伝統工芸を学ぶ旅。2日目は陶芸体験です。
実を言うと、これまでの人生で陶芸をするのは初めて。家のすぐ近くに清水焼や信楽焼など、有名な窯元があるにもかかわらずです。
というわけで、大人も子供もウッキウキの制作体験でした。
農村工芸体験館
お世話になったのは、砥部焼の手びねり体験ができる「農村工芸体験館」。外観は三角屋根、中がログハウス調の可愛い建物です。
作業場の棚には、制作の参考となるサンプル品や、
多種多様な型枠の材料が並んでいます。
まずはスタッフさんが作るのを見てお勉強。
不織布を敷き、希望する厚み分の板を左右にセットします。粘土延べ棒を使って粘土を伸ばしていくわけですが、どれだけゴロゴロ転がしても板の厚み以下には薄くなりません。なるほど!
粘土を均等な厚みに伸ばせたら、型枠を載せ、細工棒を使って切り出します。
その際、一度で必要な大きさが確保できなくても大丈夫。切り出した粘土を足りない部分に継ぎ足し、また切り出す、を繰り返すことで、徐々に目標のサイズ・形に近づけていきます。
型枠にも不織布を敷き、粘土をはめ込んで成形します。不織布を敷くのは、粘土がくっつかないようにするため。中心に持っていくのが、なかなか難しい。
粘土が乾かないうちに、スタンプなどを使って凹凸のある模様を付けることもできます。
上の子は、タンブラー作りに挑戦。
薄く伸ばした後は、型枠に貼り付けて成形。底を平らにするために、切り弓と呼ばれる道具を使って、レベルを揃えます。初めて使う道具は難しかったみたい。
下の子はスープカップを作りました。
基本的にはタンブラーと同じ作業です。違うのは、持ち手を付ける工程が発生すること。かなり大きな持ち手を付けたため、重みで垂れ下がってしまいました。ハクション大魔王に出てくる壺のようになっていましたよ。「アラビン・ドビン」。
形が整い、模様を付け終わったら、着色作業に入ります。
砥部焼のスタンダードカラーはブルー。白磁をベースとして、呉須と呼ばれる薄い藍色の手書きの図案が特徴だそうです。
けれども、ここでは好きなカラーリングを楽しみます。素敵なトーンの12色。焼き上がり後は色味が変化するので、サンプルを見て、想像しながら塗っていきます。
着色完了。
どんな風に仕上がるかは、焼き上がってからのお楽しみ。完成品は、2ヶ月ほど後に自宅まで宅配していただけます(別途料金)。届いたら、また写真をアップしますね。
1人分の粘土は約1kg。余った分で、好きなものを作ってもOKです。ただし、メインのアイテムと合わせて3個まで。
子供たちは、箸置きを作っていました。どうやら”骨”をイメージしたそうです。ちょっと大きすぎる気はしますが。
陶芸に集中して疲れた体をリフレッシュするには、併設されているローラー滑り台がもってこい?ダンボール製のマットを貸していただき、大声で笑いながら、何度も何度も滑走していました。
あとがき
農村工芸体験館では、手びねりの他に、ろくろを使った制作や絵付けのみの体験も行われています。スタッフの皆さまが本当に親切丁寧にご指導いただけるので、小さな子でも楽しんで完成させることができます。
本当は、ろくろも体験させたかったのですが、小学5年生以上が対象ということで叶いませんでした。けれども実際に作業をしてみると、手びねりぐらいが丁度良い難しさだったように思います。ろくろだと、この世のものとは思えない作品に仕上がっていたような気がします。
夏休みの自由研究として、「自宅のオーブンで作る陶芸セット」で練習するのも良さそうです。
農村工芸体験館
住所 | 〒791-2205 愛媛県伊予郡砥部町総津117 |
営業時間 | 9:00〜17:00(火曜日休館) |
連絡先 | 089-969-5087(予約含) |