6月といえば「梅雨」の季節。子どもたちが作った我が家のカレンダーにも、雨とかたつむりがしっかりと描かれています。
この季節で一番の問題は、洗濯物が乾きづらいこと。無風かつ湿気が充満している日ともなれば、たとえ雨が降っていなくても、生乾きになる確率は高くなります。ものすごーく憂鬱。生乾きになるぐらいなら、洗濯しない方がマシ!とさえ思います。
室内干しによる生乾き対策
対策として、
- 防カビ系の洗剤を使う
- バスタオルは使わない
- サーキュレーターをガンガン回す
などを実行しているのですが、特に効果が高いと感じるのは「C.サーキュレーターをガンガン回す」ことです。
サーキュレーターで気流を作ることによって、室内の空気の淀みを無くし、生乾きの悪臭の原因になる菌が洗濯物に付着するのを防ぐわけです。しかも乾燥する時間が早くなる、というおまけ付き。
「A.防カビ系の洗剤を使う」だけでは断ち切れなかった悪臭も、サーキュレーターを使うようになってからは、室内干しでも大丈夫というレベルに落ち着きました。サーキュレーターあってこその防カビ系洗剤だと言っても過言ではありません。
室内干しを支える「pid 4M(森田アルミ工業)」
そんな我が家の室内干し事情ですが、そもそもこれが無ければ成り立たないよね、というアイテムがあります。それが室内物干しワイヤーの「pid 4M(森田アルミ工業)」です。
今の家に住むと同時に使い始めたので、かれこれ7年。樹脂製の外装が黄ばんではいるものの、壊れることなく使い続けています。
「pid 4M」の良いところ
ワイヤー巻取り式は、置き場所にも困らない
「pid 4M」から”ワイヤー巻取り式”という機能を省くのは、亀が甲羅を脱ぐようなものであり、孔雀が羽根を広げないようなものである。と、何やら訳の分からない例えを連発してみましたが、ワイヤーが収納できることは「pid 4M」にとってのレゾンデートルだ、ということです。
ワイヤーは本体に収納されています。使う時にカラカラカラ〜って伸ばし、対面のフックに引っ掛けてロックするだけ。片手でセットできてしまいます。
またホスクリーンなんかだと、ポールや竿の置き場所を確保しなければいけませんが、「pid 4M」ならその必要はありません。壁からの少しの出っ張り(奥行60mm)さえ許容できれば、収納場所問題からも解放されます。
目立たず、可愛い
本体、フックカバーともマットな白色。ほんの少しザラリとした肌理は、光の反射が少なく、白色の漆喰を塗った我が家の壁によく馴染みます。
本体のサイズは、幅87mm x 高さ121mm x 奥行60mm。見え寸はインターホンの室内子機よりもはるかに小さいけれど、厚みがあるせいで、田舎豆腐が壁に貼り付いている印象を受けます。
それでもコロンとした見た目の可愛さのおかげで、威圧感は全く無く、リビングにあっても異物感はありません。あぁ、そういうインテリアなのね、という感じで。
頑丈、力持ち
見た目の可愛さに反して、かなりの重量物も干すことができるタフガイなやつでもあります。
メーカーの仕様では、最大荷重10kgまでとされています。けれども経験上、10kgを超えて干しても壊れないことは分かっています。
脱水後、まだまだ水分を含んだ1kgを超えるような冬物の服(スウェットなど)でも、10枚そこらじゃびくともしません。そんなことから考えると、20kg弱ぐらいまでは干せるんじゃないかという印象です。
ワイヤーはステンレス製で、濡れたタオルを直接干すことも可能。7年間使って、サビや腐食の発生は見られません。1.6mm径の太さも安心感があります。
安全設計
ワイヤーを収納する時ですが、とってもゆっくりしたスピードで巻き取られていきます。4mに伸ばしたワイヤーで、およそ8秒ほど。時速にすると1.8km/h。歩くスピードより遅い。何かの拍子にワイヤーが外れたとき、危険が及ばないように調整されているそうです。
またワイヤーには適度なザラつきがあって、干したハンガーがズレにくい仕様になっています。洗濯物を干すと、どうしても中央に向かって”たわみ”が生まれてしまうのですが、端っこに干したものでも、数センチ滑り落ちた位置で何とか踏ん張ってくれています。
洗濯物たちは出来る限り等間隔を保とうとしてくれます。全ての洗濯物が中央に集まって、どんがらがっしゃん!なんてことには絶対になりません。
「pid 4M」のイマイチなところ
良いところばっかり書いても信憑性がね、と思って色々考えてみたのですが、見当たりませんでした。
価格も実売6,000円と住宅設備として考えると、高いものではありません。この便利さを考えるとむしろ安いぐらい。我が家はリビング(1階)と寝室(2階)用に2つ設置したほどなので。
それでも強いてあげるとすれば、取付けるのに相応の知識と道具が必要ということでしょうか。
取付に必要な知識と道具
壁が石膏ボード、下地が木(または軽量鉄骨)
この場合、取付プレートのビスは下地の木、または軽量鉄骨に固定しなければいけません。石膏ボードにビス留めしても、洗濯物を干せばすぐに外れてしまいます。
問題は、壁を表面から見ても、下地の位置は分からないことです。
大工さんたちは、壁をコンコン叩いて下地を探します。音の変化で聞き分けているそうです。素人でも、ある程度は分かるのでトライしてみるのもアリかもしれません。ただし、失敗したら壁に穴が空くことを気にしなければ。
そんな時に活躍するのが「下地探し器」です。
こちらはセンサー式。壁裏の密度を検知して、骨組みの位置を特定する仕組みです。
最近のものは精度が高く、数ミリ単位で計測してくれます。むやみに壁を傷つけることなく、簡単に下地が探せるので、次に紹介する針式と迷ったら、センサー式をおすすめします。
針式の良さは「確実」ということ。下地が無ければスコスコと手応えが無く、下地にヒットすればしっかりと刺さったままになるので一目瞭然。
センサー式は間接的な方法には違いないので、ごくまれに間違うこともあります。針式は直接下地に触るので、間違いようがないわけです。
けれども小さな穴とはいえ、壁に傷をつけることになります。一番良いのは、
- センサー式で当たりを付ける
- 針式で確認する
ですね。なので僕は2つ持っています。
壁の下地が厚み12mm以上の合板
厚みが12mm以上の合板が下地として使われている場合、どこでも固定することができます。
昔は、設計段階で棚や家具を取り付ける予定がなければ、こんな仕様はめったにありませんでした。けれども、昨今の耐震化が進んだ家では、普通のことなのかもしれません。あるいは塗装仕上げなら考えられます。
いずれにせよ、この壁をお持ちの家はラッキーです。特に道具を揃えなくても、自由な位置に取付けできるので。
壁がコンクリート
さらに贅沢な仕様ですね。安藤忠雄建築です。
この場合も自由な位置に取付可能。ですが、それ相応の道具が必要になります。
まずは「コンクリートプラグ」。といっても、同梱されているようなので、ここではご紹介まで。
ビスだけをコンクリートに留めようとしても、モロモロと崩れ、しっかりと固定することはできません。先にコンクリートプラグを埋め込んで、そこにビスを留めることでプラグが開き、コンクリート壁との摩擦で固定できるようになります。
というわけで、コンクリートプラグを埋め込むための下穴を空ける道具が必要になります。
コンクリートに大きな穴を大量に空けるなら「振動ドリル」が必要ですが、5mm程度の穴を数個空けるぐらいなら、「インパクトドライバー」でも十分役割を果たします。ただし14.4V以上のパワーは欲しいかな。
ビットは専用品を用意しましょう。
下地が木や軽量鉄骨であっても、下穴を空けた方が綺麗に仕上がるので、インパクトドライバーは揃えておくと捗りますよ。
あとがき
DIYに慣れていれば、取付けは30分ほどで完了します。
慎重さが要求されるのは、取付プレートの位置決めぐらい。ワイヤーとハンガーフックの中心軸が揃うように、基準から追い出してくるわけです。といっても、ワイヤーが多少斜めになっても機能するので、こだわらなければ大変な作業ではありません。
洗濯物の室内干しだけでなく、冬場の来客時の上着掛けとして、また毎朝の布団干しとしても重宝したり。「pod 4M」は、一家に複数台あっても輝くアイテムです。