10月も後半に入り、さすがに半袖短パンではいられないぐらいの肌寒さになってきました。
今年はもうキャンプに行く予定はありませんが、すでに来年の企画を考えたりして、今からワクワクしています。
一体キャンプのどういうところが、僕をこれほどまでに駆り立てるのだろうか?
2シーズンを終えて、今強く思うことを整理してみます。
満天の星空に宇宙を感じ、癒される
ロマンチックな見出しになってしまいましたが、他に言葉が思いつかないのでそのままに。
肉眼だから感じる”宇宙”
僕は視力がとても悪いので、普段、見ることのできる星はほんのわずかです。夜空はただの真っ暗な闇。そこには何もなく、何も感じません。
それがキャンプ場では一変します。
夜空には敷き詰められたように星が存在していることを知りました。この弱い眼でも確認することができます。
「天の川」ですら、これまでの人生で見たのは初めてでしたし、「すばる(星の赤ちゃんにあたる星団)」を見たときは、全身がゾクゾクするほど感動しました。先日行ったキャンプでは、「流れ星」にも遭遇しましたよ。
教科書やテレビなど、媒体を通しての存在でしかなかった星、すなわち”宇宙”。
肉眼で見ることで、”今そこにあるもの”として認識できるようになります。
〇〇億光年の世界
「〇〇億光年とは、光の速さで〇〇億年かかる距離のこと」という話を聞くと、頭がクラクラしてきます。意味は理解できるのですが、実感として結びつかない。ある種の不安を覚えます。
けれども、満天の星空を眺めていると、徐々にクラクラはしぼんでいきます。その後、圧倒的な存在に身を委ねた時に感じる安心感に包まれる。それがなんとも心地良い。
〇〇億光年前に放たれた光を確認。そいつを数えきれないぐらい認識した瞬間に、
「あー、自分ってちっぽけ」
と、再認識させられ、不思議とやる気が出てくるんです。一種の「瞑想」みたいなものなのか。
宇宙に癒やされる「スペースセラピー」なんて、どうでしょうかね。
熱く揺れる火に、癒やされる
「焚き火だ 焚き火だ 落ち葉焚き」
昔は普段の生活の中に、焚き火がありました。庭の掃除として、落ち葉や枯れ枝を集め、それを燃やし、一緒に焼き芋を焼いて食べたりしていました。
それがいつからか焚き火禁止の自治体が多くなり、こうした文化は消滅してしまいました。
「火」は、感情をほぐす
ガスの火は安定していて便利ですが、揺れることがないので見ていて面白くはありません。燃料が無くなるまで、「コォーッ」と音を出しながら、人工的で直線的な火を吐き出し続けます。
一方、落ち葉や枯れ枝を燃料とした火は、着火に時間がかかるし、火の粉もはぜ、大変扱いにくいものです。
けれども、燃える時の「パチッバチッ」という”音”と不規則な”揺れ”に心を癒やす何かがあります。ずっと見ていても飽きません。
「燃えるような情熱」とか「恋の炎」とか、火は感情とどこかで結びついているようです。
「せつない」、「やさしい」、「いとおしい」。心の奥底にある正体不明の感情が、じゅわーっとほぐし出されてきます。
そういや感情も、”揺れ”がツキモノですしね。
「火」は、場をまとめる
キャンプの夜、周囲の音といえば、虫の音と、風で葉っぱがこすれあう音ぐらい。
友人たちとお酒を飲みながら、焚き火を囲む。火が小さくなれば、だれかれともなく枯れ枝をくべる。みんなの視線は、踊るように揺れる火に注がれ、次第に夜が深くなっていく。
そんなことをしていると、嫌でもみんなの気持ちが一つになります。
寝る人がいてもいいんです。気持ちが良くなっている表現ですから。その姿を見て、また和やかになりますしね。
大地をそばに感じると、睡眠の質が高まる
朝までぐっすり
「人間は地面に近いほど熟睡できる」という科学的根拠を示した論文はないものか?
一戸建住宅の2階で寝ている普段の睡眠よりも、地上高わずか数センチのテントで寝るほうが明らかに良い睡眠ができています。川の音が聞こえるような場所なら、さらに睡眠の質は高まります。
日中によく遊び、体が適度に疲れているおかげかもしれません。吸い込まれるように、眠りへと落ちていきます。夜中に1度は目を覚ますのが常ですが、キャンプでは朝までぐっすりです。
地面に近いことは、安心感につながっているような気がします。
全ての疲れはリセット
何よりも、翌日に疲れが残りません。
この前のキャンプなんて、睡眠時間はわずか5時間弱。普段の生活とくらべて、3時間も短い。それでいて目覚めはスッキリ。スマホにやられた眼もクッキリです。
しかも起きた勢いで、日の出とともにパンを焼くほど元気。
一般的にテントに使われている素材は、ほどよく光を通します。そのため太陽がのぼり始めると、テントの中はやわらかな光で満たされ始めます。この空間がめちゃくちゃ気持ち良い!
朝の光に包まれることで、体内時計が調整され、目覚めを快適にしているんじゃないでしょうか。
よく眠れた朝に飲む珈琲は格別です!
あとがき
ここまで書いてきて、分かったことがあります。
キャンプは「癒やし」。
アクティブなイメージを持っていたキャンプですが、僕の心を駆り立てているのは「癒やし」的な側面が強い。
もちろん、動的な楽しさも必要だとは思います。けれども優先順位は「癒やし」の方が上。
ただ星を見て、焚き火をして、自然の中で眠る。
それだけのキャンプでも、僕にとっては十分魅力的。来シーズンが待ち遠しいです。