外れたガイドの補修には「エポキシ系接着剤」が最適。瞬間接着剤との違い。

トップガイドが外れた
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昨年、同じぐらいの時期に補修したロッドの穂先。

初心者釣り|10分で出来る!折れた穂先(振出し竿)の直し方

あの時はうっかり踏んでしまい、トップガイドから数センチの部分で、ポッキリ折ってしまいました。

素人補修ながら、約1年間の釣行には何事もなく耐えてくれていたのですが、最近になってトラブルが発生。今度はトップガイドがすっぽりと抜けてしまったのです。

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使用する接着剤の特性を知るのは重要

「ウルトラ多用途」は、激しく負荷がかかる釣りには不向き?

トップガイドの固定に使ったのは、たまたま手元にあったコニシボンドの「ウルトラ多用途」という接着剤。

「耐水性に優れ、衝撃にも強い」という特長を持っているので、釣り竿の補修に向いていると考えましたが、少々甘かったようです。

というのも、最近始めたエギング(イカ釣り)やジギングでは、釣り竿を何度もシャクる動作が入ります。当然、ガイドにはかなりの負荷がかかってしまい、接着部分が耐えきれなくなってしまったというわけです。

サビキ釣りやチョイ投げ程度ではビクともしなかったので、この接着剤自体が悪いわけではありません。特性を踏まえていなかったのが、いけなかったのです。

「ウルトラ多用途」の特性

「ウルトラ多用途」は「シリル化ウレタン樹脂系」という接着剤に分類されます。

ボンド商事株式会社のWEBサイトを参照に、その特性を見てみると、

  • 一成分湿気硬化形
  • マスチック(→大量に固める能力)
  • 耐寒、耐水性良好
  • 可とう性あり(→弾性力がある)
  • 耐衝撃接着に優れる
  • 変形追従性に優れる
  • プラスチック類への接着良好
  • クリープに弱い
  • 耐熱限界100℃

とあります。

やっぱり耐水性や衝撃性には優れた接着剤で、釣り竿の補修に全くの不向きというわけではなさそうです。

ですが、「クリープに弱い」という1点が引っかかります。

クリープとは、

物体に持続応力が作用すると、時間の経過とともに歪みが増大する現象。

Wikipediaより)

のこと。簡単に言ってしまえば、かかり続ける負荷に対しては弱さがあるということです。ハードなアクションを要する釣り方には向いていないのかもしれません。

ハードな使用の釣具には「エポキシ樹脂系」接着剤

穂先の補修の際に、応急用のリペアキットとして「ホットグルー」という商品があることを知りました。

販売しているのは「富士工業」。釣具パーツ界隈では超有名なトップメーカーです。

そんな富士工業が、リペアキットの使用後は改めて「2液性エポキシ接着剤」で固定することを勧めています(WEBサイトリニューアル前に掲載されていた情報)。

トップメーカーが推奨しているのですから、エポキシ樹脂系接着剤は最良の選択なのでしょう。

特性的にも、

  • 幅広い接着性
  • 高強度、接着力大で高耐久性
  • 耐水性、耐薬品性良
  • 二成分常温硬化形
  • 間隙への充てん可

と、申し分なさそう。

特に接着力はかなり高いようで、これならハードなアクションを要する釣りにも適していると思われます。

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エポキシ接着剤(ダイソー)で、外れたガイドを修理

エポキシ接着剤(ダイソー)

というわけで、2液性エポキシ接着剤を買ってきました、近くのダイソーで。もちろん税込108円。

エポキシ接着剤(ダイソー)

約10分で硬化する、速乾タイプ。

一般的にエポキシ接着剤は、硬化開始後、十分な強度を得るのに半日以上を必要とします。ダイソーのこの商品には特に記載がありませんでしたが、念の為、相場と同じぐらいの時間はみておいた方がいいでしょう。

エポキシ接着剤(ダイソー)

エポキシ接着剤には「揮発しても肉やせしない」という利点があります。時間が経過しても体積が減らないため、隙間の充填用としても使用できます。

ひょっとしたら今回ガイドが外れたのも、「ウルトラ多用途」で接着した部分に肉やせが発生したのが原因かもしれません。

エポキシ接着剤(ダイソー)|内容物

内容物は、写真の通り。「[A]主剤(エポキシ樹脂)」と「[B]硬化剤(変性アミン)」、そして「ヘラ」の3点セット。あとはダンボールの切れ端など、両液を混ぜ合わせるための捨て紙があれば準備OKです。

エポキシ接着剤(ダイソー)|2液を混合

ダンボールに両液を同量程度出し、

エポキシ接着剤(ダイソー)|

ヘラを使って十分に混ぜ合わせます。ガイドを接着するだけなら、ほんの少しの量なので、混ぜ合わせるのも数秒程度。

さらりとした液体で、混ぜ合わせてもすぐに固まることはないので、作業はやりやすいです。

エポキシ接着剤(ダイソー)|穂先に塗布

ガイドが外れた部分、ロッドの先端に塗り、

エポキシ接着剤(ダイソー)|ガイドを装着

ガイドを装着して完成!

はみ出た接着剤は、硬化後にカッターやヤスリで慣らしておきます。

エポキシ接着剤(ダイソー)|輪ゴムでセット

先程も書きましたが、硬化前の液体はさらりとしているので、ヘラに付いた接着剤はティッシュで簡単に拭き取ることができます。3点セットでまとめて保管しておけば、次も使いやすい。

瞬間接着剤など、空気中の水分と反応して硬化するタイプだと、ひどい時には1度使うと固まってしまってゴミ箱行き、なんてこともザラにあります。

その点、2液性エポキシ接着剤は、混合しない限り固まることがないので、管理がしやすく、何度でも使えて、実は経済的というメリットもありそうです。

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あとがき

2液性って、なんだか取扱いが難しそうなイメージを持っていましたが、全くそんなことはありませんでした。「ウルトラ多用途」なんかと使用難度は変わらない印象です。

ただし、

  • 接着面を10分間保持できること
  • 換気を十分に行うこと

は鉄則です。

ダイソーのエポキシ接着剤で十分だと思いますが、一応有名メーカーのものをご紹介。

あとは実際にハードアクションに耐えられるのか、またレポートしたいと思います。