バルミューダのGreenFan(以下グリーンファン)を買って良かったと思う点のひとつが、サーキュレーター的な使い方ができるところです。
エアコンの温度をエコな範囲で設定できるし、なによりも室内干しの洗濯物が、臭くならずによく乾く!
その後、寝室用に無印良品のサーキュレーター(大風量タイプ)を購入したら、これがまた素晴らしい商品で、まるでそよ風に包まれているかのよう。とっても快適に眠れます。
それ以来、サーキュレーターという”モノ”というか”考え方”にぞっこんになってしまいまして、ついに先日、VORNADO(以下ボルネード)のサーキュレーターを買ってしまいました。
さすがサーキュレーターの王様。明らかに風の質が違います。
そんなわけで、比較を交えながらレポートしたいと思います。
VORNADO(ボルネード)のサーキュレーター|660−JP
ボルネードのサーキュレーターのラインナップと選び方
ボルネードのサーキュレーターは、大きなものから小さなものまで、たくさんの種類がラインナップされています。一番小さなモデルで6畳用、大きなものだと45畳まで対応できるというのだから驚きます。
今回購入したのは、660-JPというモデル。ラインナップの中では中型クラスで、35畳(58㎡)までがスペック上の適用範囲となります。
我が家のリビングは12畳。8畳の洋間と繋げることができるので、居室としては、最大で20畳の広さになります。また、全ての扉を開け、廊下や玄関と合わせた場合には、おおよそ25畳といったところです。
サーキュレーターというものは、大が小を兼ねる的な側面が強いので、40畳以上の部屋にも対応する700シリーズにしようか、ずいぶん迷いました。また経験上、メーカー独自の測定によるスペック表記は、話半分で捉えておいた方が良いことも知っているので、大きいタイプの方が無難かな、と。ですが、最終的には値段とサイズのバランスから、660-JPに決めたわけです。
外観
選んだカラーはブラック。前面カバーは艶ありで、なかなかの高級感を醸し出ています。開封直後ということもあって、床が映り込むほどにピカピカ。
一方、台座など、前面カバー以外のプラスティック部分はマット仕上げ。凹凸のある梨地加工が施されています。これなら、ホコリや汚れが付きにくい。
見える部分は上品に、見えにくい部分は機能的にと、設計者の意図が感じられ、僕は好きなデザインです。
背面の角度調節バーは金属製。このバーは、持ち運びのときに取っ手としても使え、耐久性が要求されるパーツでもあるので、金属を用いたのは大正解だと思います。
安価な製品だと全てがプラスティックでできている、なんてことは多くありますが、そこは定価が2万円を超えるアイテムなだけに、使うべきところには使うべき素材がチョイスされています。
底面にはゴム脚が5つ付いていて、滑り止めと振動を吸収する役割があります。
このゴムは、指で力をかければ曲がるぐらいの柔らかい素材でできています。なおかつ同心円上に切れ込みが入っていることで、モーターからの力をしなやかに逃しているんだと想像します。
また、この素材&形状は、吸盤に近い効果があるようで、床にピタリと定着します。本当に吸い付くわけではありませんが、引きずって動かすのは難しいぐらい、その場に安定します。
かなりパワフルなモーターを使って大量の空気を動かすわけですから、これぐらいのグリップ力は必要装備だと思います。
電源スイッチと風量調節ボタンは、上部に設けられています。基本的には床に設置するものなので、この配置は正しいと思います。
無印良品のサーキュレーターは、電源&風量調節ダイヤルが背面に付いていて、かなり使いづらい。上向きに風を送っているときなんか、完全に手探りです。どっちに回せばいいのか、今だに分かっていないもんですから、間違って電源を切ってしまうことがよくあります。
ただしボタンの挙動は改善して欲しいところ。
660−JPは、起動の際、必ず電源スイッチを押さなければならないんです。理想は、どのボタンでも一発でお目当ての風量がセットできること。電源スイッチは、停止する時に使う程度。グリーンファンはそうなっているんで、かなり使いやすいんですよね。
水平から上90度まで、角度調整が無段階で行えます。風向を微妙に調整することで、部屋の形状や家具の配置にとらわれることなく、最も効果的な気流を生み出すことができます。無印良品のサーキュレーターは4段階の制限付きなので、大雑把なセッティングになってしまい、上手く気流を生み出せなかったりします。
しかも指一本で動かせるほど、角度調整は軽くて滑らか。先ほども書いたとおり、足元がしっかりしていることも一役買っているんだと思います。
無印良品のサーキュレーターと、サイズ&ボリューム的には、ほぼ同じ。ブラックカラーは重苦しいかなぁ、と心配していましたが、先細りになっているおかげか、想像していたよりも圧迫感や存在感がありません。ちょこんとリビングに収まっています。
ここまで660−JPの良いところを中心に書いてきましたが、カバーの取外しはネジ式という、かなり残念!な仕様になっています。
使われているのは、いたって普通のネジ。ドライバーで手回しするほか、やりようがありません。しかも工場出荷状態は、かなりきつく締め付けられていて、ネジ穴をつぶさないかヒヤヒヤでした。
無印良品のサーキュレーターは、横のポッチを押し込むことでカバーを外せます。道具は一切必要ありません。グリーンファンなんかマグネット式になっていて、引っ張るだけでカバーを外せてしまうのですから、めちゃくちゃお手軽です。
サーキュレーターというものは、カバーやプロペラにホコリが溜まってしまうと、一気に風力が落ちてしまうので、こまめなメンテナンスは欠かせません。なのにネジ式。これではメンテンスが億劫に感じてしまいます。もうすぐ平成も終わろうとしているのに、この仕様は絶対に改善したほうがいいと思います。
風量
風量は、[弱]−[中]−[強]−[ターボ]、の4段階に調節可能。電源を入れたら、強制的にターボで始動するのは、メーカーが推奨する使用方法に準じてのこと。
本サーキュレーターはスイッチを入れると、まず最大風量の「ターボ」で運転を始めます。はじめに、そのままの設定で数分間運転をし、風の流れを確認してから、お好みの風の状態になるよう調節してください。
風の流れは、サーキュレーターの設置場所、上下の向き(角度)や風量により変化します。最大風量で運転すると、風が遠くまで届く分、その強力な風による風切音がします。
空気が回りだしたら、風量は「中」から「弱」に落として使用されることをおすすめします。(660−JP説明書より)
重いものを動かすとき、最初はかなりの力が必要になりますが、動いてしまえばそこそこの力で動かし続けることができるのと同じ理屈ですね。
[ターボ]時の風量は、確かにすごいレベルです。
我が家の間取りで検証したところ、図面(↑)のようになりました。線の太さは風の強さを表しています。実線は直接的な風、点線はそよ風のような風が吹いていることを示しています。
我が家では、どんなに頑張っても25mを検証することができませんが、それでも約9m先までは強い風が届いていることが確認できました。壁や天井にはね返った柔らかい風なら、1階のどこにいても感じることができたので、「25m先まで届く」というのは、あながち誇張ではないように思います。
では他の2機種はどうか?
同じ位置から、無印良品のサーキュレーターを風量最大で動かしたところ、ボルネードより劣りはするものの、約9m離れた位置でもしっかりとした風を感じることができました。けれども、キッチンや洗面所など風の軸から離れた位置では、ささやき程度の風しか届きません。1階全体の空気をかき回すほどのパワーはありません。
グリーンファンでも試しましたが、さらに風量は落ちてしまいます。9m先に届く風は、柔らかくて気持ちの良い風なんですけどね。当然、風の軸から離れた位置には、継続的に届く風はありません。
計測器で測ったわけではないので定量的に表すことはできませんが、最大風量の違いを表せばこのようになります。
ボルネード660-JP >> 無印良品 >>> グリーンファン
風切音
反面、これだけ風量が大きいと、風切音も相当なもの。[ターボ]時の音は、笑っちゃうぐらい大きいです。説明書通り、室内を風が回りだしたら風量は落として使いましょう。[弱]や[中]なら、それほど気にならないレベルにまで小さくなるので。
3機種の風切音を、それぞれ「風量最大−最小」、「近い(本体すぐ横)−遠い(約9m離れて)」で比較してみました。
風量【最大】 | 風量【最小】 | |||
近い | 遠い | 近い | 遠い | |
ボルネード660−JP | 44〜65db | 14〜22db | 24〜32db | 9〜14db |
無印良品 | 42〜53db | 12〜20db | 15〜20db | 9〜14db |
グリーンファン | 18〜23db | 9〜15db | 10〜15db | 9〜15db |
そして体感的なものさしが以下の表(日本建築学会編 / 建築物の遮音性能基準と設計指針)です。
騒音レベル(db) | 自室内の聞き騒音 |
75 | うるさくて我慢できない |
70 | 非常にうるさい |
65 | かなりうるさい、かなり大きな声を出さないと会話ができない |
60 | 非常に大きく聞こえうるさい、声を大きくすれば会話ができる |
55 | かなり大きく聞こえる、多少注意すれば通常の会話は可能 |
50 | 大きく聞こえる、通常の会話は可能 |
45 | 多少大きく聞こえる、通常の会話は十分に可能 |
40 | 聞こえる会話には支障なし |
35 | 小さく聞こえる |
30 | 非常に小さく聞こえる |
25 | ほとんど聞こえない |
風量を最大にした時
照らし合わせてみると、660-JPのターボ時の音は、かなり大きいことが分かります。近くにいた場合、確かに、会話ができないことはないけど、少し声を張る必要はあるかな。離れても、しっかりと音は聞こえてきます。指針のような、「ほとんど聞こえない」ということはありません。
無印良品のサーキュレーターは、660-JPに比べて若干小さくなりますが、うるさいことに変わりはない、という感じです。
驚くべきはグリーンファンです。やっぱり「ほとんど聞こえない」ということはありませんが、いわゆる扇風機の[弱]程度の音量しかないように思います。
体感的な差を表現すると、こんな感じ。
ボルネード660-JP >>> 無印良品 >>>>> グリーンファン
風量を最小にした時
我が家の場合、サーキュレーターを動かしていない状態、いわゆる生活音は9〜15dbです。なので離れた場所であれば、どの機種も生活音に紛れてしまい、ほとんど気になるレベルではありません。
一方、近い場所では、少し差が出ます。
660-JPは風を切る音がしっかりと聞こえるのに対し、無印良品のサーキュレーターやグリーンファンは、耳を傾けなければ聞こえないほど静かです。この場合でも、やはりグリーンファンは格別で、回っていることに気付かず、電源を切るのを忘れて眠ってしまうことが度々あるほど。
同じく、体感的な差を表しておきます。
ボルネード660-JP >>>> 無印良品 >> グリーンファン
あとがき
部屋の空気が循環(サーキュレーション)すれば、確実に生活の質がレベルアップします。
どこからともなく、そよそよと吹く風は、木陰の中にいるようで、すっごく気持ちが良い。生乾きの臭いからも開放されるし、省エネ効果も期待できます。扇風機のように、直接体を冷やすわけではないので、ダルくならないのもポイント。一家に1台というよりは、一部屋に1台あってもいい、と僕は思います。
ボルネードのサーキュレーターは高価ですが、それだけの価値はあります。公式サイトのアウトレットコーナーや、Amazonなんかで、たまに値下げ商品が販売されていたりするので、気になる方は是非ともチェックしておきましょう。
ちなみに僕はAmazonで、定価50%OFFのものを買いました。この2ヶ月、毎日のように確認していた甲斐がありました。ショールームの展示品だったようですが、3年保証も付いている美品。ラッキーでしたね。
コスパで言えば、無印良品のサーキュレーター(大風量タイプ)はお買い得だと思います。リビングでも活躍する力は十分ありますし、税込5,900円という値段が輝いていますね。
季節ごとの商品入れ替えのタイミングやSALE品、10%オフになる無印週間なんかを狙うと、さらに安く買うことができます。LOHACOモールで買えば、Tポイントが付くのでさらにお得です!
あとスリーアップの「3Dターボサーキュレーター」なんかも、コスパ抜群です。
もう、普通の扇風機には戻れません。