キャンプ&釣りに最適なヘッドライトを探し求め、たどり着いたのがはジェントスの「VA-01D」。必要十分な明るさで、防塵防水(IP67)に加え、耐衝撃性能、暖色LEDを備えるコスパに優れた名品です。
ファミリーキャンプでヘッドライトが1つだけ、というのは何かと不便なので、とりあえずもう1つ購入することに。
同じVA-01Dでも良かったのですが、どうせなら趣向の違うものにしようかと。購入したのは、マイルストーンの「MS-B4」です。
コスパ最強のVA-01Dよりも値は張りますが、見た目よろしく機能満載。愛着が湧くヘッドライトに仕上がっています。
マイルストーン「MS-B4」
まずはスペックのおさらい。
VA-01Dに比べて、優れている点は太字に、劣っている点は赤字にしています。
防塵防水性能 | IPX5 |
耐衝撃性能 | 耐衝撃性硬質ラバーボディー |
使用可能時間 | 3.5時間 – 40時間 |
電源タイプ | 単4形アルカリ電池×3本、エネループ非推奨 |
本体構造 | 一体型 |
ヘッドバンド形状 | シングルバンド |
明るさ | 220ルーメン |
照射特性 | ワイド照射(120°) |
照射距離 | 70m(最大) |
光の色 | メインは電球色LED、赤色サブLED/白色サブLEDに切替可 |
角度調整 | 約80°段階式 |
重量 | 約97g(電池含む) |
実売価格 | 約4,000円 |
それではひとつひとつ見ていきます。
防塵性能なし、防水性能IPX5は及第点プラス
MS-B4の防塵防水性能はIPX5。流水に耐えるだけの防水性能は備わっていますが、防塵性能はありません。
ホコリや塵が舞うキャンプ場では防塵性能が欲しいところですが、釣りに限っては神経質になることもないかと。
他のヘッドライトを見渡しても、防塵性能を持つものは希少。VA-01Dも含め、ジェントス製品が特別なのです。「水洗い可能」という最低限の要件はクリアということで、及第点プラスです。
実機では、電池フタ側にパッキンが施されているのが確認できます。閉めるときにグッと押し込む抵抗感は密閉されている証拠。けれどもVA-01Dほど力を入れなくても、開け閉めはできる感じです。
耐衝撃性能は明らかではないけれど
耐衝撃性能についても、軒並み備わっているジェントス製ヘッドライトを基準にしてしまいがちですが、そもそも他メーカーのものには記載が無いのが普通です。
MS-B4にも明確な記載がないわけですが、「対衝撃性硬質ラバーボディー」という、それらしき素材が使われています。「そこんところ一応は考えていますよ」的な設計になっているようなので、こちらとしても一応納得しておきます。
実機を見ると、本体と電池フタで素材が異なっているのが分かります。ゴムっぽい抵抗のある素材が本体で、サラリとしたのが電池フタ。どちらも”硬さ”においては同じような感じで、衝撃には強そうです。
けれども、呼び名の通り”ラバー”っぽいのは本体の方なので、ひょっとすると衝撃への耐性があるのは本体だけなのかもしれません。真偽のほどは、壊れなければ分かりませんけどね。
使用可能時間
※電池の消耗後、検証記事を書く予定。
単4電池3本使用は、ごくごく一般的
使用電池が単4電池3本というのは、電池ボックス一体型のヘッドライトでは一般的。ある程度の明るさと使用時間、コンパクト性を確保するなら、この仕様になるのが現状のようです。
おまけで付いてきた電池はパナソニック製。マイルストーン自体が大阪の会社なので、同郷のよしみというところでしょうか。
ちなみにエネループは非推奨。ですが使用は可能です。
明るさこそ落ちるものの、使用可能時間にそれほど差のないVA-01Dが単4電池2本というのは、やはり優秀です。
手の中に収まるコンパクトサイズに変わり無し
VA-01Dより電池が1本増えたけれど、サイズ感は同程度。手の中にすっぽり収まるコンパクトさに変わりありません。
けれども重さは、はっきりと違いを感じるレベル。当然ながら、MS-B4の方が重量感があります。それでも何とか100gは切っているので良しとしましょう。
調節しやすい素材のバンド
ヘッドバンドは取り回しの良いシングルバンド。この点もVA-01Dと同じです。
ただし素材は全然別物です。
VA-01Dのヘッドバンドは化繊にゴムが編み込んだもの。肌触りはタオルのようにふわふわしていて、親しみのある素材です。
一方、MS-B4のヘッドバンドは、サラリとしていてスポーティな感じの素材。伸縮性は普通にあるし、装着した感じは意外に快適。長さの調整もスルリとできて簡単です。
ヘッドバンドは、使っていくうちにヨレヨレになっていくのが常ですが、MS-B4のものについては、そうした劣化にも強そうな感じがするのですが、どうなんでしょう。
メインLEDは8割程度の明るさで十分
最大220ルーメンは、かなり明るいです。通常の移動で不安を感じることはない明るさで、平時の使用であれば、最大光量は不要でしょう。
詳しいルーメン値は分かりませんが、サブLEDの両光源(赤色、白色)であっても、最大光量であれば十分メインとして使えるレベルです。
電球色LEDメインはマイルストーン唯一。赤色LEDは釣り向き。
MS-B4のみならず、マイルストーン製ヘッドライトの最大の魅力は、メインのLEDに「電球色」が採用されているところ。
VA-01Dにも電球色LEDは搭載されていますが、あっちはサブLEDとして。現在市販されているヘッドライトの中で、電球色LEDをメインにしているのはマイルストーンだけです(僕調べ)。
この電球色のことを、マイルストーンでは「ナチュラルウォームカラー」と呼んでいます。その名の通り、目に優しく、自然な雰囲気の光を放ちます。VA-01Dの白色LEDと同程度の明るさで比較した時、MS-4Bの方が眩しさが抑えられている印象です。
さらにVA-01Dには無い「赤色LED」が搭載されていることも魅力のひとつ。
赤色LEDは「魚にプレッシャーを与えない」と言われています。釣果に悪影響を及ばしにくい以外に、他アングラーの邪魔になりにくいというメリットがあります。釣りには必須の光源です。
引っかかりの大きなクリック感で、角度調整は不安
VA-01Dと同じような仕組みの角度調整機構ですが、MS-B4のクリック感には大きな引っかかりを感じます。バキッバキッという音が鳴り、壊れるんじゃないのと不安になるので、積極的に調整したいとは思いません。
爪の素材が柔らかい上、細く、2本に分かれているため、このようなクリック感になっているんじゃないかと推察します。
比べて分かったことですが、VA-01Dのクリック感は滑らかで、とても安心感があります。
両ヘッドライトとも、しっかりと角度の固定はできるので、その点は安心してください。
メイン/サブLEDの切替えは、2ボタン式
MS-B4の操作は2つのボタンで行います。装着して右側がメインLED(電球色)、左側がサブLED(赤色→白色) 。操作系統が2つに分かれているおかげで、目的の光源やモードに簡単にアクセスできる点は、大いに評価したいところです。
世の中の多くのヘッドライトは1ボタン式。物理的に迷うことがないというメリットはあっても、目的の光源(あるいはモード)に到達するまで、何度もボタンを押さなければならないというわずらわしさが生まれます。
赤色LEDや暖色LEDって、ちょっとした時にサッと点灯させたいものだと、経験的に思います。光源を複数搭載する場合、明るいメインLEDを必ず通過しなければいけない仕様はナンセンスに思うんですけどね。
光量の無段階調整、メモリー機能
MS-B4の3つの光源全てにおいて、光量の無段階調整が備わっています。
赤色LEDを近場の移動用として使ったり、メイン電球色LEDを手元作業用として使ったりなど、状況に応じて照明環境をカスタマイズすることが可能です。
メモリー機能が備わっているので、再点灯後にカスタマイズし直す必要がないのも優秀。先述の操作体系と同じで、いちいち光量MAXを経過する必要がないのは、かなり実戦向きです。
愛着湧く自然系デザイン
おそらく等高線だと思われる図柄が入ったヘッドバンドは、遊び心を感じるデザインです。メイン側のボタンに、マイルストーンのマークがあしらわれているのも然り。
またMS-B4の「ティール(鴨の羽色)ブルー」は青緑色で落ち着きがあり、他メーカーでは見ないカラーリングです。
VA-01Dもそうですが、ジェントス製ヘッドライトは職人的デザイン。
ペツルやブラックダイヤモンド、レッドレンザー製ヘッドライトはスポーティなデザイン。
ゼクサスは、さしずめガンダム的デザインといったところでしょうか。
マイルストーン製品は「自然系デザイン」。外箱から説明書にいたるまで、ナチュラルウォーミングな風合いには、持つ喜びがあります。
あとがき
コスパ優秀なVA-01Dとの価格差は2,000円以上。
- メインLEDが電球色
- 赤色LED搭載
- 2ボタン式
- 光量無段階調整
- カスタマイズした光量を記憶
といった機能に加え、デザインに魅力を感じるなら、間違いなくおすすめのヘッドライトなんですが。とりあえず安くて良いやつ、という要望ならVA-01Dをおすすめします。