少し前にインターネットで話題になっていた、『にほんの色鉛筆』が近くのセリアに売っていたので、試しに買ってみました。
「発色が良く、塗りやすい」
ということで評判になっていたのですが、今回は、
「どれぐらい”日本の伝統色”が出せているか」
に注目してみようと思います。
セットの内容と仕様
12色の構成
1セット12色入り。その内訳は、
- 金茶(きんちゃ)色
- 杏(あんず)色
- 紅(べに)色
- 牡丹(ぼたん)色
- 菖蒲(しょうぶ)色
- 瑠璃(るり)色
- 露草(つゆくさ)色
- 青磁(せいじ)色
- 緑青(ろくしょう)色
- 栗(くり)色
- 鳶(とび)色
- 墨(すみ)色
となっています。
いわゆる赤・黄・緑・青・紫・茶・黒がまんべんなくそろっているので、伝統色といっても一般的な用途でも問題なく使えますね。
一般的な鉛筆の半分の長さ
普通の色鉛筆を想像していたので、売り場でその大きさにびっくり。思っていたよりも小さかった。
長さ8.5cm。普通の鉛筆の約半分ぐらい。
選挙の記入台に用意されている鉛筆と同じサイズでしょうね。あとIKEAの注文シート記入用の鉛筆とも同サイズかと思います。
色名の刻印無し
残念ながら色名の刻印はありません。
墨色や栗色など、濃い目の色は、芯をパッと見ただけではどの色か判断に迷うものもあるので、刻印は欲しいところ。税込108円の商品にこれ以上の原価をかけることはできないのかもしれませんが。
発色を検証
それでは実際に発色の具合を確かめていきます。
今回、色見本で使用したのは『キーカラーがすぐに選べる 基本の色辞典(MdN発行)』です。
金茶(きんちゃ)色
まずは金茶(きんちゃ)色。ずいぶんと黄色が強く出ています。
辞典には、”金の色を思わせる茶色”とあるので、どちらかというと茶色に寄ってる方が正しいのかな。
杏(あんず)色
同色系統だとは思いますが、明るめに出てますね。
紅(べに)色
こちらももう少し暗めであれば、見本色に近くなるのですが。
牡丹(ぼたん)色
これはちょっと彩度が高いかな。
この写真を見ると、紅色は、赤紫色に非常に近いことが分かります。
菖蒲(しょうぶ)色
系統は良いのですが、薄めですね。もっと深みが欲しいところ。
露草(つゆくさ)色
菖蒲色と同じく、もう少し濃くあるべきかな。惜しい。
青磁(せいじ)色
これはくすみが足りないかな。綺麗な色なんですがね。
栗(くり)色
この色は結構イイ線いってます。赤味と黄色味をすこしづつ足りないかな。
鳶(とび)色
むむっ。これは明らかに方向が違う感じがします。辞典の説明によれば、”数多い茶色のなかでも茶を代表する色のひとつ”だそうで。茶色の代表感はあまりないですよね。
墨(すみ)色
これはまあ良いんじゃないでしょうか。単純に黒です。
まとめ
見本色と比べて、全体的に、明るい・薄い・鮮やかの傾向ですね。
そこそこ塗り重ねたので、色鉛筆のパフォーマンスは引き出せているかと思います。
使用した紙がキャノン普通紙・ホワイトなので、特別に良いものではありません。紙を変えれば、もう少し色濃く、深みのある色が出せるのかもしれません。いや、どうかなぁ。結構グリグリ押し付けたけどなぁ。
日本の伝統色は、いわゆるアースカラーであり、くすみや深さに味わいがあるので、もう少し寄せて欲しかったというのが正直な感想です。
箱にはキャッチコピーとして、”色彩感覚を育む和名12色セット”と書いてあるので、なおさらそのように思います。
もう一歩踏み込んで、日本の伝統色を使ったお絵描きをしたい方は、水彩毛筆20色セットなんかもいいですね。
旅先でスケッチとか、憧れます。こういうのをプレゼントされると、個人的には嬉しいです。
少々、ネガティブ寄りの記事になりましたが、塗り心地は良いように感じました。しっとり柔らかい感触で、しっかりと色を重ねられます。サイズやコストも含めて考えると、小さな子供が使うのには、とても良い色鉛筆だと思います。