今年の夏キャンプは鳥取県。息子の「らくだに乗りたい!」という、かねてからの要求に応えるべく計画を立てました。
鳥取県といえば全国で最も人口の少ない県で、ブランド総合研究所の「魅力度ランキング」でも常に40位あたりをウロウロしているマイナー県です。
鳥取県が独自に行なったイメージ調査でも、
- 鳥取県と聞いて連想されるもの→「砂丘(79.9%)」
- 砂丘以外に連想されるもの→「特にない・わからない(24.9%)」
- 鳥取県に対するイメージ→「田舎(18.9%)」「地味(18.5%)」「のんびり(18.3%)」
というように、あまりパッとしない回答が多かったようです。
けれども実際に足を運んでみると、これがもんのすごく良いところなんです。
キャンパー目線で言えば、山と海との距離が近いので移動がラク。1日の中で2倍楽しめます。観光客目線で言えば、いたるところが絶景で、さりげないおしゃれスポットの多さにびっくりしました。
というわけで、大満足だった鳥取キャンプ。まずは拠点になったキャンプ場、「岩美町立町民いこいの里」のレポートからお届けしたいと思います。
岩美町立町民いこいの里
「岩美町立町民いこいの里」(以下、いこいの里)は、鳥取県の東側かつ最北端に位置する、その名の示す通り「岩美町」の山の中にあります。
面する道路は県道37号線。写真の看板を目印に、入ってすぐ右が駐車場で、
左に見えるのが「管理棟」です。ここで受付を済ませ、料金を払います。
その後、場内の施設や決まりごとの説明を受けるのですが、管理人さん自身がサイトまで案内してくれる親切っぷり。冗談交じりに話をしながら竹ぼうきでサイトを整備してくれたり、とってもフレンドリーなお人柄でした。
覚えている限りですが、決まりごとを列記しておきます。
- 直火は禁止。焚き火台の使用はOK。
- サイト中央のキャンプファイヤ場は、誰でも使用可。ここは直火OK。
- 生ゴミなど、火で燃えるものはゴミ箱に捨ててOK。ペットボトルも然り。
- びんや缶など、火で燃えないものは持ち帰り。
- 薪はもらえる。※HPには「販売なし」となっているので、記憶違いかも。
- 夜間等、基本的に出入りは自由。
- クマ、サル、イノシシ出没の恐れがあるため、食べ物を出したままにはしないこと。
- 17時以降、管理人さんは不在になる。
- 荷物の積み下ろし時は、車の横付けOK。
いこいの里は駐車場を中心に、右手が「常設テントサイト(第1キャンプ場)」、左手が「フリーサイト(第2キャンプ場)」、正面が「多目的広場(芝生広場)」というレイアウトです。
フリーサイト
僕たちが宿泊したのはフリーサイト。高い木立の合間で涼しく、すぐ横には小さな川が流れています。テントを張る前から、子どもたちはでびしょ濡れになって遊んでいました。
フリーサイトは、整地された敷地ではありません。木の根っこが出ていたり、松ぼっくりが転がっていたりするような、ほぼ自然のままの状態です。インナーマットは必須かな。
けれども荒れているような感じはなく、テントの設営に苦労することはありませんでした。
地面は適度な柔らかさで、ペグの打ち込みもスムーズ。子どもたちの手伝いもあって、30分弱という家族史上、最速記録を樹立したほど。
ハンギングドライネットを枝に吊るしたり、タープの片側を木々にくくりつけて雨水対策を施したりと、自然に溶け込みながら居住空間を作り出すのが、林間キャンプのおもしろさです。
常設テントサイト
駐車場から少し急な坂道を登っていったところに、常設テントサイトがあります。
常設テントは全部で12張。ちょっとレトロなデザインが可愛らしい。全てウッドデッキの上に設営されているので、多少の雨でもへっちゃら仕様になっています。
常設テントサイトは1段高い場所にあり、そのふもとにはキャンプファイヤーができる広場があります。炊事場やトイレもあるので、用を足しにわざわざ管理棟付近まで降りる必要がありません。
常設テントサイトは、小さな村のようです。大人数でイベント的にキャンプをすると楽しいでしょうね。僕たちが滞在した3日間とも、子ども会やサークルなどの団体が入れ替わり利用していました。
多目的広場、遊具、展望台、、、カブト虫が集う木
多目的広場はこんな感じ。見ての通り、ただの芝生広場です。
バレーボールかバドミントンか、ネットを挟んで対戦する何かのスポーツ用の器具だけが置いてあります。使い方は無限大!
フリーサイト横にある遊具は、数こそ少ないけれど、子どもたちには絶大人気!
昨今、公園では見かけることがなくなった、タイヤが回るやつとかロープウェーもどきのやつとかがあって、普段味わえないダイナミックな遊びを楽しむことができます。
うちの子はこのロープウェーもどきの遊具にはまって、何度も何度も狂ったように遊んでいました。砂丘のど真ん中にいる時まで、これで遊びたいから早く帰ろうと言う始末。よっぽど楽しかったようです。
常設テントサイトのさらに奥へ登っていくと、展望台にたどり着きます。
全方向に窓があり、鳥取市内や日本海を一望できると期待して入ってみましたが、
木々が生い茂っていて、何にも見ることができませんでした。残念!
帰りに樹液が出る木を発見。条件が良ければ、暗くなってからカブトムシやクワガタが、わんさか出現するそうです。残念ながら、滞在中はカブトムシのメス1匹とミヤマクワガタのオス1匹だけしか姿を現しませんでしたが。
その他施設
その他、ホール的な「休憩舎」があったり、「コインシャワー(3分100円)」もあるので、食材以外はキャンプ場内で完結できるかな。
車で5分の場所に「たきさん温泉」という激安入浴施設(大人200円、子供100円)があるので、どうせならそちらを利用する方が良いですね。ただし閉館時間が20時まで(夏月のみ。9〜5月は19時まで)なので、ご注意を。
家族4人が1泊500円の衝撃
いこいの里のきわめつけに嬉しいところは、料金が非常にリーズナブルな点。
町外者 | 町内者 | ||
サイト | 持ち込みテントサイト | 500円/泊 | 300円/泊 |
常設テント1張 | 1,500円/泊 | 800円/泊 | |
バーベキューサイト | 100円/人 | 100円/人 | |
貸出 | 炊事用具1式 | 500円 | 無料 |
バーベキューコンロ | 大500円、中300円、小200円 | 無料 |
町外者である僕たちは、持ち込みテント1張1泊500円という衝撃の安さ。個人にかかる入場料も清掃協力金もなく、500円ポッキリという非常に分かりやすい料金システムです。もちろん、タープなんかも含まれての値段です。
「町民いこい〜」という名前の通り、町内者はさらに安くて1泊300円。至れり尽くせりの高規格キャンプ場ではないにしろ、十分以上の設備と管理状況であることを考えると、安すぎるぐらいです。
鳥取県の無料キャンプ場
値段だけで検討するなら、鳥取県には無料のキャンプ場がいくつかあります。
この他にも探せばまだまだ見つかるので、鳥取県はキャンパーにとってありがたい土地です。
ただし経験的に、無料のキャンプ場はマナーの悪いお客との遭遇率が高いので検討は慎重に。
- 夜9時を超えても大声でしゃべり続ける
- 大きな音が出る打ち上げ花火をする
- ご飯粒や野菜の切りくずなどで炊事場を詰まらせる
などなど。
無料だから仕方がない、と割り切って利用するなら良いですが、気になる方は有料のキャンプ場を選ぶほうが幸せかもしれません。
あとがき
と言っても、いこいの里でも22時過ぎて打ち上げ花火をしているグループはいました。しかも小さな子供連れで。話しかけると、良い感じの人たちだったんですけどね。悪気はないのでしょう。
夜中にひっそり忍び込んでテントを設営するバイカーたちも見受けられたし、深夜に県道をドリフトしながら走り去る暴走車もいたので、値段なりのマナー意識といえば、そうなのかもしれません。残念な話ですが。
でもまぁ、次の機会でも「いこいの里」は間違いなくキャンプの候補地になります。
釣りへ出かけるのも車で20分、鳥取砂丘や市街地までも30分とアクセスが良く、一日の中で海と山、観光が楽しめます。おまけに夜中は涼しくて過ごしやすい。我が家にはうってつけのキャンプ場です。
岩美町立町民いこいの里
住所 | 〒681-0042 鳥取県岩美郡岩美町大坂 小田大坂 |
電話番号 | 0857-72-3366 |
予約については、町立には珍しく専用サイトがあります。フォームに必要事項を記入して送信すると、2、3日後には受付完了のメールが届きます。