!
注文が飛び交い、次から次へとうどんが茹で上がります。しかも、結構な頻度で注文間違いが発生するカオス状態。雑というか、適当というか、おおらかというか。気にせず、どんどんうどんが茹で上がっていく様子に風情を感じます。
うどんについては、店員さんに注文。おでんやいなり寿司などのサブメニューは、入り口近くにあるショーケースから、自分で取ってくる方式です。
僕が注文したのは「黄金(こがね)うどん・冷」。いわゆる「釜玉うどん」ですね。前日の反省から、サイズは小を選びました。たまごはデフォルト。トッピングとして、別に注文する必要はありません。それで220円って、めちゃめちゃお得。
山下うどんと同じく、麺は太め。ぴかぴかしてます。
テーブルに置いてある、だし醤油とネギを入れ、混ぜ合わせます。いざ実食!
美味しさ云々が主観の問題であることは承知しています。けれども、ここまではっきりしていると、書かないわけにはいきません。
「山下うどんよりも、断然、つるやの方が美味しい!」
麺のコシに関して、こちらの方が弾力があります。同時にモチモチ感やツルツル感も味わえる。特に、小麦自体の美味しさを感じるところに、明らかな差があります。
これですよ。遠路はるばる訪れてまで食べるうどんは!
子供が注文した「天ぷらうどん・小」も美味しかったし、
女性の握りこぶし大の「いなり寿司」も、
味噌ダレの「おでん」も美味しかった!
お客さんの多くは常連さんで、観光客は1割ぐらい。雰囲気も山下うどんとは違い、良く言えばアットホーム、悪く言えばクセが強い。忙しいからなのか、店員さんもぶっきらぼうな感じですしね。
驚いたのは、会計が自己申告制ということ。伝票なんてありません。店員さんも覚えていない。頼るのは性善説と己の記憶のみ。
僕が会計で並んでいると、一度帰ったお客さんが戻って来て「やっぱりおでん10本やったわー」って言って、再びお金を払って行きました。お店とお客が信頼で結ばれているというのか、単なるザルなのか。生まれて初めてですよ、こんなお店。
お土産なんかも、「山下うどん」ではきちんとパッケージングされたものが売られているのですが、「つるや」ではビニール袋に麺と出汁が小分けされ、蒲鉾が入っていたダンボール箱で渡すスタイル。たまりません!
手打うどん つるや
住所 | 〒768-0067 香川県観音寺市坂本町3丁目7−18 |
営業時間 | 10:00〜20:00 |
定休日 | 火曜日 |
あとがき
記事中にも書きましたが、味覚のことなんで個人差があります。好き嫌いという話ですね。だから「騙されたと思って」という表現がぴったり。
ランキング等には上がってこない「手打ちうどん つるや」ですが、是非ともわざわざ足を運んでみてください。オススメです!