キャンプ場と標高の関係。確認するべき5項目と、気温別の対策。

雪景色
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「これから行くキャンプ場って寒いのかな?」

「寝るときはスウェットで平気かな?」

なんて会話を、キャンプ出発前、夫婦の間でよく行います。

寒さへの対策は万全で臨むべきですが、車の積載容量にも限界があるので、必要最小限に抑えることが理想です。

おおよその気温が分かれば準備もしやすいので、事前にできるかぎりの情報収集をしておきましょう、というのが今回のお話です。

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天気予報だけでは不十分

キャンプ場の気温を知るために、天気予報を確認する。誰もがしていることだと思います。

けれども天気予報には、2つの問題点があります。

1.位置的ズレ

気象庁が発表している天気予報は、各都道府県をいくつかの地域に分けただけの、大まかなもの。場所によっては、予報との”ズレ”があります。

キャンプ場は、予報の基点から離れていることが多いため、”ズレ”が生まれやすい。また、山間部や海沿いなど、位置している環境条件が違うことも”ズレ”を助長します。

2.体感的ズレ

気温の観測は、一定の環境下に設置された電気式温度計で行われます。

  • 風通しの良い場所
  • 日当たりの良い場所
  • 芝生の上1.5mに設置
  • 直射日光は避ける

など、できるだけ外的影響を受けないようにと、基準が設けられています。取り巻く環境が温度計毎に異なれば、正確な測定ができなくなってしまいます。

逆にキャンプ場は、そうした外的影響を受けやすい場所です。周囲が樹木で囲まれていれば日陰になり、浜辺ならば太陽光を遮るものはない。

晴れだった天気が1時間後には大雨、なんてことも頻繁に起こる。風向きや強さだって、目まぐるしく変わります。つまり、上記の温度計で測定された「気温」は、あまり当てにはならないのです。

キャンプ場で実際に感じる温度=「体感温度」は不安定で、「気温」とは”ズレ”があるものだと考えておくべきです


こうした”ズレ”を少しでも解消するために、気温と合わせて、次のことを確認しましょう。

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位置情報

キャンプ場の位置情報は、出発日とは関係なく、いつでも知ることができます。計画段階で調べておけば、持ち物も揃えやすくなります。夏場は”涼しさ”を優先するなど、位置情報を基準にキャンプ場選びを始めるのもひとつだと思います。

標高

「標高」とは、海面からの高さのことです。

気温は、標高が高い場所ほど低くなります。平地では降っていない雪が、山の頂上には積もっている、なんてことはよく聞く話です。そんなことからも、直感的に理解することができると思います。

標高が100m高くなれば、気温は0.6℃下がります

仮に、キャンプ場が、予報の基点よりも1000mほど高い場所に位置しているとすれば、6℃の寒暖差があることになります。天気予報が18℃と示していれば、キャンプ場は12℃ということです。

これは「ネルシャツ1枚を羽織って出発したものの、現地ではアウター無しではいられないぐらい肌寒い」ということを意味しています。

「標高」と「海抜」の違い

東京湾の平均海面を0mの基準面としています。基準面からの高さを、「標高」とよびます。また、近隣の海面(たとえば大阪湾など)からの高さは、「海抜」とよびます。(国土地理院HPより)

緯度

「緯度」が1度違えば、寒暖差はおおよそ1℃になります。

とは言ってみたものの、あまりピンときませんね。緯度という指標が、日常的なものではないからでしょう。分かりやすくするために、メートル法に置き換えます。

緯度1度 ≒ 111km

つまり約111km北上すれば、1℃程度、気温が下がることになります。

けれども気温差への影響は、緯度よりも気候条件の方が大きいので、参考程度にしかならないようです。

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体感温度の条件

体感温度は気象に関するものに影響されやすく、キャンプの直前にならないと正確な情報が得られません。けれども確認を怠ると、大変な目に会いかねないので、忘れずにチェックしておきたいところです。

風速

風速1m/sにつき、体感温度は1℃下がる、といわれています。実際には、諸条件によって誤差が出るようなので、ざっくりと「風が吹けば、寒く(涼しく)感じる」と考えておけばいいでしょう。

大事なことは、どれぐらいの風がどれぐらいの風速なのかを理解することだと思います。

【 風力の目安 】
相当風速(m/s) 説明
0.0〜0.2 静穏。煙はまっすぐに昇る。
0.3〜1.5 風向きは煙がなびくのでわかるが、風見には感じない。
1.6〜3.3 顔に風を感じる。木の葉が動く。風見も動きだす。
3.4〜5.4 木の葉や細かい小枝がたえず動く。軽い旗が開く。
5.5〜7.9 砂埃がたち、紙片が舞い上がる。小枝が動く。
8.0〜10.7 葉のある灌木がゆれはじめる。池や沼の水面に波頭がたつ。
10.8〜13.8 大枝が動く。電線が鳴る。傘はさしにくい。

表を見ると、風速10m/s程度までは日常的に体験していますね。個人的には、体感温度の低下を実感するのは、風速5m/sぐらいだと考えます。それぐらいの風が吹いていれば、防風防寒対策が必要になります。

この記事の執筆中、窓ガラスがバタつくぐらいの風が吹いていました。調べてみると、風速9m/s。春先のこの日、気温は11℃でしたが日射しは温かく感じられました。けれどもこの強風のせいで、ダウンジャケット無しではいられないぐらい寒い一日でした。

日射

太陽の光があれば、体感温度については、冬は暖かく、夏は暑く感じます。逆に、曇りや雨の日は肌寒く、あるいは涼しく感じます。晴れていても、木陰であれば体感温度は下がります。日射しが”ある”と”無い”とでは、体感温度はずいぶんと変化するのです。

日射と体感温度の関係は、定量的に表すことがむずかしいようで、簡単な関係式はありません。経験的には、日射の有無で、プラスマイナス5℃程度の影響があると感じています。

湿度

肌のまわりに水分がたくさんある状況、つまり「湿度」が高い状況では、熱が伝わりやすくなります。言い換えれば、体温と外気の間で熱交換が盛んになる、ということです。

湿度と体感温度の関係をまとめました。

気温 湿度 体感温度 説明
10℃以上 80%以上 上がる 暖かい日、湿度が高いと、体感温度は上がる。
80%以下 下がる 暖かい日、湿度が低いと、体感温度は下がる。
10℃以下 80%以上 下がる 寒い日、湿度が高いと、体感温度は下がる。
80%以下 上がる 寒い日、湿度が低いと、体感温度は上がる。

簡単にいうと、湿度が高ければ、暑い日はより暑く、寒い日はより寒く感じるということです。

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気温と対策

これら「位置情報」と「気象条件」を踏まえ、天気予報で示される「気温」を補正します。プラスマイナス5℃以上のズレが予想される場合は、1段階、対策レベルを引き上げる(引き下げる)必要があります。

服装

僕の経験を中心に、体感温度とキャンプでの服装の関係をまとめました。

体感温度 服 装
26℃〜 半袖シャツ
21℃〜25℃ [晴れ] 半袖シャツ
[雨&曇]長袖シャツ
16℃〜20℃ 薄いアウターやネルシャツなど、1枚羽織る
11℃〜15℃ フリースやダウンなど、防寒対策が必須
〜10℃ フリース+ダウンの重ね着など、本格的な冬用防寒対策が必須

こうしてみると、昼間の気温が30℃を超えるような時でも、

・標高500m+木陰+風速5m/s+湿度40%

のような組み合わせなら、長袖シャツや薄いアウターは持って行く方がいいですね。

寝具

同じように、寝具についてもまとめてみました。

体感温度 寝 具
26℃〜 タオルケット アルミマット
21℃〜25℃ ブランケットや薄手の毛布 アルミマット+インナーマット
16℃〜20℃ 厚手の毛布 アルミマット+インナーマット
11℃〜15℃ シュラフ アルミマット+インナーマット+個別マット
〜10℃ 本格的な冬用シュラフが必須 アルミマット+インナーマット+個別マット

個別マットが必要かどうかは、シュラフの性能によります。設計されている「コンフォート(快適)温度」が低いものであれば、無くても大丈夫な場合が多いでしょう。

しかしながら地面から伝わる冷気というものは、より一層、体感温度を引き下げます。想定外の冷気で眠れない、ということがないよう、家族に1枚ぐらいは個別マットを用意しておいてもいいのかもしれません。

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あとがき

自宅から遠く離れた、しかも自然に囲まれたキャンプ場は、土地勘も無く、想定外のことが起こるものです。

昨年の春に行った養老キャンプ場は、標高が200mほどしかなく、市街地からそれほど距離があるわけでもないので、夏キャンプ程度の準備しかせず、痛い目にあいました。

予報よりも風が強かったことと、山肌に位置しているので木陰に覆われる時間が多かったことが合わさり、想像していたよりもずっと寒かったのです。

毛布を2枚しか積んでいなかったので、家族4人が体を寄せ合い寝ることに。夜通し、何度も目が覚め、疲れが取れなかったことを思い出します。

僕のような辛い思いをしないためにも、この記事が参考になればと思います。

※標高と風速の確認は、マピオンが使いやすいです。