【コーヒードリッパー】知らなかった!メリタ式とカリタ式、淹れ方の違い。

メリタとカリタのコーヒードリッパー
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休みの日やキャンプなど、ゆったりとした時間を過ごせるときには、ハンドドリップで淹れるコーヒーを楽しんでいます。

これまで自宅用のドリッパーとして、メリタの陶器製のものを使ってきました。購入したのは、3年ほど前になりましょうか。

曲がりなりにも、安定して淹れられるようになってきたので、いろいろ試してみたくなりまして。最近、カリタのドリッパーを追加しました。「102-ロト(ブラウン)」、同じく陶器製です。

色こそ違いますが、形は同じようなもの。パッと見の雰囲気は、よく似ている。質感も、もちろん同じ。

けれども詳しく調べてみると、両者は全くと言っていいほど、性格の違うドリッパーだということが分かりました。

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メリタ式とカリタ式ドリッパー:形状の違い

シルエット的には本当にそっくりなのですが、2点ほど、はっきりとした違いがあります。

抽出口(穴)の数

メリタとカリタのドリッパー|抽出口の数の比較

メリタ式は穴1つ、カリタ式は穴3つ

ひとつめの違いは、ドリッパーの底に開けられた穴の数。

この穴は「抽出口」と呼ばれるもので、上から注いだお湯がコーヒー豆を通り、サーバーへと落ちていくための”出口”となります。

メリタ式ドリッパーの抽出口は1つ(写真左)で、カリタ式は3つ穴(写真右)となっています。

穴の数と味への影響

抽出口の数は、コーヒーの味に大きく影響を及ぼします。

穴の数が多ければ、注がれたお湯はとどまることなくサーバーへと落ちていきます。豆に触れている時間が短いので、余計な雑味成分を抽出しにくくなります。おかげですっきり、あっさりした味のコーヒーになります。

一方、穴の数が少なければ、お湯がドリッパー内にとどまる時間が長くなるので、豆本来の成分をしっかりと抽出し、濃い目のコーヒーに仕上がります。

リブ(みぞ)の長さ

メリタとカリタのドリッパー|リブの長さ

メリタ式は中段、カリタ式は最上段まで。

ふたつめの違いは、ドリッパー内に設けられたリブ(みぞ)の長さ。

メリタ式のドリッパーには、底〜中段あたりまでしかリブがありません。

一方、カリタ式は上段めいっぱいまで設けられています。

おおよそ倍ほどの差があります。

リブの役割と味への影響

リブは空気(ガス)の通り道

そもそも、このリブは何のためにあるのでしょうか?

メリタやカリタと並んで有名なハリオ(HARIO)の公式サイトには、このように説明されています。

”蒸らし”の際のコーヒー粉の膨張を妨げない高いリブでペーパーとドリッパーの間に空気の層を作ります。

「ひねり」を加えたリブが、ペーパーとドリッパーの密着を防ぎ空気が抜けることでコーヒー粉がしっかり膨らみ抽出の際にスムーズな抽出を促すことができます。

HARIO公式サイトより)

コーヒーやお湯の通り道、と説明されているサイトもありますが、本来の目的は「空気の通り道」なのです。

空気(ガス)が抜けると、美味しさが引き出される

では、なぜ空気が抜けないといけないのか?

コーヒー豆は中に含まれているガスが抜けることによって、お湯との馴染みが良くなります。お湯としっかり馴染む(=蒸らす)ことによって、アロマ成分が抽出され、本来の美味しさを引き出すことができるのです。

ガスが上手く抜けないと、抽出の邪魔になり、コーヒーの美味しさが引き出されにくくなってしまうのです。

カリタ式の方が優れているのか?

こうしてみると、より多くのガスが排出されそうなカリタ式の方が優れているように思います。

けれども実際に使ってみた感じでは、リブが長い方が美味しい、というわけではなさそうです。

それよりも穴の数の方が、味への影響は大きいように思います。

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メリタ式とカリタ式ドリッパー:淹れ方の違い

今回の記事で一番言いたかったのが、この項目。

メリタ式は1回(または2回)のみ、湯を注ぐ

ハンドドリップと聞けば、ポットをくるくる回しながら、時間をかけてお湯を注いでいるイメージではないですか?

映画に出てくる喫茶店のマスターは皆、そうやってコーヒーを淹れています。僕に、ハンドドリップで淹れたコーヒーの美味しさを教えてくれた友人も同じ。教則本にだって、基本の淹れ方として紹介されています。いわば「標準的な淹れ方」というわけですね。

しかしながら、メリタ式ドリッパーでは、この淹れ方を正式サポートしていません。

メリタのフィルターは、抽出口がひとつだけ開いている「1つ穴」方式なので、正確な時間で抽出されるように計算されています。一度に給湯できるので、何回かに分けてお湯を注ぐ必要はありません

メリタ公式サイトより)

蒸らし作業の後は、杯数分のお湯を一度に注ぐだけ。しかも中央一点のみ。500円玉大の円を描く必要すらないのです。

特別な技術を必要とせず、誰でも簡単にドリップできるのがメリタ式の強みと言えます。

ちなみに僕が使っているのは、「1×2」というサイズのもの。1度の注湯で、2杯分のコーヒーを淹れることができます。4杯分のコーヒーを淹れる場合は、2回注湯すればいいということになります。

カリタ式は、数回に分けて湯を注ぐ

一方、カリタ式ドリッパーは、「標準的な淹れ方」を推奨しています。

豆の上にそっと「乗せる」感覚で、ゆっくりと均等に浸透させてください。
豆が膨らんでくるのを待つこと30秒(むらし)、その後、数回に分けてゆっくりドリップしてください。

カリタ公式サイトより)

慣れてくると、注湯スピードを変えることで、コーヒーの味をコントロールできるようになります。カリタ式の強みは、この点にあります。

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メリタ式とカリタ式ドリッパー:味の違い

コーヒー

淹れ方の違いは、はっきりと味に表れます。

メリタ式の味の傾向

メリタ式ドリッパーで淹れた場合、しっかりとした濃い目の味になります。

形状的にも、淹れ方的にも、豆とお湯が接触している時間=抽出時間が長いことが要因だと考えられます。

豆の個性がより強く出る傾向にあるので、上質の豆を使えば極上の喜びとなり、程度の悪い豆を使えば、はっきりとした不味さとなって返ってくるので要注意です。

カリタ式の味の傾向

一方、カリタ式ドリッパーで淹れたコーヒーは、角のない、バランスが取れた味に仕上がります。

平均化された飲みやすい味、といえばいいのかな。普通に淹れれば、メリタ式よりも抽出時間は短くなるので、雑味が出にくいのかもしれません。

けれどもカリタ式は、淹れる人の腕によって味が大きく変わります。

例えば、抽出時間を長くして、酸味や苦味を引き出すこともできるし、その逆も可能です。

表現できる味の幅は、メリタ式よりも広いように思います。

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メリタ式とカリタ式ドリッパー:熟練度別、最良の選択

メリタ式は入門者向き

これまでのことを踏まえると、メリタ式は入門者向きのドリッパーだと言えます。

メーカーが推奨する淹れ方なら、

  • 豆の種類
  • 豆の挽き方
  • お湯の温度

だけを気にすればよく、注湯のスピードや量、テクニックは不問となります。

使用するケトルだって、ドリップに最適な細口タイプを使う必要はありません。普通のやかんやティファールだって構わないのですから。

しかしながら「標準的な淹れ方」ができないわけではありません。

なので、初めのうちはメリタ式で練習を重ね、上手く淹れられるようになったタイミングで、別のドリッパーを購入するのも良いかと。仮に挫折した場合、そのまま使い続けても良いわけですから。

どちらにしても、美味しいコーヒーを楽しめるので、リスクの少ない選択だと思います。

カリタ式は中級者向き

カリタ式は、メリタ式よりも変数が増える分、中級者向きなのかもしれません。

  • お湯を注ぐスピード
  • お湯を注ぐ量
  • 注ぐための諸々のテクニック

など、習得しなければいけないことがいくつかあります。メリタ式のように淹れてしまうと、明らかに薄い味のコーヒーが出来上がってしまいます。

けれども自由度は高いので、使っていて楽しいのはカリタ式のように思います。

カリタ式でドリップするには、一緒にドリップ用の細口ケトルを揃えましょう。お湯の量やスピード、落とす場所が細かくコントロールできます。

苦味や酸味をコントロールするには、温度計もかかせません。

両方を兼ね備えたケトルがあれば完璧です!

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あとがき

メリタ式ドリッパーが「注湯は1度でいい」なんて、正直、驚きました。ハンドドリップというものは、ゆっくり丁寧に注ぐものだと思いこんでいたもので。

知らずに使っている人って、結構いらっしゃるんじゃないかな。説明書は読まなきゃダメですね。

両者とも、特長がはっきりと出るドリッパーなので、2つ揃えて、豆ごとに使い分けるのが楽しい使い方だと思います。

さらに抽出口がより大きなハリオのV60ドリッパーも、またメリタやカリタと性格が違っておもしろいです。

コーヒー・ミルが変わると美味しさも大きく変化します。

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