2017年1月16日、マクドナルドのコーヒーがリニューアルされました。
生まれ変わったのは、『プレミアムローストコーヒー』のホット。リニューアルは着々と進めていたようで、全ての店舗で提供可能になったのがこの日、ということだそうです。
どこが変わったのか?
[Change]豆が1種類増えた
これまでのブラジル、コロンビア、グァテマラ産の上質な豆に、新たにエチオピア産モカを追加。エチオピア産モカはフルーティな香りとやわらかな酸味を特長としており、コーヒー全体の味をコク深くクリアな後味に仕上げます。(マクドナルド公式サイトより)
僕が美味しいさと感じた一番のポイントは、”香り”でした。アロマ度合いが20%ほど強くなった印象です。なるほど、モカがプラスされていたのですね。
[Change]豆の種類ごとに焙煎方法を変更
4種類の産地の豆が持つおいしさを最大限引き出すために、それぞれの豆の特性に合わせた最適な焙煎度を採用しております。(マクドナルド公式サイトより)
リニューアルの前後で焙煎の様子はどう変わったのか。
[リニューアル【前】] | [リニューアル【後】] | |||
[豆の種類/焙煎度] | 深煎り | 少し浅め | 深煎り | 少し浅め |
ブラジル | ◯ | ◯ | ◯ | ◯ |
コロンビア | ◯ | ◯ | ◯ | – |
グァテマラ | – | ◯ | – | ◯ |
エチオピア産モカ | – | – | – | ◯ |
[味の方向性] | グァテマラ産豆の 酸味を活かす |
エチオピア産モカの 酸味をプラス |
リニューアル後、コロンビア産の豆は「深煎り」のみを担当。「少し浅めに焙煎」するのは、エチオピア産モカの担当となりました。
一般的に、焙煎度合いが浅いものは「酸味」が強く、深いものほど「苦み」が強く感じられるようになります。エチオピア産モカを浅めに焙煎するのは、持ち味である香り高い「酸味」を引き立てる狙いがあったのでしょうね。
[Change]カップが白を基調としたデザインに
リニューアル前のカップは、茶色を基調とした、どちらかというとシックなデザインでした。それが一転、リニューアル後は、白ベースに「McCafe」のスペルが浮かぶ非常にシンプルなデザインに変更されました。
このデザインからは、
- さわやか
- 軽やか
- 気軽
といった印象を受けます。
以前のデザインは、「リッチ」や「重厚」など、プレミアム感を強く押し出していたものでした。販売戦略が変わったのかもしれません。そういえば、ライバルであるセブンイレブンのカップも”白”ですね。対抗意識が感じられます。
エチオピア産モカの「フルーティな香り」と「やわらかな酸味」には、白ベースの方がイメージが合うように思います。味覚への良い効果を期待しているのかもしれません。
さらに美味しく飲むためにはフタを外そう!
変更された事実を知らなくても、一口飲めば分かるほどに美味しくなったマクドナルドの『プレミアムローストコーヒー』ですが、さらに美味しく味わうためにも、フタは外して飲むことをオススメします。
フタの役割
そもそもあのフタはどんな役割があるのでしょうか?
正式名称は「トラベラーリッド」
正しい名前は「トラベラーリッド」というそうです。
馴染みがないことと、少し長いことを理由に、この記事では単純に「フタ」と表記します。
飛び跳ね防止
テイクアウト時、フタがなければ中身が飛び跳ね、自分だけでなく、周囲にも迷惑がかかる恐れがあります。匂いだって、苦手な人がいるかもしれません。フタはマスクをするようなもの。エチケットです。
保温効果
フタをしなければ、外気に触れる面積が広くなり、コーヒーが冷めやすくなります。せっかくのホットが、すぐに冷めてしまってはやりきれません。薄っぺらいものですが、温かさを守ってくれています。
落ちついて飲める状況なら、フタは不要
こうした役割からも分かるとおり、基本的にはテイクアウトを想定して作られたものです。決して風味を良くするための直接的な効果があるわけではありません。
喫茶店など、落ち着いた場所で飲むことを前提としたコーヒーにはフタはありません。もしもフタをすることで美味しくなるのなら、付けているはずです。つまり風味的には、フタは不要なのです。
フタを外して飲んだら、美味しさがアップした
だったらフタを外して飲めば美味しくなるんじゃない?と思い、試してみたらピタリと的中。これまた、はっきりと違いが感じられました。考えた理由は以下のとおり。
放たれるアロマの香り
大きく違いを感じたのは、”香り”でした。
フタを外すと、ほわ~っとアロマが顔全体を包み込みます。あれがエチオピア産モカの香りなのかな。何とも良い香りが鼻腔を満たし、より一層、気持ちを緩めてくれます。
フタをした状態だと、ここまでふんだんにアロマを楽しむことはできません。せいぜい飲み口から漏れてくる、ごく少量のみ。閉じ込められていたせいなのか、ちょっぴり濁りが生まれているような気もします。
コーヒーにとって、”香り”は美味しさの重要な成分なので、それが増したことが風味アップに繋がったのじゃないかと思います。
飲み頃の温度
飲み頃の温度に早く到達することも、影響しているんじゃないかと思います。
一般的に、ホットコーヒーの提供温度は80度、飲み頃は60〜70度と言われています(UCC公式サイト参照)。美味しさのピークには、少し温度が下がるのを待たなければなりません。けれどもその間、酸化によって、味に劣化が生じてしまうのです。
酸化は、高温ほど早く進みます。冷めたホットコーヒーが不味いのは、それが理由。逆に、アイスコーヒーは時間が経っても、それほど味に変化はみられません。
フタを外すことによって、早く適温になる。結果、酸化が最小限に抑えられ、より高いレベルの美味しさを味わうことができたのではないかと思うのです。その代わり、飲むスピードも要求されちゃうのですが。
普段どおりの飲み方で
フタがあると、飲む時に口をすぼめるわけですが、あれ、かなり不自然に思うのです。コーヒーが流れ込んでくるタイミングがいまいち分かりにくいですし、必要以上の空気が入ってしまうのもどうなのかと。
普段、コーヒーカップで飲む時は、もっとリラックスした形をしています。無駄に空気を吸い込むこともありません。当然、フタを外せば普段通りの飲み方になります。
「使うお箸が違えば、味も変わる」
同じことが口の開け方にも言えるんじゃないかなぁ。
あとがき
フタは外して飲むことを推奨しましたが、今のところ、マクドナルドのコーヒーだけに言えることのようです。その後、セブンイレブンのコーヒーでも試してみましたが、違いは分かりませんでした。
ひょっとしたら、使われている豆の種類によって差が生まれるのかもしれません。今回のリニューアルで追加されたエチオピア産モカのような、「香り」と「酸味」が特長の豆に効果があるように思います。
またラテやカプチーノなど、上にミルクが乗っかっているコーヒーには不向きです。フタを外してしまうと、ミルクとコーヒーが上手く混ざらず、美味しく飲めなくなってしまいので。